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データから見るプロダクトマネージャーカンファレンス 2022 #pmconf2022

こちらは プロダクトマネージャー Advent Calendar 2022 24日目の記事です。メリークリスマス🎄

2022年11月2日、3日にプロダクトマネージャーカンファレンス 2022が開催されました。当カンファレンスにご登壇頂いた皆さま、ご協賛頂いた企業さま、そして、ご参加頂いた皆さまに心からの感謝を申し上げます。

この記事では、様々なデータをご紹介しながらプロダクトマネージャーカンファレンス 2022を振り返ってみます。

参加者データ

参加申込者数とNPS

今年で7回目を迎えたプロダクトマネージャーカンファレンスですが、初めて参加申込者数が前年を下回りました。悔しい…!とはいえ平日の日中帯に4,000人以上の方にご参加いただいたのは喜ばしいことです。

NPSも少し下がりましたが、引き続き高水準を維持しております。アンケートでは「とても勉強になりました!」「このレベルの知見が無料で得られるのは凄すぎる」「社内での取り組みに活かせそうな内容がたくさんあった」などといった声を多くいただきました。

単純計算で、2,000人弱のプロダクトマネージャーの方にご参加いただいたことになります。国内のプロダクトマネージャー人口の何割くらいになるんでしょうねw
また、今年もプロダクトマネージャー以外の方にも多くご参加いただきました。職種ごとの比率は昨年と大きく変わりませんでした。

自社プロダクト開発に関わっている方で7割以上を占めました。toB/toCの比率は例年通りの割合となっております。
今年のセッションでは受託開発・クライアントワークのプロダクトマネージャーの方にもご登壇いただきましたが、今後もいろいろな立場のプロダクトマネージャーの方のお話を聞ける場を作っていきたいなと思っております。

スタートアップから大企業まで幅広い企業の方々にご参加いただきました。今回のセッションも同様に様々な規模の企業のラインナップを用意させていただいたので、ニーズにあったセッションを見つけられたことを願うばかりです。

セッションデータ

今年は5トラックで44のセッションを行いました。昨年からの変更点として、セッション時間枠を50分 or 20分に固定することで開始時間・終了時間をなるべく統一したり、その分休憩時間を少し長くしたりと工夫をしてみましたが、いかがだったでしょうか?
誰もが知る有名なプロダクトの話、VCやエージェントの立場からみたプロダクトマネジメントの話、様々な工夫や苦労話など、本当にバリエーション豊かなセッションとなりました。その中でも特に人気の高かったセッションを紹介させていただきます。

なお、アーカイブ動画はほぼ全て公開しておりますので、ぜひpmconfのYouTubeチャンネルからご覧ください。

視聴者数人気セッションTOP3

セッションをリアルタイムで視聴した人数(セッション時間内の平均)が多い3つのセッションを紹介いたします(アーカイブ動画の再生数は含みません)。

なお、Keynoteセッションのみ単独トラックで配信したため、ランキングの対象外とさせていただきます。当然ながら視聴者数はぶっちぎりの一位でした。

2016年に行われた最初のプロダクトマネージャーカンファレンスにご登壇いただいたお二人に、この6年でのプロダクトマネジメント界隈の変化について質問形式で深掘りしていくセッションでした。
パンデミックによって分業が進み、プロダクトマネージャーにはより「任せる力」や「方向をクリアに示せる力」が求められるというお話から、任せる際のマインドセットやビジョンを作る際のポイントなど、大変ためになるお話を聞くことができました。及川さんの質問力もさすがです…!


では、ランキングに参ります。


👑第1位👑
プロダクトビジョンを正しく生かして、芯のあるプロダクトを作る秘訣
LinkedIn 曽根原 春樹様

LinkedInという大きな組織で、どのようにプロダクトビジョンを定義し、それをどのようにNSMやKGIなどに分解し浸透させていくのかを、具体的な事例を交えて説明いただいているセッションです。特に複数チームのメトリックに影響する施策を行う際のコツとして「メトリックにガードレールを設ける」というお話は、なるほどなあと思いました。

アンケートには以下のような声がありました。

・プロダクトだけではなく、組織論にも通じるところがあり大変参考になりました
・『プロダクトビジョンをいかにマネジメントするか』の観点で実例を元に知見を頂き、大変参考になりました

アンケート結果より


👑第2位👑
"運用"するプロダクトロードマップのはじめ方
株式会社10X 浦 祐介様

ステークホルダーが多く、仕様や要求の複雑性が高いプロダクトのロードマップの運用方法を紹介いただいているセッションです。1.ロードマップがないことで起こった問題、2.ロードマップを作るにあたって進めたこと、3.ロードマップを運用して得られたことの3点を、具体的な事例と共に説明いただいています。仕組みとしてしっかり作り込まれている印象で、ステークホルダーへのロードマップの説明や優先度付けに困っているプロダクトマネージャーの方にとっては参考になるのではないでしょうか。

アンケートには以下のような声がありました。

自社の取り組みに具体的に活かせそうな内容だった

アンケート結果より

👑第3位👑
全メンバーが責任を持って、最短時間で最大のユーザー価値を提供するためのプロダクト開発と組織
株式会社Gaudiy 三島 和人様

アウトカムの最大化に向けて、プロダクト開発組織と開発プロセスに大きな変更を加えたお話を紹介いただきました。特に開発組織の変遷において、それぞれのフェーズの狙いや課題を具体的に説明いただいています。デュアルトラックアジャイルなど少し難易度の高いプロセスにも挑んでいたりと、アウトカム最大化を実現したいプロダクトマネージャーにとっては参考になるセッションかと思います。

アンケートには以下のような声がありました。

プロダクトマネージャーがいない環境で混沌としている環境にいまして、少しずつ自分の環境に適用できそうな話でおもしろかったです

アンケート結果より


満足度人気セッションTop3

カンファレンス後にお答えいただいたアンケートの満足度平均の高いセッションを3つ紹介いたします。

👑第1位👑
プロダクトビジョンを正しく生かして、芯のあるプロダクトを作る秘訣
LinkedIn 曽根原 春樹様

なんと、LinkedInの曽根原さんのセッションが視聴者数・満足度共にトップとなりました👏
多くの視聴者の期待を裏切らずしっかり満足させるのはさすが曽根原さん、という感じですね。


👑第2位👑
プロダクトマネジメントと人間中心設計~デザイナーからPMへのキャリアシフト~
富士通株式会社 吉川 嘉修様

デザイナーからプロダクトマネージャーへのキャリアシフトにおいて、どのように役割を変えていったのか、どのようにプロダクト開発のやり方を身に付けたのか、人間中心設計の考え方やスキルがプロダクトマネジメントにおける仮説検証サイクルにどう活きたのかなど、ご経験に基づいたリアルなお話が聞けます。
これからプロダクトマネージャーを目指すデザイナーの方や、実際にデザイナーからプロダクトマネージャーにシフトされた方にオススメのセッションです。

👑第3位👑
『組織として』顧客を理解するインタビュー習慣の作り方 〜継続的ディスカバリーの実践例〜
株式会社タイミー 高石 一樹様

個人の頑張りに依存したり単発で終わってしまいがちなユーザーインタビューを「組織として」取り組めるようになった習慣づくりについてご紹介いただきました。特にインタビューから得たインサイトを組織やチームの共通理解に繋ぎ込むやり方のパートは、実際にユーザーインタビューを行っているプロダクトマネージャーやリサーチャーの方々にとって非常に参考になるのではないでしょうか。

アンケートには以下のような声がありました。

大切だけど緊急度が高くないユーザーインタビュー、弊社でもやりたいけど中々頻繁に実施できない状態でした。習慣にできるよう仕組み化すること、素晴らしいと思います。具体的な、すぐに実践できるような事例紹介とてもよかったです。

アンケート結果より


定性データ

最後に、アンケートでいただいたカンファレンス全体に関するコメントをいくつか紹介させていただきます。

とりあえず日本のPdM職なら必ず出ておくべきカンファレンスであることは疑いようがない。初心者もベテランも、何かしらの学びがある。

大変ありがたいお言葉です。我々としても、初心者でもベテランでも何かしらの学びを得ていただきたいと思って、セッションやネットワーキングの設計をしております。

全体的に内容がよく、1度は聞いてみて欲しいセッションばかりであったため。もし良ければ学生向けがあると嬉しかったです。

一方で学生さん向けまではカバーできてませんでした。こちらについては次年度以降検討してみたいと思います。もし学生さんで「こういうものを聞いてみたい!」というご要望があれば、Twitterで #pmconf をつけてツイートしてくださいませ。運営メンバーSlackに自動通知されるようになっているため、参考にさせていただきます。


セッションについては「生の声が聞けて嬉しい」というフィードバックがかなり多い結果となりました。

プロダクトマネージャーは正解のない問いに向き合う職種であり、その問いへのアクションはその会社によってもプロダクトマネージャーによっても異なると思っているので、生の声を聞くことができるのは大変ありがたいです。

みんな苦労してるっていうのが分かって安心できる

一方で20分というセッション時間枠については様々なご意見をいただきました。

一つ一つのセッションが20分と短いので、コンパクトに要点がまとめられており、頭に入りやすいのは良いと思います。

20分のセッションは少し短すぎると感じました。登壇者の方も伝えたいことが時間内に収まらないようで早口で話される方が多い印象です。聞く側としても、理解が追い付かなかったり、メモを取る余裕が無かったりで、もう少し余裕があると良いかなと思います。

ここは運営側としても常に悩むところで、毎年少しずつ改善をしているポイントでもあります。登壇者の方々の意見も踏まえ、次年度以降の方針を決めていこうと思います。


たくさんのアンケートへのご回答、ありがとうございました。
このようなフィードバックは我々運営にとっては本当に貴重なものです。このカンファレンスも一つのプロダクトとして、これらのフィードバックを活かして年々進化・成長させていきたいと思っております。

(おまけ)オンサイト交流会について

今回はカンファレンスの翌日の11/3(木・祝)に、オンサイト会場での交流会を行いました。

特にこちらについては詳細なアンケートやデータ収集を行なっていないので、運営側の感想をおまけとして書いてみます。

今回は「大きいハコに大量のPMを詰め込んだら何が起こるか」といった社会実験のような交流会としてみました。特にイベントもファシリテートもなく、ただ椅子・テーブル・紙・ペンを乱雑に置いてみただけです。

なんの秩序もない配置

その結果、交流会として非常に盛り上がったと思います。あちこちで自発的に輪が生まれては消え、様々な人と交流できた方も多かったのではないでしょうか。もちろん誰一人取り残さずに交流の機会を提供できたか、と問われるとそうではないと思いますが、ある程度の及第点は取れたのではないかなと思います。

なぜマイクにフォーカスを合わせたのか…

反省点としては、今回来場者の方にマグカップなどの記念品をお渡ししたのですが、ちゃんと事前告知をしていなかったのでカバンを持っていない方は困っておりました。また荷物置き場も狭かったりと至らない点もありましたので、もし次回またやるとしたら改善に繋げたいと思います。

マグカップと付箋をお配りしました

というわけで、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。やはり直接お話をするというのはいいですね。
次年度以降も開催するかどうかは現時点では完全に未定ですが、もしやるとなったらお会いできることを楽しみにしております。

ありがとうございました!

最後に

改めまして pmconf 2022 にてご登壇頂いた皆さま、ご協賛頂いた企業さま、そしてご参加頂いた皆さま、本当にありがとうございました。

来年の開催も検討しておりますので、ぜひ公式Twitterアカウントをフォロー頂き、情報をお待ちいただければと思います。

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