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「既存の業界ではチャレンジしにくい領域に挑むスタートアップこそPublic Relationsを身につけてほしいー。」 PMI理事 日比谷 尚武

先日発表の通り、共同設立者/理事として 一般社団法人Public Meets Innovation を設立いたしました。「なぜ君が?」「君は誰だ?」という声もあろうかと思いますので、この場を借りて、立ち上げに参画することになった経緯と想いをご説明したいと思います。

▼現職と、現職にいたるまで
今やっていることを一言で説明するのは難しいのですが、最近では、コネクタと名乗って活動しています。
ITベンチャーを中心としたスタートアップチームや社会課題に取り組む団体に、ある時は外部から、ある時はメンバーとなって関わり、主にPublic Relations(広義の広報)やマーケティング、ステークホルダーの巻き込みなどの支援をするのが主な役割です。それらをひっくるめて「人と情報をつなぐ」つまり「コネクトする役割だよ」と名乗っているわけですね。

少しさかのぼると、学生時代にインターネット黎明期を迎え、周りにインターネット界隈を主戦場として起業したり技術と生活を結ぶ方法を模索することを目的としたプロジェクトを立ち上げる人たちがワンサカいたおかげで、自分もベンチャーの立ち上げや、産官学民が入り混じったプロジェクトに首を突っ込む日々を過ごしておりました。今思えば、当時の世界観や働き方が、今でもそのまま続いている感じです。(さらにさかのぼると、小学生時代からプログラミングやコンピュータ通信を楽しんだり、学生時代には文化祭やライブイベントを運営する裏方としてプロジェクトを切り盛りしたり、場作りをすることに楽しみを見出しており、それも今と変わっておりませんね)

そんなわけで長らくIT企業の経営やプロジェクトの立ち上げ、スタートアップの支援などなどの役回りでスタートアップの世界に身を置いていて感じるのは、「もったいない」がたくさん転がっていること。せっかく良いビジネスプラン、熱い想い、技術を持って起業したり、組織を作っているのに、コミュニケーションが上手でない人が多いことです。自分たちの良さを発信したり、外部の声に耳を傾けることが得意でないチームを見るたびに「もったいない」という気持ちになるんです。

▼ “イノベーションと政策における課題” (イノベーター側の視点)
そんな課題感を抱えながら、PublicRelationsの観点からスタートアップの支援を続けていて気づいたことがあります。それは、スタートアップの中では、、PublicRelationsの概念の中で重要なステークホルダの一つである「行政機関」「法律(立法機関)」や「地方自治体」に対する理解がまだ広がっていないということ。別の角度で言えば「社会課題」に対する理解が必ずしも十分ではないということです。

昨今、スタートアップが取り組む事業は、シェアリングエコノミー、フィンテック、ヘルスケア、モビリティ、バイオ等々、、社会課題の解決、社会のインフラを担う領域に広がっています。逆に言えば、変化が大きく予測不能になってくる世の中において、既存の業界や企業ではチャレンジしにくい領域にこそスタートアップがチャレンジするチャンスと意義があるともいえ、挑戦者も増えています。

一方で、社会インフラ領域や既存産業のある領域においては、すでに法規制や業界ルール、慣習など様々な「前提」が存在したり、、もしくは全く新しい概念を社会に持ち込む場合は「ルール不在」の中で挑戦をすることになります。そこで、必要となるのは「前提」がどうなっているのかを知り「グレーゾーンを見極める」のはもちろんのこと、事業を継続させるためにも「やがて社会のルールとなる」覚悟が必要となるのではないでしょうか。言い換えれば、「法的に問題ないか」「どうやったらすり抜けられるか」ではなく、「こんなルールができるべきだ」という発想。そのためにも、法律や各種ガイドライン等を理解し、場合によってはルール変更や新たなルール作りも事業計画の中に盛り込んでいく必要があると考えています。そしてそのためには「行政機関」「法律(立法機関)」やそれに携わる人たちとの「コネクト」が必要だと思うのです。

▼PMI設立にかける思い
PMIを通じて、イノベーターにとってのブルーオーシャンマップを提示したいと思っています。10年後・50年後の社会がどこに向かっていくのか、そのためにどんな挑戦やルール変更が必要となるのか。社会が進化すればルールが変わり、そこには事業の余地が生まれます。ルールの変化、社会の進化を少しでも身近に捉え、挑戦すべきフィールドを見出すこと、さらには自ら「社会作り」に参画する意志をもつ挑戦者のために力を尽くしたいと思っています。

理事 日比谷 尚武
一般社団法人 at Will Work 理事 / Sansan コネクタEightエヴァンジェリスト。慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、NTTソフトウェアに入社。2003年後輩が創業・経営する株式会KBMJに転じ取締役として開発マネジメント・ 営業・企画・マネジメント全般を担う。2009年からSansanに参画。マーケティング・広報機能の立ち上げに従事。現在はSansanコネクタ / 名刺総研所長 / Eightエヴァンジェリストとして活動中。株式会社PR Table エヴァンジェリスト、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会広報委員、一般社団法人at Will Work理事、渋谷をつなげる30人プロジェクト コネクタ も兼務

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