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【2019.11.20】宙吊り死亡遊戯

そうだ 空、飛ぼう。

11月いっぱいはネビスでのアクティビティ(バンジージャンプ、カタパルト、スウィング)がローカル割キャンペーン中で、半額でアドレナリンジャンキーになれる。

カタパルトに至っては本来225ドルのところ、99ドルまで落ちていたので、これは飛ぶしかないと思い、雲行きが怪しい中、各国のアドレナリンジャンキーの皆さんとともに出発。

NZのカタパルトは2018年に始まったばかりのアクティビティで、世界最大級のスケールを誇る。しかしバンジージャンプに比べて知名度がやや低いのか参加者は私達二名のみ。各国のアドレナリンジャンキーは9割がたがバンジージャンプに挑戦しており、1組のカップルは隣のスウィングという弾丸ハイジブランコに挑戦し、さながら野性味を帯びたアルプスの少女と化していた。

99ドルという破格の値段に釣られ参加を決意したものの、前日の夜公式動画を見て若干ビビっていた私は、出発前は緊張していた。
とはいうものの、ピアノの発表会当日の朝思いっきりリバースした小6の頃に比べ幾分余裕があったし、『死んでもあなたたちのせいじゃないわよ署名』をした際は思わず笑みが溢れるほどではあった。
死と隣り合わせの大自然が迫りくるアクティビティより、地に足がついた人間の方がよっぽど怖いというのだろうか…いやどっちも恐ろしいけども!

バンジージャンプ発祥の地であるカワラウ川でスタッフをピックアップした後、街から約1時間ほどでネビスに到着。

受付の柱では、持ち主の代わりに犠牲になったスマホやGopro(装着式カメラ)が、見るも無惨な状態でその残骸を晒していた。もしこれが人だったら、このスマホのように全身ひび割れ中身が飛び出すのか…と持病のスプラッター妄想に走りつつ発射場へ。
ちなみにカタパルトは英語で弩、パチンコの意味を示すので、我々は巨大なパチンコを用いてフルメタルジャケットになるのだ。

残念ながら鬼畜ハートマン軍曹はいなかったが、にこやかなスタッフによる念入りな安全確認と、『君、緊張してるのかい?大丈夫だよ!すぐに楽しくなるさ!』とスタッフのキウイ節に励まされつつ着々と発射準備が行われた。
側から見ると肉屋を彷彿とさせる宙吊り状態になった瞬間、恐怖が全身を駆け巡った。

ほどなくしてカウントダウンが始まり、ついに発射!

ものすごいスピードで眼前に迫りくる大自然に対し、思わず叫ばずにはいられなかったが、不思議と高揚感が恐怖に勝った。とはいうものの非日常の真っ只中な為、語彙力は無事死亡。ひたすらにうわあぁぁまじかあぁぁやばあぁぁいフッフーとしか言えず、ああもっと腹から声出して絶叫すればよかったなあ…とプチ後悔。

しばらくの間足元や周りの山々をゆっくりと観察しつつ、今いるここなら落ちてもギリギリ死なないかも…などと物騒なことを考える。人ってこういうとき冷静だよね。

ひとしきり宙ぶらりん死亡遊戯を楽しんだ後、名残惜しげに日常へ戻った私を待ち受けていたのは、こみ上げる達成感と興奮であった。恐らく発射と同時に私も立派なアドレナリンジャンキーとなったのであろう。

なおここではプロによる動画及び写真撮影のサービスもあり、これらの購入もなんとローカル割で半額に!

ニュージーランドにいる喜びをまた一つ味わった私は、期間中にスウィングかカタパルトもう一回やりたいなあ…とぼんやり考えたのであった。



カタパルトは、終わってしまえば呆気なく、そして物足りなく感じ、もう一度飛びたくなる不思議な魅力があったが、これは恐らくアドレナリン依存症なのであろう…ありがとうローカル割…ありがとう大自然…

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