見出し画像

子育てをビジネス研修と捉えてみる①

ちょうど1年前の春に、2回目の育休から復帰した私。

今もまさに、復帰前のざわざわを抱えたママさんたちがいるだろうし、復帰を迎え入れる社員さんたちもいるだろうと思うので、1年前に書きかけて頓挫していた「子育てをビジネス研修と捉えたら、結構いいんじゃないか」説を書いてみたいとおもいます。

------------------------
きっかけは、1回目の産休前に何名かの男性社員に言われた言葉。

「大丈夫。ママになって子育てすると、仕事でも強くなるから!」

産後の仕事両立にむけて勇気づけてくれようとしている言葉なので、もちろん好意的にはとっていたのですが、私、これにちょっと違和感をもっていたんですよね。

1つ目の違和感は、これ。

ちょっと2段階すっ飛ばしてるよな、と。
ママになると、
●●によって○○力がアップするから、
その結果、仕事でも強くなる。

っていう構造になってないとイマイチ納得できないってこと。

2つ目の違和感は、これ。


え、なんでママなん?と。
子育てパパも強くなろうよ!育児によって仕事もできるようになるなら、どんどん育休取って育児しちゃおうよ!妻に出産予定のある男性社員にもそれ言っていこうよ!ってこと。

ということで、わたしなりにも実際に自分の経験や、他の人の話を読み聞きした内容を踏まえて、なぜ子育てすると仕事でも強くなるといわれるのか(1つ目の違和感)をほぐしておきたいと思います。結果、2つ目の違和感の解決にもつながっていくことを期待。

で、子育てはお仕事上のなんのスキルアップにつながるのか?もしビジネス研修だったら、どんな研修?と捉えて整理してみたのがこちらです。

どどん!


おぉ、こうやってみると、バランスとれたよさげな研修ぽいですよね~!

ちなみに、あえて【研修】という設定にしたのは、必ずしも誰もがスキルアップするわけではないと思うからです。だって、研修受けても、相性や本人のスタンスなどによって、とくに何も変わらない場合と、めっちゃ活かせる場合がありますよね。

1年前にこれを整理した私は、「わぁ、休みが明けるというよりは、1年間のみっちり研修受けた気分になってきて、打ち上げでもしたいわー」となりましたw。

図解だけでは伝わらないと思いますので、ちょっと、順を追って説明していきたいと思います。
※子育て経験のある方はもちろん、ない方にもイメージしやすいように心がけます。

まず、2と3はおまけっぽいので(とはいえ、意外と大切そうなんだけど)、
1のビジネススキルトレーニングから。

1ー1:コミュニケーションの訓練!

まず、赤ちゃんや子供といっしょに過ごすにあたり、ベースとして必要になってくるのが、共感力です。
なぜなら赤ちゃんとの生活は、急に始まるまったく言葉の通じない他者との生活。
相手をよく観察し、相手の状況を考えて対応していくうちに、常に赤ちゃんのタイムライン(いつ空腹がくる?いつ眠気がくる?今、何したいときだ?)が自分の中に組み込まれていく感覚。24時間ここまで他者によりそわなきゃいけないってのはなかなかない体験ですよね。

児童館などでママたちを観察していると、「さわっちゃダメー!」「いっちゃだめー!」と言う代わりに、「そっかー、お友達のお顔が気になるよねー、触りたいよねー。」「じっとしているのやだよねー動きたいよねー」
と、赤ちゃんの気持ちを代弁する発話をするママたちが多い。
こうやってまだ話せない赤ちゃんの気持ちを日々代弁していくことが、共感力をアップする訓練ともいえそうです。

そして、さらに月齢が進んで言葉の理解が進んでいくと、その共感力をベースとして、相手(子供)に説明する場面が増えていきます。

子供になにかを分かりやすく説明することは、まさに、ことばの訓練

例えば、先日、こんなことがありました。
息子が「ちくわって、なんで【ちくわ】っていうの?」と聞きました。
義父が「お、それは、じいじが教えてあげるよー。」と拾い、
「ちくわはね、たけを使って丸く作ってたから竹輪っていうんだよ!」と説明しました。…が、息子はもちろん「…?」。

だって、その説明は、竹を知っていること、竹をチクと読むこと、丸いものを輪ということを知っている前提だから。

彼の知識前提をふまえると、
「竹って知ってる?木の竹、そうそう、かぐや姫にでてくる竹ね…」ってところからはじめなきゃいけないんです。

おしゃべりが上手になってくる2歳以降は毎日こんな訓練が続きます。相手の知識レベルに合わせて、なにかを説明する場面ってビジネスではかなりたくさんありますよね。

そして、説得・交渉。
こう書くとあまり表現がよくないですが、育児って日常的に子供の心を動かし、行動を起こしてもらうことが必要になってきます。

例えば、嫌がる子供を、どうやって予防接種を受けに病院まで連れていくか

そんなシーンでは、親は頭の中でこんなことを考えているんです。
 ★注射に行くというのを伝えるのはいつがベストか。
直前すぎると心の準備ができないし、早く言いすぎると、気にしすぎる。

 ★どんな言葉をかけて応援すべきか。「がんばったら、かっこいいよ。」とプライドをくすぐるか、「ママも子供の時、苦手だったよ。」と共感でいくか、少し前に風邪ひいたばかりだから「こないだの風邪お熱つらかったでしょ?ひどいお風邪にならないためにチクっとするんだよ」と効果をいうのがいいかもしれない。
 ★ご褒美はあったほうがいいか?ないほうがいいか?

こんな具合で頭フル回転です…。

毎日がそんなことの連続、かつ、しかも月齢の変化によって、うまくいく接し方はどんどん変わってくるという難易度なので、交渉力がアップしそうです。

1−2 タイムマネジメントの訓練!

これは一番わかりやすいと思いますので、簡単に。
まず、赤ちゃんが生まれると、お世話以外にも洗濯や洗い物といった家事が増える。そして、予想外のことが起きる。急に体調崩して、病院にいかなくてはいけなくなったり、急なウンチもれが発生して、お着換え・掃除・シャワー・洗濯が一気に発生したり、お昼寝の時間のはずが急に起きてぐずったり… 
必然的に「今やってしまわないと!」と先延ばしを嫌ったり、「これはマストじゃないよな」と優先順位付けをしたり、こういう手順にしたほうが効率的だよなと効率を図ったりしないと、やっていけません。

同僚のママ社員たちからも「子育てで優先度がつけられるようになった!」「よい意味であきらめができるようになった」「先延ばしせずにここでやるぞという集中力がついた」という話しをよく聞きます。

1-3 セルフマネジメントの訓練! 

こどもと大人って本当に違うロジックで動いてますよね。
なので、子育てしていると、自分と違う視点、自分と違うロジックを受け入れる力がつくような気がしています。
「あぁ、なるほどね、あなたはこうしたいのね」「ほう、ここで、こうしますかw」
そんなことを繰り返すうちに、ビジネス上でも自分と考え方や視点の違う他者が現れたとき「え?なんで?」というネガティブ反応ではなく、「ほほう、なるほど。もうちょっと聞いてみようかな」と受け入れやすくなるという効果がありそうです。

あと、子育ては結構、判断や決断の連続です。

最初の壁が名づけかもしれません。わたしは「この子の人生ずっと使うものって思うと、なかなか決められない!」と思いました。でも決めなきゃいけないんですよね。期日までに。

今の症状で病院につれていくかどうか?ミルクはそろそろやめるべきか?どの保育園を第一希望にするか?などなど…例えば最近私が迫られた判断は、今のところ左利きっぽい1歳の次男をなるべく右手に矯正するのかどうか?「園は家庭の方針に合わせますのでー^^」と保育士さんに判断を仰がれました。

そんなこんなで、状況をみて、各情報を集めながら、最終的には自分で判断していくという訓練になっているかもです。

そして、子育ては親にとってもチャレンジの連続です。

大人になってから、こんだけ初めてのチャレンジってありますか?っていうくらいにやったことのない初めてのことばかり。

やったことないから、できない。という言い訳はなく、やったことないけど、やっていくしかない!というマインドにならざるおえない気がします。

ーーーーー

長くなってきたのでいったん、前編はここまで!
2と3については、後編で、書きますね。

※大切なので、最後に一応。
このnoteの主旨は、「だから、育児してる人って、すごいんだろー!!(ドヤァァ)」では決してありません。あくまで冒頭に書いたように、「育児するママって仕事でも強いよねー!」というモヤモヤ解消のための整理です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?