「ターゲットじゃないし」と言い訳しないために。

元SMAPメンバーの3人がスタートした「新しい地図」。
彼らが公開した例の動画の作り手が誰だったのか明らかになって、すこしネットがざわついていますね。

「あぁ、やっぱりトップクリエイターたちだったのか」と。

私も、「なるほどー。」と考え込みました。
というのも、最初にこの動画を見たとき、ちょっと違和感があったんです。

それは、冒頭の「逃げよう」という言葉。

「えらく強い言葉を使ったなー」と思いました。
だって、逃げるというのは捉え方によってはネガティブな言葉。新しいスタートを切るのに、あえてこの言葉を使うのか、と。ちょっとリスキーじゃないのかなと勝手に心配しました。でも、きっとスゴイ人たちが作ってるんだろうから、あえて使ったのかなー、どうなんだろ~、と思いつつ、そこで思考停止していました。

で、今回の広告界のTOPクリエイターが並ぶクレジットを見て、確信しました。

「あ、こりゃ、やっぱり【あえて】だわな。」

というところから、思考再スタート。

そういえば、「逃げる」という言葉、最近何度かか目にした気がする。

そうそう、スマスマの生謝罪のあと、めざましテレビで紹介したファンのコメントが縦読みで「はやくにげて」になってたんだった。その後も、Twitter上でも、「SMAP逃げて」というワードが量産されてた気がする。

そして、電通の新入社員の事件でも、「命が一番大切。やばいときは逃げることも重要。」っていう論調をたくさん目にした。

さらに、直近の8月31日には、夏休み最後の日に子供の自殺者が多いことから、「逃げたっていい」というようなツイートが話題になった。

っていうか、「逃げ恥」ブームだったじゃん。

ということで、よくよく考えると、SMAPファンにとっても、社会の風潮的にも「逃げる」はネガティブではないという土台ができあがってきている。だからこその【あえて】の「逃げよう」だったのかもな、と思えてきました。

で、思い出すのが、広告コピーを勉強したときに、学んだこんな基本のスキーム。


ターゲットの言ってほしいこと、社会の言ってほしいこと、企業がつたえたいこと、が重なる部分を発見せよ。という図です。(雑な手書きで失礼w)

<生活者の価値が多様化した今、ターゲットに合わせたコンテンツ作りが重要。>
<デジタルメディアが発展した今、ターゲットごとにコンテンツの配信が可能。>

たしかに、そうなんです。
ターゲティング重要。ターゲットインサイト重要。
そうなんだけど、逆に、ターゲット以外の人にもコンテンツが届く可能性も必ずついてまわる。よって、ターゲット以外は無視していいのかというとそうでもない。

そう考えると、この「社会インサイト」を捉える力ってのが今、コンテンツを作る人たちにはさらに重要になっているのかもしれない。

最近の炎上コンテンツはここの不足な気がしていて、「だって、怒ってる相手はターゲットじゃないもん」というのはやっぱり言い訳にはならないんじゃないかなーと思ったりしています。(自戒もこめて。)

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?