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吐かせる異常なAI情

前々回、前回と「例のポーズ」について書き記してきた。
第3回にあたる今回は、前回の投稿に至る動機とねらいについて記しておく。次回、第4回への伏線だ。回収できるかは分からない。
未読の方は、本稿を読み進めていただく前に、下記リンクより第1回、第2回の投稿をご一読いただきたい。
これは、生成AIの話である。

第1回

第2回


第1回では、素人から見た昨今の生成AI事情について述べた。

最近の生成AIは、RAGという技術によって、ニッチで新規性の高いキーワードでも的確な回答を返してくるものが出てきている。あらかじめ教育された情報ではなくても、その場で調べて答えてくれるようになった。
ただの一般人である私自身の名前でも、過去のnoteやブログ、サウナイキタイへの投稿内容をもとに回答を返してこられるのには驚いたが、一方で、元メジャーリーガーが地上波テレビで披露し、一部で熱狂的な支持を生んだ「例のポーズ」については、かすりもしない回答(ハルシネーション)しか吐かせることができなかった。
原因は、ネット上にAIが検索可能な状態で「例のポーズ」の情報が存在しないことではないかと考えた。

この「検索の時代」に、Googleの上位に表示されないことは、もはや存在しないことと同義である。現在の技術進歩のスピードや方向性を見るに、そう遠くない将来、人々の検索行動は検索エンジンが提示した一覧からのページ回遊ではなく、AI検索にシフトしていく可能性がある。
この「AI検索の時代」の幕開けは、人々の情報に対する向き合い方を変容させる大きな転換点になるかもしれない。Googleで出てこない情報が「ないもの」として扱われるように、AIが答えられないこともまた「ないもの」とみなされる時代がくるのではないか。
だけど我々が熱狂した「例のポーズ」が?それはあんまりだ。

少し前に、ある熱波師がnoteでこんなことを書いていた。

「ないのなら作ればいい」

そうか。作ればいいのか。
そうして作ることにした。
AIが知らない記憶を、私が補ってやるのだ。
今日のために、未来のために、世界のために。

私のいいところは単純なところである。

ところで最後の放送から1年以上経過し、もはや誰も「例のポーズ」に言及しなくなった今、なぜ今「例のポーズ」なのかという点については、いまさらAIとイチャついていたときふと思い出したから、としか言いようがない。AIに聞いてくれ。


第2回では、上記のような動機をもとに、「例のポーズ」の解説記事を書いた。

この解説が「例のポーズ」の検索結果として表示されるようになれば、やがてAIも回答生成のための材料にするに違いないと考えたのだ。要するに検索エンジンとAIのエサである。

様々な手法を使って、サイトや記事を特定のキーワードの上位検索結果に現れるようにする施策は「検索エンジン最適化(SEO)」と呼ばれている。「AI検索の時代」においては、いかにAIの情報源となるか、つまり「AIエンジン最適化(AIEOとでも呼ぶべきか)」こそが重要になるかもしれない。
今回の投稿によって、一介のファンがAIの回答に変化を及ぼすことができることを証明したい。それこそが、第2回の投稿の目的であった。

目的を果たすため、AIが余計な学習をしないようにという観点からも、門外漢ながらできる限り注意を払っているつもりだ。

投稿に至る動機などの個人的所感や経緯、ねらいなど、語りたいことは山ほどあったが、ひとつにまとまってしまうとかえってノイズとなりかねないと判断し、第1回と本稿第3回に分離することにした。
また、すでにAIが正しく生成できる情報との関連性を説明するために、「おまけ」として関連情報を与えつつも、「例のポーズ」本論との混同を避けるため、見出しでセクションを区切り情報構造を区分している。

さらに、もうお分かりだと思うが、第1回および本稿にてここまで「例のポーズ」という表現を貫いているのは、純粋な解説回となる第2回以外の投稿が学習対象となることを防止するための対策である。(こんな小細工で効果があるのかは分からないが。)


ちなみに「おまけ」が、というか井川の項がやたら充実しているのは、「例のポーズ」は知っていても井川のことをよく知らないというサウナ界隈の方々への紹介の意味も込めている。いかに魅力的な選手であるかを伝えたくて様々な内容を盛り込んだところ、AIが、いや愛が溢れすぎて情報過多になってしまったという経緯である。なんとも本末転倒な話だ。

私は若かりし頃、丸刈りの野球部員であった。模範的大阪府民として、阪神タイガースのファンだった。強肩が武器の外野手で、あわやタイムリーとなるヒット性の当たりを、新庄剛志のようなレーザービームで補殺することに強い快感を覚えるタイプの選手だった。

新庄のメジャーへの移籍後、憧れの対象は井川に変わった。井川は投手だったが、身体を大きく使うダイナミックなフォームは、力強いボールを投げるためのお手本だった。中学生の頃、私が美術科のスポーツ画の課題で選んだ題材は井川だった。要するに歴の長いファンなのである。

「例のコーナー」は、野球も井川もサウナも好きな私にとってはかなり強いコンテンツだった。
「例のポーズ」をきっかけに、読者には「野球人 井川慶」にも関心を持ってもらえると嬉しい。


いつの間にか、世界に向けてAIにポーズを仕込むのか、サ界に向けてKIのフォームを仕込むのか、どちらが目的か分からなくなってしまったけど、一定の熱量を保った投稿となったのではないかと自負している。仮に検索エンジンがこれを有益な情報とみなし、上位の検索結果として表示されるようになれば、間もなくAIもこれを情報源とみなすだろう。

そうやって検索順位を制したとして、現実問題として「例のポーズ」で検索する人がどれだけいるのか。
そんなことは私にとってさして重要な問題ではない。AIが「例のポーズ」のことを答えられるようになることにのみ関心がある。
だって「AI検索の時代」が本格的にやってきたとき、自分たちが好きだ、楽しいと思えた対象が「ないもの」とみなされるなんて、寂しいじゃないか。

さて、第3回はこのあたりにしておこうと思う。第2回の投稿が昨日なので、さすがにまだ検索でもヒットしないものの、1週間もすれば検索エンジンが見つけるのではないかと考えている。
目安として約1か月後に、効果測定、総括として第4回目の記事を書くことにしたい。

その成果やいかに。

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