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掃き溜め蝶帳 一頁

おクスリと前書き

近ごろ危ないおクスリで有名人が逮捕されたとのニュースをよく見ます。
おクスリと言いましたのは私がそのジャンルに詳しくないことと、今日の話題がおクスリ自体の話ではないからです。
おクスリを所持し摂取して自身の体を害し依存症に陥り、また社会的信用を損なうことなど、本人が被る代償がニュースでは多く取り上げられます。では社会が被ったものはなにか。売りつけや積極的に誰かに流すことはもちろんですが、「その人がおクスリを持っていること」それ自体が罪になります。
法律を調べればそれが罪となる理由が理論的に書かれていると思います。それはそれとして、その根拠を自分なりに感覚的に考えてみました。そこから得た着想を広げ、「所属」「社会的ポジション」のことなどを捉えてみようと思います。結論やまとめなどはなく、とりとめのないまま各章は終わります。

原点E

Eさんがおクスリを持っています。部屋かカバンの中か、仕事中かプライベートか、シチュエーションは特定せず「所持」しているとします。ポケットの中におクスリを入れたままEさんが動くと一緒におクスリも動きます。Eさんが誰かと会えばその人も物理的におクスリに近づきます。部屋に隠しておいてもEさんのお友達は、「おクスリを持っている」Eさんのお友達となります。Eさんは誰にもおクスリを見せたり勧めていません。

Eさんは空間的にも社会的にも常に動いています。Eさんのあるところを原点とするとEさんまわりの空間が作られます。原点にはEさんに重なりおクスリがあります。Eさんが原点の空間に私たちは、距離の遠近は様々に存在しているのです。
Eさんという存在におクスリが居座っている限り、動点であるおクスリが移動したり線を描いて誰かと重なる可能性は大いにある。これが社会的な罪ではないでしょか。

教授の椅子

人とその人が所持しているものが「重なっている」ことを、席とそこに着席するものとでイメージします。動くEさんの席にはおクスリが座っています。Eさんがあってのおクスリとも言えましょう。ここで反対におクスリという席にEさんが着席したとします。おクスリの席に座った人はおクスリに手を出した人です。人が物事に収まるのです。

物事が例えば社会的地位だったら後者の表現が合っているように思えます。
「財前先生は教授の席に着いた」
「教授のポストは財前君のものとなった」
ドラマそのままに財前先生が立派な椅子に腰かけているのです。財前先生自体を席と見たら、
「財前先生の役職は教授になった」
「教授は財前先生のポストである」

教授の席は教授というポストの存在が、財前先生の席は財前先生の存在が前提にあります。席に座るほうは後からやってきて座ったり狙ったり座れなかったりします。財前先生が果たして自分が務めることとして教授という役割がふさわしいかと考えたら、あんなドラマにはならないですね。

彼は思う

我思う、故に我あり。デカルトさんの言葉の日本語訳です。デカルトさんの意図は汲まずにこちらの日本語訳を、ベン図を用いて考えます。説明しやすくするために、「思う」は考える、思考する、「あり」は存在する、生きているなどに表現を変えます。

思考するグループに所属していると、存在しているグループにも所属していることになります。
私は思考するグループに所属していることが、「我あり」の理由です。
思考するグループに所属するためには、存在しているグループに所属している必要がある、とも言ええます。また存在していても思考しないものがいるかもしれません。

先のイメージを用いて、デカルトさんを席にしてみましょう。
デカルトさんという席に思考が座ります。このときデカルトさんは何かを考えています。しかしデカルトさんの席があるから、デカルトさんの存在、生きていることが前提です。「我あり」が先になってしまいます。想像ですがデカルトさんは何かを考えたり思ったりしているとき、とても集中し夢中になり、いろいろな感情が湧いてエネルギーを費やしていたと思うのです。だって哲学者なのだから。それはまさに生きていることです。

我はあり、さらに我が思考をするとき、我はよりあり。

このように読み替えます、我が「よりある」ときどこに所属しているか、算数的でない解釈をして図にしてみます。

存在するという同じ条件をもつグループが二重になっています。「よりある」ことは、円の真ん中にある≒安定している、狭い面積にある≒常の状態、長い時間ではない、ことが表しています。「われ思う、故に我あり」が世間一般、世の理ではなく、個人的な生き方に由来しているなんて言ったら、デカルトさんに怒られそうです。

着地

最近のワイドショーやドラマの再放送からこのようなことを考えました。
今の自分が席なのか座る人なのか、取り換えて考えても面白そうですね。

お終い。

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