展覧会の作り方 4.ージカンノハナを例にー
10. 設営
さて、実際に展覧会の搬入になったら、設営をします。これは、美術館では専門の業者に頼むことです。運送会社に美術専門の部署があります。でも、ここでは自分たちでやる場合のことを考えます。
(ア) 新作の場合作家に任せることもできる。
これは事前に相談しておくべきところですが、新作の場合、あるいは、インスタレーションなどの場合、ある程度作家さんができます。作品の中で会場の変更が必要な場合などはあらかじめ確かめて、会場の責任者に確認を取ります。消防法なども関わりますので、必ず確認します。作家さん一人でできない場合、キュレーターが手伝ったり、人を頼んだりする必要があります。
(イ) 旧作の場合専門の人とともに。
すでに出来上がった作品を配置することで空間を作る場合、一人でやるのは至難の業なので、人を有料、無料で頼みます。ライティングの調整も必要です。
11. 運営
(ア) 監視は大事。
実際に展覧会が始まります。監視の人たちのシフトを組んで、展覧会を回します。
(イ) 記録を取りながら。
ジカンノハナは毎日変化する展覧会だったので、パソコンとカメラを会場においておいて、ボランティアの人に好きに使ってもらいました。ブログを書いてもらうこともしました。それが今のジカンノハナのブログになっています。変化しなくても、毎日の記録は大切です。何人の人が来て、どんな感想を持ったのか、あとから見るととてもうれしい記録です。記録する仕組みを作っておきましょう。
12. 記録
(ア) 展覧会を記録する。
① ブログ、ツイッター(文章)書く人を確保する
展覧会が行われている最中は、そのことを広報するためと記録するために、情報発信を行うことができます。ツイッターやブログを積極的に利用して、書いてもらう人を確保します。これは書く側にも楽しいことでもあるので、機器を用意し、書く環境を作りましょう。ガイドラインが必要な人は設けるといいと思いますが、私は特になくても支障がありませんでした。
② 写真 撮る人を確保する
日々の記録以外に、大きな記録とし、展覧会そのものを記録しておくために、写真が撮れる人が必要です。ジカンノハナでは、作家のひとりがこの役を買って出てくれました。写真を撮るのは丸一日かかってしまいます。自分でできない場合、人にお願いします。
③ 記録紙(編集、デザイン)
展覧会が終わってから2年以上たって、冊子を発行しました。これは時間がかかったものの、作ってよかったです。自分の記録としても、ほかの人に見せるための記録としても、移動できない展覧会に比べて携帯可能な本の形にできたことはとても効果のあることでした。記録紙を作ることは、展覧会を一つ作るのと同じくらい大変なことでした。一時おいてできるとよいのではないでしょうか。デザインの人、編集の人が改めて必要です。
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