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(離乳食の)にんじんは炊飯器で炊け

noteカイゼンチームな方々が『#今週のお題』なる実験をされているのでふらりとのってみたい。

第2回目のお題は、「ハマっている食べ物」。

あなたが最近ハマっている(あるいは布教しまくっている)、美味しい食べ物を教えてください。

独身時代の私なら、小洒落たカフェのスイーツだったり、はたまたあのカレー屋が美味しいとかあの居酒屋のヒレ酒がうまいとか、なんだかんだ知る人ぞ知るっぽい感じのものをさらりと書けたかもしれない。

だが残念、それは今じゃない(笑)。娘が産まれて1年ちょっと、そもそも外食が激減して、行ってもフードコートかファミレスが8割の現状。

アレルギー体質な娘と暮らす中で必然的に手づくりが増えたからか、ハマっている食べもの……、ハマっている食べもの……と頭の中で反芻して思いつくような市販品もほとんどない。

レシピでもいいというので、あらそうじゃあうふふと凝った料理でも書ければいいのだが、無論そんなスキルもなく。

こんな中途半端な私はどうすりゃいいのさと思いながら、布教している食べもの……布教している食べもの……と頭で反芻して、あ、そういえばと、生活感あふれすぎる解に思いあたった。

* * *

結論はタイトル通り。にんじんは炊飯器で炊くに限る、だ。

ちなみにここでは、スープなどにする予定のものではなく、単品でにんじんだけに火を通してやわらかく美味しく仕上げたいときのことを話している。

鍋で蒸すでも茹でるでも電子レンジでもなく、炊飯器イズベスト。

やり方は簡単。必要な量のにんじんの皮を剥き、7,8mm程度の輪切りかスティック状にしたら、まとめてアルミホイルで包み、ごはんを炊くときにお米の上にぽん、と載せておく。以上。

あまりにたくさんを一気に包むと火が通りにくいので、一包みは5〜6枚くらいが目安。それ以上になるときは別のアルミホイルで包もう。

大人だけでも十分使える方法なのだが、特に、これから子どもの離乳食をはじめようとしている、または今まさに格闘している、全世界の母親たちに捧げたい情報だ(すでに知っている方もたくさんいると思う。何をいまさら〜、と思う人もいるだろう。けれど、母数でいったら少ない気がする)。

理由はいたってシンプル。

なにより美味しく、やわらかく、かつ究極的にラクで、省エネだからだ。

オススメしない理由がない。

* * *

1.おいしい

まずはなんといっても味である。というか、これが理由の9割である。いくら手間なしといっても、味がそれなりならばオススメする価値がない。

炊きあがりを、口に入れてみてほしい。

「あ、まぁい?!」。

にんじんって本来こんなに甘かったのですか。知らなかった。ごめんよ、にんじん。そうにんじんの前にひれふして謝りたくなるくらい、まるでフルーツかと思うほどに、甘いのだ。

透き通ってほどよく水分を含み、旨味を閉じ込めたまま炊きあがったにんじんは、その味を伴って宝石のようにキラキラしてみえてくるからあら不思議。

いや、言葉でいくらいっても伝わらないだろう。そりゃそうだ。

実家に帰ったときに自分の実の母親に力説しても、「炊飯器はお米を炊くものでしょう」とそもそも炊飯器調理に拒否反応を示す母の前ではもちろん受け入れてもらえず。

とはいえ娘の離乳食に使いたかったので、しかたなく一度は鍋で蒸したのだが、やはり違う。別にまずくはないのだが、手間のかかるわりに、野菜っぽい、にんじんの独特の風味が顔を出している。

「騙されたと思って!」と母に頼み、炊飯器でお米を炊くついでに投入させてもらったにんじんは、実家の炊飯器でも放置プレーで見事に炊き上がった。

味見してみると、ああ、やっぱり甘い! これだよ、これ!

「ほら、甘いよ〜?」と、炊飯器調理に懐疑的な母に差し出す。

「ふ〜ん……(パクッ)。あら? ほんと! これは甘いわ! 炊飯器なんてどうかなーと思ってたけど、これは甘いわね。ねえちょっとお父さん、すごく甘いのよ」

反応は一転、人にまで教えたくなるレベルだ(笑)。

結局その後の実家滞在期間、炊飯器で娘用の蒸し野菜づくり、は母公認で定番となった。

* * *

2.やわらかい

さて、理由の9割は解説し終えたので後はサクサクいく。

次は、仕上がりのやわらかさだ。

これは離乳食向けの話になるが、ストレスなくつぶせてペーストにもしやすく、みじん切りにすれば舌や歯茎でラクにつぶせる絶妙なやわらかさ。

この食感が、途中で茹で加減チェックなどのめんどうなプロセスもなく自動的に仕上がるというのは画期的だと思う。

まぁやわらかさだけなら、圧力鍋で煮込んだりしても同じなのだが(実際スープ系にしたいならそちらがおすすめ)、味や手間などその他のポイントも加味すると、単品調理では炊飯器に軍配があがるというわけだ。

* * *

3.ラク

そして、他の調理法に比べて、手間が圧倒的に少ない。

必要な手順は、皮をむく、切る、アルミホイルで包む、炊飯器に入れる、だけだ。

例えば茹でることを想定すると、皮をむく、切るまでは一緒だが、そこから鍋に水を入れる、まな板からにんじんを鍋に入れる、鍋を火にかける、茹で上がるまで火をつけたままなので側につきっきりでいる。

さらにはムラがないようたまに様子を見て軽く混ぜ、茹で加減を竹串などでチェックし、ほどよいタイミングで火を止めて引き上げる。なんとも属人的である。ああ、鍋まで洗わなければならない。

しかもこれだけ手間を上乗せしておいて、肝心の旨味や栄養はお湯の中に逃げてしまう。なんてこった!(スープにするならそれでよいのだけども。)

それはさておき、ラク、つまり手間がかからないということは、毎日夜泣きに付き合って睡眠不足で5分でもいいから寝たい願望にとりつかれている0歳時育児中の母たちにとってどれだけ重要なポイントであることか。

お湯を沸騰させてそばにいる時間や鍋を洗う時間があるなら、赤ちゃんと遊ぶか自分もいっしょに昼寝するかしたい。ねぇ。

* * *

4.省エネ

お米を炊く予定があるという前提なら、そのエネルギー内でにんじんも調理できてしまうので新たな熱エネルギーが必要ない。

別に調理する場合は、そのためだけにガスや電気を使う必要がある。

お手軽の代名詞電子レンジも、調理に電気を使う。しかも意外とムラがあって思い通りの仕上がりにならないときも多く、数分ごとに火の通り加減を見てちょっとずつ分数を追加して……、とやっていると意外と手間がかかる。

というか味は歴然の差なので、あまり比べる意義を感じないけれども。

* * *

あーあ。

他の人が素敵なお店やセンスのよいスイーツやドリンクを紹介しそうなところで、私はなぜにんじんと炊飯器という生活感丸出しのトピックについてこんなに熱く語ってしまっているのだろう。でも書いてしまったので、せっかくだから投稿しておく。

いいよね、もう、これが今の私のリアルだ。

あ、ちなみにさつまいもやじゃがいもも同じ方法でうまくいく。小さなじゃがいもなら皮をむかず丸ごととか。さつまいももね、他の調理法よりあきらかに炊飯器押し。甘い。簡単。省エネ。

でもさつまいもはさ、もうある程度みんな「甘い」という認識があると思うわけです。ということで、目からウロコはにんじんだった。

ちなみにこのにんじん、ステーキやハンバーグなんかの付け合わせにもそのまま出せるので大人用にも便利。味が物足りない方は、バターでちょっと表面を焼いたり、肉を焼いている横で軽くソテーしたらいいと思う。

肝心の娘のほうはもちろん、味付けなどなしでそのまま自ら手づかみでパクパクいく。嫌なものは断固として口に入れないポリシーの彼女は、おいしいものはいくらでも自らとりにいく。

“これ、甘いやつ、おいしいやつ! ”

そんな感じでむぎゅりと口に押し込む。ぼろぼろこぼれてる(笑)。

さてさて、今宵も我が家の炊飯器には、ズボラ母によってにんじんが入れられることでしょう。

どこかの0歳児子育て中の誰かの1日が、少しでもラクになりますように。

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※注:実際は、炊飯器や鍋の種類によってどれが一番美味しいか違いが出ることでしょう。あくまで我が家(と実家)調べですので、あしからず。でも一度は、お試しあれ。

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※以下3/13追記

普段あまり食事の感想を言わない夫(このnote未読)が、夕食の付け合わせにさりげなく添えていたにんじんを食べて思わずひとこと。

「にんじん、甘~い!」。

もちろんそれは、炊飯器で炊いただけの、味付けもしていないにんじん。「味付けは一切してないんだよー」というと、「へー!すごい!!甘いよ!」とめずらしく感動してくれた(笑)。

先週こんなnoteを書いていただけに、タイムリーにもらった自分以外の味覚によるポジティブな反応が嬉しい。

熱を込めておすすめできる、布教する価値のある味だと、複数の第三者にもお墨付きをもらえて、よかったなぁ。

めでたし、めでたし。

自作の本づくりなど、これからの創作活動の資金にさせていただきます。ありがとうございます。