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書きたいことを書かずにはいられない

さてnote酒場のことを書こうかなと思っていたのだけれど、吉玉さんのこのエッセイを読んで、いろいろとタイムリーで、ちょっと泣きたい気持ちになるくらい共感してしまったので、それにまつわることを書きたくなった。

書きたくないものを書くのは、苦しい。

そのシンプルなフレーズが、こころにストンと実感をともなって落ちる。

ああ、すでに「自分のことばで書くこと」を仕事にされている吉玉さんにも、こういう葛藤ってある、少なくともあったのだなあ。

そう思って、その切実な感情が、ひりひりと心に染みた。

* * *

実はちょうどおととい、note酒場でもハネサエ.さんとここに通じる話をしたばかり。

ちなみにざっくり補足すると、ハネサエ.さんもわたしも独身時代は編集や執筆にまつわる仕事をどっぷりやっていたものの、育児中の現時点では、ふたりとも半分主婦で半分ライターみたいな中途半端な感じの立ち位置で、これからの生き方を模索している……と思っている(ハネサエ.さん勝手に同類にしてしまってすみません、異議うけつけます!)。

そんなふたりの会話の一片。

「受注案件って、とろうと思えば、選ばなければいくらでもとれるんですよね」「そうなんですよね……」「でも最終的には、書きたいものだけを書いて食えるようになっていきたいって思いもやっぱりあるじゃないですか」「そうなんですよ〜!」「同じ受注にしても、育児しながら有限な時間を使って、ほんとうにこういうもの書きたいのかっていう」「そう、そう!」「でも、実際問題、保育料稼がなきゃいけないし」「ですよね……」

共感レベルが高すぎてこわい。

名前の出る仕事、名前の出ない仕事、書きたいものを書きたいように書く仕事、テーマは与えられるけれど書きたいように書いていいと言われる仕事、テーマも構成も与えられてそれどおりに調べてまとめるという仕事。

ひとくちに「書く仕事」「ライティング」と言っても、その実態は千差万別だ。有限な時間のなかで、どんな仕事をしたいのか。自分でそれを決めておかないと、途中で「あれ?わたしのやりたいことってこういうこと?」と気づき、疲弊していってしまう。

以前もnoteに書いたのだけれど、わたしは前に、自分の書きたいわけではないものを必死に書き続けて、疲弊して苦しくなってしまった時期があり、その記憶があるのでいまは「書きたくないものは書かない」ことを、たぶん必要以上に大切に思ってしまっている。流されやすいがゆえの保身だ。

もちろん家族が病気になったり、事故があったり、状況が変わればとやかく言わずにお金を稼ぐ気でいるのだけれど、そのときはわたしの場合、もしかすると書くこととはまったく関係のない仕事を選択するかもしれない。

そのくらい、書きたくないものを書くことに抵抗を感じるようになってしまった。

* * *

冒頭に紹介した吉玉さんのエッセイを読んで思ったのだけれど、わたしは吉玉さんの言うところの「noteで(私が一方的に)同士と感じる人」のひとりとして、note上の吉玉さんを拝見していた気がする。

……なんて、時の人を前におこがましすぎてとても言えないよ、と思っていたのだけれど、note酒場で実際にお会いした吉玉さんの物腰のやわらかさと、大人の女性らしい落ち着いた雰囲気に、こうして書いてもなんとなくゆるしてもらえそうな気になって、勢いで書いてしまった。

かたや、どんどん成果を出していっているひと、かたや、中途半端にくすぶっているひとなので、現状そこに違いがあるのは明らかなんだけれど、少なくとも「noteで、自分が書きたいことを書く」というところにおいては、同志だと言わせてもらってもいいのかもしれないなあ、なんて。

そしてそういう意味での同志は、わたしだけじゃなく、noteのなかにはたくさんいると思っている。

だからこそ、そこに正直であり続けながら、何にこびるでもなく、そのままの彼女の魅力で成果を出してゆく吉玉さんのような方を、みな応援したくなるんだろうなあ。

* * *

そんなわけで、まだnote酒場の余韻がのこる月曜日。

ハネサエ.さんと話したライテイングあれこれの話や、吉玉さんのエッセイや、目の前にもらった案件や、いろんなものに触れながら、リアルとオンラインが溶け合ってゆくような不思議な感覚に陥りつつ。

ああ、note酒場の日のことも、あとで書こう。

(おわり)


▼おまけ1:わたしがnoteを書く背景について、暑苦しく書いた過去note。ただただ、自分の書きたいことを、書きたいようにかける場所がほしかった。

▼おまけ2:映画『天使にラブソングを2』の中に、こんなフレーズがある。ライター向いていないのかなあ、ってとき、よくこのフレーズを思い出す。

“Don't ask me about being a writer. lf when you wake up in the morning you can think of nothing but writing...then you're a writer.”
(自分が物書きになれるかどうかわたしに聞かないで。朝起きて、書くことしか考えられないなら……あなたは物書きよ)

書くこと、やめられないんだよなぁ……。


自作の本づくりなど、これからの創作活動の資金にさせていただきます。ありがとうございます。