ヴォルタくんを見失う

「ヴォルタくん、どこにいった?」

最近の広場のグリーティングでよく聞かれる言葉です。
グリーティングの開始は、ポカスタ正面玄関からヴォルタくんとティスちゃんが揃って登場するところから始まります。
半円状に並んで待ってる人たちにご挨拶して交流しつつ、また何かおもしろいものを見つけたらそれにちょっかいなど出しながら、玄関から広場へと歩を進め、そしてなんとなくそこから2人の別行動が始まります。

もともと広場に進んでいっても2人の興味が引かれるものが割に別々ということもあってか、並んで練り歩くということはそうはなく、
それぞれにファン、サポーター、お子さま、お店の人などなど呼び止めたり停められたりするのもそれぞれなので、
ステージなどで合流しなければそのまま個々のグリーティングをしつつ、だいたい広場を一回りして玄関に戻ってきて、終了となります。
特にこの夏はヴォルタくんはプール専(^^;)だったためか、濡れたくないティスちゃんは積極的に距離はとっていた模様。

しかし。
本当にこのところのヴォルタくんは、ティスちゃんと離れたところにいる、ではなく、見失う。
以前の玄関前では片方に引き寄せられても、もう片方は目の端に存在が引っかかってるものでしたが、最近のヴォルタくんは違う。
ティスちゃんに目がいって、そういえばヴォルタくん、と先にいたであろう方向に顔を向けても、いない。
糸の切れたタコにモーターがついているがごとく瞬発的にどっかにいく。
そしてその行き先に見当がつかない。制御不能。
以前に常々Nさんが「もう、ヴォルタくんはいうこと聞かない!」などと評しておりましたが、まさに体現。

ティスちゃんとともに取り残された面々が、どこ行った…とあたりを見回してもしっぽの先も見つかりません。
ある程度足を進めたらなんとなく見つかるものですが、それもなんとか追っかけていったであろうたぬきキャップの誰かが目に入ってその延長線上の先でようやく補足するようなもので、そしてまた目を離したらすでにドロン。

玄関から広場真ん中の芝生に沿ったテントに沿って歩を進め、玄関の芝生を挟んで向かいにあるステージとその控室テントなどを冷やかし、
そこから広場外周の屋台をぐるりと巡った後にグッズ売り場からゴール裏方向の屋台へと突進、なにがしかの成果を得て玄関先に引き返してくる…
かと思えば、どこを突っ切っていったのかも定かではないままに、グリーティング終了時間近くになるとアウェイゴール裏方向から走り戻ってくる。
タフネス。
これらは、私が目で追いかけただけではなく、目にした人の証言から得たある日の動線です。

見失って、「えっ?」となることも増えましたが、反対に探しながらたどっていくと、
「ヴォルタくん見たよ」
「ゴール裏に向かってたよ」
「あっちに走っていったよ」
という目撃情報が提供されてきます。
「ヴォルタくんを探せ!」みたいな謎解きのようでもあり、それも楽しい。
そして普通に、いわゆるマスコット勢ではない人たちが足跡を教えてくれることに、みんなの中にちゃんと存在としてあるんだなというのが感じられて、ほんのり幸せになれます。和む。

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