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舞台「キノの旅Ⅱ -the Beautiful World-」終演

2度目の旅

また再びキノの旅にて師匠を演じることが出来たことが幸せでした。
初演と比べて、男性が師匠を演じるということに関してはお客様も受け入れてくれていたこともあり、また自分自身も一度経験してるので前回を踏襲しつつより師匠のキャラクターを濃くしていくことを楽しめました。

前回から引き続きのメンバーもいれば、今回から参加のメンバーもいたけれど、
前回作り上げてきたキノステの創り方や哲学のようなものと、新たな仲間が持ち込む斬新な視点や推進力が稽古場ではうまく融合していたと思います。やっぱり作っていく過程は大変だけど、そこが演劇の良さだなと。

師匠と相棒

今回も相棒はもちろん林くん。
お互いにお互いのやることがわかってる感は前回より当然増していて、
単純にその意味でもコンビ感は作りやすかったし、そういう実際の関係性が舞台上でも空気として存在するからこれはやればやるだけ師匠と相棒になっていけるはずだと確信ています。
もし第三弾があるなら必ずまた一緒にやりたい。
ただ、師匠と相棒は明確に指示系統が決まっているというか、コミュニケーションは少ないコンビだと思う。キノ&エルメスやシズ&陸とは関係性が異なるから。
稽古場であまりキャラクターの意思を明確に話し合うということはせずに、その場で師匠が何を感じて、相棒が何を理解したのかっていうものを沢山拾い上げていけるように今後も取り組みたい。
その中で師匠&相棒(加藤&林)の最適解が見つかっていく筈だと信じてる。

旅の困難すら

今回はエルメス役の辻君が体調不良により途中から出られなくなってしまった。
座組としてはとても辛いことだったけど、Twitterにも書いた通り。
旅にトラブルはつきものというか、万事順調な旅なんてないわけで、この出来事すらキノステにとっては長い長い旅路の思い出の一つになればいいと思うし、そうなっていくと思う。
その為には歩み続けること、そして辻エルメスが戻ってきたときにまた一緒に旅を続けられるようにすること。
やることはたったそれだけだから。
きっとまた更にパワーアップした座組になって皆様と3度目の旅が出来たらいいなと思ってます。

チームワークの賜物

そんなこともありながら公演を終えられたのは間違いなくカンパニーの強度の高さと、
何よりスタッフワークの素晴らしさだ。
変更への対応の速さ、音響照明映像のコラボレーション、国を描く為に用意された衣装、キャラクターごとに作り込まれたヘアメイク、そして複雑に動く舞台セット。
どれか一つでも欠けたら演劇はできなかったと思うと尊いという他ない。

個人的には今回ヘアメイクチームと相談しつつ本番の師匠のヘアメイクを作り上げてもらったことは大きかった。
初演よりもより女性らしいメイクと、機能性と見た目を両立した絶妙なウィッグ。
全てが前回から大幅に進化して本番に臨めたことは、舞台上での自信と安心感になった。
そういう小さな積み重ねが俳優を支えてくれることに感謝だった。

ここまでやって貰えたら自ずと師匠になれる

最後に

結果として千穐楽まで終えることができて、
公演期間中たくさんのお客様にご来場頂けたこと、また配信でご覧いただいた方やSNSで応援をしてくれたファンの皆様、全ての方に心より感謝を申し上げます。
ありがとうございました。

劇場に誰も来てくれなければ演劇は成り立たないし、原作ファンの方々が受け入れてくれなければここまで来れないし、新たに演劇に興味を持って観てくれた方々がいなければこの業界は弱ってしまうので、今回もたくさんのご声援を頂けたことが何より幸せです。

また皆様と一緒に旅ができますよう、心より願っております。

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