BUMP OF CHICKEN「aurora arc」

3年ぶりの新作
だからこれは、三年に一度の奇跡

この音楽との出会いはそう呼んだって、
決して間違いじゃないと信じられる
希望のようなアルバム

それこそ本当に
オーロラであり、アーク(環天頂)であり、

もはや、流れ星のような
気象現象レベルの、奇跡のように

私には、見えた

歌詞とか世界観とか
これまでと同じようで
どこかが変わっているような気がして

どんどん、澄んでいく
湖のような 音楽が
雲みたいに、光みたいに

キラキラと 透いていく

消えそうなくらいに美しいのに
絶対に消えないくらいの、眩しさで

音楽はどんどん優しくなっていくのに
どんどん強く確かになっていく

その出会いがあったら
どうやら背中を押された私はもう一度
生きていくらしい

―――――――――

夜明けよりも手前側
星空のインクの中

解き放て あなたの声で
光る羽根与えた想いを

言葉に直せない全てを
紙飛行機みたいに

ここから出たらいつも通り
ありふれた一歩目を歩く

あぁ ここはどこなんだろうね
どこに行くんだろうね
迷子じゃないんだ

指先で触れた 微かでも確かだった
眩しい温度だけが 方向を示すよ

曲がって落ちた紙飛行機
見つめ返せなかった まっすぐな瞳

持て余した手を
自分ごとポケットに隠した

失くしたくないものを
見つけたんだって気付いたら
こんなに嬉しくなって
こんなに怖くなるなんて

何を言おうとしたの
その目の奥に何を隠したの
秒針はそこを示して止まっている

伝えたいこと 言えないまま
消えたらと思うと怖くなって
出来るだけ頑張るけど
どうしていつまでも下手なんだろう

世界はシャボン玉で
運よく消えていないだけ
すぐ素直になれるよ
それができるようにできている

誰かの胸の夜の空に
伝えたい気持ちが生まれたら
生まれた証の尾を引いて
伝えたい誰かの空へ 向かう

――――――「aurora arc」によせて

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