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怒りと憎しみの狂想曲
哀しみと歪んだ愛の宴

怒りは剣となって触れるもの全てを切り裂き
憎しみは茨となって触れるもの全てに突き刺さる

それは行き先のない
私の中に渦巻く刃

哀しみは傷跡となり
歪んだ愛は涙となる

私を 私が 切り裂き ばらばらにしていく
私は この気持ちを 誰にぶつけていいのか分からない

私の中で
私が心を叩いている

私は心を叩く痛みに気づかない振り

「出して」
 苦しいんだよ

「此処から出して――」
 だから……

「出して……」
 ――無くなってしまえばいいのに

――出てきた言葉は針のように私の心を突き刺した

私は刃物を手放して 項垂れて
膝をつく――涙を落としながら

仕方ないんだよ だって――
――胸にしまえないんだ

そしたら私が苦しいの
他にどうしろというの――

だから 私は私を傷つけてしまう
行き場のない心の痛みは
身体を傷つけることでしか許されないから

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