BUMP OF CHICKEN「COSMONAUT」

前作「orbital period」が出た時、
私は高3の受験シーズンだった。

そして「COSMONAUT」が出た時、
私は無事大学生になっていた。

一つ、何かを乗り越える度に
また一つ、何かがあった。

一体いつまで自分は頑張れるだろう
いつになったら 超えられなくなるのだろう

生きることは、思えば楽しいことよりも
怖いことの方が多くなっていたような気がする

まだまだ社会人になったら苦労をするのだけれど
それはまだ未来の頃だった。

過去と未来が結びついたような楽曲は
星の向こうから届いた歌声だったようで

届いた救難信号への
「応答」だったのかもしれない

子どもの頃に、
いろいろあったな、
とか思い出した。

沢山頑張ったな、
とか、懐かしかったような。

多分、一番聴いて、
一番、泣いたアルバムで

前作までは、聴いていて
胸が苦しくなることが多かったけれど
今作は、優しすぎて、なぜか何度も聴けた

そっか
優しい場所まで来たんだねって、
思った

「外側まで連れていくよ」
そうやって引っ張って
光の場所まで、来たんだね

その眩しさは、次作の「RAY」が
受け継いで行くのだけれど。
それもまた、やっぱり未来の頃の話。

―――――――――

どこにも行かないままで
どこにでも行ける迷子

僕らは呼び合って
音符という記号になった

悲しいことは宝物になった

地球で一番
幸せだと思った
あの日の僕に
君を見せたい

あなたのその呼吸が
あなたを何度責めたでしょう
それでも続く今日を
笑う前に 抱きしめて欲しい

あの日からずっとずっと
夢のままですよ

起きたら胸が痛かった
心とかじゃなくて右側が

夜になったら治ってた
痛かった事も忘れてた

生まれたらどうか生き抜いて

あの時どうした ほら
思い出してよ 君は

優しさの真似事は優しさ
出会えたら 迷わないように

出会っている 無くさないように

君の願いはちゃんと叶うよ
怖くても よく見て欲しい

これから失くす宝物が
くれたものが今 宝物

消えない悲しみがあるなら
生き続ける意味だってあるだろう

どうせいつか終わる旅を
僕と一緒に 歌おう

僕が見つけるまで生きてくれて
見つけてくれて
ありがとう

あなたが選んだ世界に
こんな唄が出来たよ

さぁ どんな唄歌う

ああ どうかいかないで
いつまでもなくならないでいて
あなたがどこかで笑ったと
思うだけで宇宙が笑った

死ぬまでなんて嘘みたいな事を
本気で思うのは
生きている君に
僕はこうして出会えたんだから

誰の声か どうでもいい
言葉と音符があるだけ
ただ力になれるように
愛されなくとも
君の傍に

全て抱いていく堕ちられないグライダー
誰にも見えないさ
疑ったって手掴んで
大切に信じるしかなかったグライダー

夜明け前

――――――「COSMONAUT」によせて

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