14頁「あなたは、」



優しいからといってそれが優しさから作られたものとは限らない
あなたは優しい人 でもそのためにどれだけ傷ついてきたの
その痛みに想いを馳せた人はどれだけいたの
あるいは、いなかったの

「あなたは、」
それに続く言葉を
たったひとりで受け止めて
全然関係のない困難すらも
何度も悲しくなって自分を責めながら得たのだとしたら

あなたは強くて優しい人
痛みに負けなかった人
悲しみを優しさに変えた人

優しいあなたの過去はだからもの悲しくて胸が痛む
この痛みはけれども想像の産物それもまた優しさ

脳裏にこだまする声はどれだけ時が経っても変わることがない
繰り返し言われた言葉がその人を作ってしまう
人生でうまくいかないことがあるたびに言葉は頭の中で反響する

生まれもった星と
運命と本質が決めてしまうのは
その人自身かそれとも未来か

「あなたは、、、」
それは真実だったのか
それとも正しさだったのか

誰かの言葉が一時の正しさで偏見である意味真実であったとしても
あなたの未来にふさわしくないならその言葉を踏み台にしてください

あなたが言葉に踏みにじられることなく
どうかあなたらしく生きていきたいと思うものでありますように

一度も思ったことはないその言葉について
今まで誰に何を言われてきたかは知らないけれど、
私はそうは思わない

あなたの思いを否定するつもりはない
あなたはそう思っているのかもしれない
でも私は思わないんだ
そう言いたいんだ

私は誰のことも踏みにじらずにいたいと思うんだ
踏みにじられた側の痛みは同じ踏みにじられた者にしか分からない

未来と運命を言葉が決めるなら
あなたはあなたの言葉に踏みにじられてはいけない

すべての言葉はあなたの幸せのためにある
語られるならすべての真実はそれだけでいい

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