Homecomings 「WHALE LIVING」

チャットモンチーが完結した

ねごとの解散が決まった

追いかけていく対象がなくなって
音楽ロスとでもいえばいいのか
それとも押バンドロスというのか

そういう状態でなんとなく暗がりの部屋のような場所に
アジカンの新作が朝日のように眩しく入ってきた

その光は新しい風を運んでくれたようだ

参加メンバーの中にあった
ホームカミングスというバンド名

これだと思った
ドはまりしてめっちゃ聞いているわけでもないし
かといってCDラックにしまって埃を被るわけでもない
雫のようにサウンドトラックとして日常に浸透していく

優しくて邪魔もしない
かといって主張がないわけでもなく
雲とか風とか光のように自然で
押し付けることもない
自然体で安らぐ音楽だ

最新アルバムから
とりあえず辿ろうと思う

サイトのインタビューで印象深かったのが
全英語詞から一変して日本語の歌になったということ

面白いなって思った
英語詞の歌があるよ、ではなくて
バンドの変遷にそういう流れがあるということが

それは日本語詞の必然だし
どことなく、くるりを思わせた
(別にくるりは英語の歌は歌わないけれど)

颯爽としていて風のようなギター
風のようなヴォーカル
風のようなメロディ

すべてが颯爽としていて鬱々としていなくて
気づいたら手からすり抜けそうなくらいの軽快さで

青空 白い雲 穏やかな風
そんな世界観だ

あの日の美しい日を忘れない
そんな歌たちだ

素晴らしい

――――――――――

月からの光
海底のランプ

恋人の窓辺
灯台の明かり

忘れないようにずっとここに書いておくよ
だから君は消えないように口ずさんで

水平線は空の向こう
陽だまりは夢のよう
だから君に会いに行かなくちゃ
手紙を書くよ

なんでもない日々と
とても小さな 幸せを

離れ離れを嘆くくらいなら返事を書いて
秘密の言葉をしたためて 歌にして

海の底のランプで読んでみて

あの時のことを覚えているかな
忘れたくないなら歌にして

――――――――――――「WHALE LIVING」によせて

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