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とある・(点)について 【ROUAGE】のお話

みなさま、こんにちは。
さて、もちろんみなさま「ROUAGE」はお好きですよね。
(フランス語で『歯車』の意味らしいです)

そのROUAGEがメジャーデビューアルバムとして1996年に発売したのが「BIBLE」。私的「このイントロがスゴイ」曲のシングル「Queen」を含む全11曲のアルバムです。

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さて、こちらの画像はその「BIBLE」の収録曲なのですが、このリストには、ちょっと気になるポイント、まさに気になる「点」があるんです。

それは、8曲目「人間・失格」というタイトル。
もちろん太宰治の小説「人間失格」を意識したものだとわかりますが、人間と失格の間の「・」、なんだか要らない気もしませんか?
まあ、有っても無くても…と思う人が多いかもしれませんが、しかし、この「・」。
私を含めたある年代より上の人間は、ピンとくる人が多い「・」なんです。

時は、このアルバムのリリースより遡ること2年。
1994年にTBS系列にて、とあるドラマが放映されました。
そのタイトルは「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら」。
野島伸司脚本・全12回のこちらのドラマ、Kinki Kidsを世に知らしめた作品としても有名なのですが、実はもう一つ、第1回の放送後に起きたとある問題がちょっと話題となりました。

その問題とは、第1回放送時はタイトルを太宰治の小説と全く同じ「人間失格」として放送したのですが、太宰の遺族側より抗議がありました。(このドラマの脚本はオリジナルであり、小説の人間失格とは全く関係がありません。)
そこで番組側は、タイトルを「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら」と変更し、放送を継続する事となったのです。
私自身はこのドラマを観ていなかったのですが、抗議があり、タイトルに「・」が入ったという一連の騒ぎは耳に入っており、よく覚えています。

ドラマの人気も相まって、ドラマを観ていない人間にまで(少なくとも私には)届いたこの一連の「・」騒動、2年後にリリースされたこのアルバムにも恐らく影響しているのでは…と20年以上越しに推測します。

騒動を意識して意図的に入れたものか、配慮して対策したものかは不明ですが、歌詞も「人間・失格」となっている徹底(?)ぶり。(ちなみに歌詞だと若干マヌケ。)

今でもよく聴くアルバム「BIBLE」。
1曲目から衝撃を受けたアルバムなのですが、中身についてはまた改めて書くとして、今回は収録曲をなんとなく眺めていたら、記憶の片隅にあった騒動が「人間・失格」のタイトルと重なったので、綴り散らしてはしゃいでみました。

以上、たったひとつの「・」で、時代を感じる事ができるお話でした。

ただ、そんな騒動とは無関係になんとなく「・」を足しただけ…であったら、なんとも無駄な1000文字だったと、私は震えながら何度も瞳を伏せるのです。

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