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「ポエトリースラムの未来を考えよう」ワークショップ・レポート

1月10日(木)に開催された「ポエトリースラムジャパン 2019 新春ミーティング」。先日レポートした第2部トークショーに続き、第3部のワークショップについてご報告します。

「ポエトリースラムの未来を考えよう」というテーマに沿って行われたワークショップ。当日は20名強の方にご参加いただきました。まず3つのグループに分かれ、グループ内で自己紹介。続いて各人が付箋に①「これまで詩のイベントで楽しかったこと」、②「そのイベントのなにがよかったか」を書きだし、グループ内で感想や意見を交換します。

そして最後に「自分たちがやってみたいポエトリースラムのアイデア」をまとめ、グループごとの発表をしていただきました。

以下、各グループの発表内容を(要約ではありますが)ご紹介していきます!

1グループ目:TEAMサキヤ

●大事なポイントとして、「来やすさ」「疲れないこと」「集客」の3点があると思う。

「来やすさ」のために:閉鎖的な空間じゃなくて、オープンな場所で開催するのがいいのでは。野外スペース、たとえば鳥取砂丘とか! みんながちょっと行って見たくなるような空間だと良い。

●「疲れない」ために:飲食コーナー、マッサージブースなどを用意して、快適さをアップさせるのがいいと思う。「疲れる」原因として「イベントが長丁場」というのはあると思う。ステージから受けとる情報量が多いから。詩を聴き慣れている人でも疲れる。ましてや初めて詩を聞きにくる人が「つらいな」と思ってしまったらもったいない。

「集客」のために:スポンサー、応援をしてくれる人、タニマチを募る。ネット、テレビなどに働きかける。企業、自治体、国などに協力を仰ぐ。Youtuberに実況してもらう、など。また目玉になるスター、ゲストを呼ぶというのはありだと思う

(※スポンサーに関しては「表現の自由に関わるかも」という意見も出ました→「お金を出してくれるところは『言葉を丸くしろ』というかもしれない」「表現の自由をキープしつつ資金援助してもらえるところがあればいい。諦めずに考えたい」など)

●大会ごとに違う方法があってもいい
現状では、どの地区大会も同じ審査方法になっているが、その地方大会ごとの独自ルールでもいいのでは。お客さんが集まりにくい大会では、お客さんから5人を交代で選出するのが難しい場合もある。そういうときには観客全員の挙手で判定するなど、フレキシブルに変えていけたらいい。
また、例えばUnder22、女性大会、シルバー大会など部門別の大会があっても面白い。あるいは詩のボクシングのように、即興で勝負するラウンドを設けるとか。全国均一ではなく、地区大会ごとに形式を自由に決められたら良いと思う。それぞれ特色ある地区大会から全国大会に選出されてくるというのも、面白いのでは。

2グループ目:TEAMワイルド・ドラゴンズ

●トライアスロンやデカスロンのようなスタイル
1ラウンドは自由形式、2ラウンドは短歌、3ラウンドは即興…のように、出場者の様々な能力、様々なスキルを生かして、コンペティションをやると良いのでは。

●楽器とのセッションによるスラム
ミュージシャンに参加してもらって、詩×楽器のコラボレーションで競い合う。出場する人は、その日参加しているミュージシャンのなかから誰とセッションしたいか選べる。

●ポエトリー・オリンピック
全国横断ウルトラクイズのように、47都道府県で実施。沖縄、北海道でも実施したい。

●映画「パターソン」のように
ポエトリースラムジャパン を通して詩が日常的になるような社会が作れたらいい。参加者それぞれが自分らしく表現できれば。

●特別賞を設ける
優勝・準優勝だけじゃなく、特別賞や司会者が選ぶ賞があってもいいのでは。

●海外への架け橋に
Tokyo Poetry Journalとしても、ポエトリースラムジャパンをサポートしたい。各大会の優勝者の作品を少なくとも1編ずつ英訳して、写真とともに公式サイトに掲載するなど。

3グループ目: TEAM PFJ(Poetry Festival Japan)


●ポエトリー・フェスティバル・ジャパン
ライブというよりフェスのイメージ。屋外で実施すれば解放的になる。海や山の近くの会場で開催するとか、湖の前にステージがあるなど。子どもも遊べるので連れて来やすい。たとえば福島なら小野川湖という湖がある。またオフシーズンの海岸なら、お金かけずにできるかもしれない。会場には美味しいご飯やお酒が欲しい。そうすれば長丁場でも大丈夫。さらにテントがあって、焚き火もできると良い。ワークショップをやってもいい。あるいは合宿という手も。夜にはキャンドルを灯してリーディングするのはどうだろう。

●新しいジャッジ方法 〜どんな結果も美しい景色〜
審査員を決めてジャッジするのではなく、観客みんなに意思表示してもらう。意思表示の仕方も点数ではなく、カラフルなカードを用意する。その試合の出場者の数だけ色カード(赤、青、黄色、緑…)を観客全員に配り、「好きだ」と思った人の色カードをあげてもらう。
たとえば5人出場したリーグから、好きな出場者2名を選んで「あなたが素敵ですよ」という意思表示をしてもらう。そうすると出されたメッセージが全てプラスメッセージになる。どうしてもギスギスしがちな判定の時間を改良できる。点数をつけるのではなく「好きな人を選ぶ」というニュアンスで実施したい。
またMCバトルのように1on1の試合でど勝敗をつけるのは悩むことが多いが、グループの中から複数を選ぶのであれば、いい結果に繋がるのでは。得票ポイントゼロという人も少なくなると思う。
実際の運用にあたっては観客席をブロックに分け、ブロックごとにスタッフが分担してカードを数えれば、集計もしやすいのではないか。また途中から客席に加わった人も、ジャッジに参加しやすい。
カラフルなボードが客席に並ぶ景色をステージから眺めると、それが何色であってもきれいに見える。「どんな結果も美しい景色」になる。
(※ちなみに「THE SANDAI」というイベントはこの形式で判定を行なっているとのこと)

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以上、それぞれ楽しくも冴えたアイデアがいくつもありました! 参加いただいた皆さん、あらためてありがとうございました‼️

ここでいただいたプランやアイデアをそのまま実現する、というわけではありません。とはいえ、これくらい自由な発想で2019年のポエトリースラムジャパンを実行していきたいと思います。

前の記事(PSJ代表・村田活彦×胎動LABEL・ikoma対談:「ポエトリースラムジャパンのこれまで、これから」)でもお伝えしたとおり、2019年の地区大会はそれぞれのエリアのカラーをより出していければと考えています。自分の地元でポエトリースラムジャパンを開催してみたいという方はぜひ

poetryslamjapan@gmail.com 

までご連絡ください! 

2019年の盛り上がりに向けて。どうぞよろしくお願いいたします!


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