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2022年新年に読みたい詩/山あれば山を観る(種田山頭火)

あけましておめでとうございます。
詩のソムリエです。

2022年が幕を開けました。元旦は晴れわたり、とても清々しい空。
ひさしぶりに故郷へ帰った人も多かったのではないでしょうか?
わたしも久々に家族がそろって和気あいあいと過ごしました。

一方で気になるのが、新型コロナウイルスの第六波です。
「今年は収束するはず」という思いと、「第六波が来るかも」という思いが隣り合ったスタートだったように思います。

そんな2022年の幕開けに、詩を一篇セレクトしました。

山あれば山を観る
雨の日は雨を聴く
春夏秋冬      
あしたもよろし
ゆふべもよろし
           

『山行水行
』(種田山頭火)より。「あした」…朝のこと。

これは、漂浪の俳人・種田山頭火たねださんとうかが五十路を過ぎ、信州を目指した頃の作品。

先日、「詩のレシピ」で紹介した句「ゆふ空から柚子の一つをもらふ」のあとにまた旅にでたときのものです。


其中庵ごちゅうあんという安住の地をやっと手に入れてなお、彼の放浪の血は彼を旅にいざなったのでしょうか。
苦悩をへて、一周してやっと自分に戻ってきたかのような…なんともさっぱりした、軽みを感じます。

山があれば山を観て楽しみ、雨の日は雨の音を聴く…

今年一年、いったいどうなるかわかりません。世相も、わたし自身も。
「よろし」といえば、「よし/よろし/わろし/し」の4段階でいうと2番めの「まぁよい」くらいです。

このときの山頭火のように、まわりに起きること、見聞きすることをただ受け入れ、「よろし(まぁ、ええやん)」と楽しめる春夏秋冬ですごせたらいいな、と思います。

新型コロナウイルスの流行はつらいことですが、足元の暮らしを見つめ、慈しむ時間にもなるかもしれません。「ニュースタンダート」とは、楽しみやありがたみを見出す心なのだろうと思います。

読んでくださっているみなさまにとっても、ふわりと変化を楽しめる一年になりますように。

今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

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Twitter…めぐ@詩のソムリエ

▼冬におすすめ!「詩のレシピ」


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