POGにおいて母高齢馬を指名するための考察

2020年生産馬のなかで、母20歳以降の出産馬が170頭。
近年は年間6500-7000頭生産されるなかでこの頭数だから、全体の約1/40が母20歳以降の産駒。

画像1

これに対して、今世紀の国内G1馬で、母20歳以降の産駒はキズナのみでG1は1勝のみ。

20年間で約440回のG1が施行されている。
母高齢は能力が低いといえる

さらにデータを重ねると、日本産で、日本のG1を勝ったのは1頭だけれど、日本で走った馬の弟妹による海外大レース制覇があと2例出て来る。

ニューアプローチ(2008ダービー) 兄シンコウフォレスト(1998高松宮記念)
ピンクカメハメハ(2021サウジダービー) 姉スイープトウショウ(G1・3勝)

これに

キズナ(2013日本ダービー) 姉ファレノプシス(1998牝馬2冠、2000エリザベス女王杯)

を加えた3頭を見ていくと、共通点が複数見つかり、それが「偶然の一致」か「必然的」か。

POGや一口を含む馬主生活において「母高齢」を越える可能性がある馬を見つけるためのデータとしてチェックしたい。


データ1 ダービー

まずは3頭の主な勝ち鞍が全て「ダービー」であることに着目したい。
POGにおいてダービーを勝つことなので、40分の1を占める程度の「母20歳以降産駒」で、ここ20年において日本ダービー馬1頭、海外ダービー馬1頭は確率的にいえばむしろ狙い目の要素。

これに○外の弟のダービー馬までいて、ダービーを勝つためには逆に狙うべき要素ともいえるw

……ダービー馬ばかり3頭というのは偶然の一致ともいえるがw

・早めに完成期を迎える
→仕上がり遅れの傾向のある「母高齢」とすれば、仕上がり早く調教できていれば「母高齢」のデメリットは少ない?

・牡馬偏重
ダービー馬、ということでまず言えるのが「つまり全部牡馬だなあ」ということ。
サンプルが3例だと、このデータだけなら「偶然3連続」という可能性はまだ高いが

母高齢は牝馬で特にマイナス

とも言えるかもしれない

つまりニューアプローチ、キズナ、ピンクカメハメハの3頭に共通するのが「ダービー」から、
・牡馬・仕上がり早・スピードよりスタミナ

あたりは母高齢の活躍要件である可能性が指摘できるのではないか。

※母高齢は牝馬、について傍証用に「複数の重賞勝ち馬を出した母の最後の重賞勝ち馬の性別」をチェックしたところ、牡牝そこまで差がなかったので、ここの文書は削除したほうがいい可能性はあるw


さらに共通項として

データ2 兄姉G1勝ち

キズナの姉ファレノプシス
ニューアプローチの兄シンコウフォレスト
ピンクカメハメハの姉スイープトウショウ

全てG1馬を兄姉に持っている
……シンコウフォレストは「パート2国の国内グレード」だけれど。

母高齢かつ兄姉に一定以上の活躍馬がいないのは厳しい。

で、実はもうひとつ大きな影響がありそうな共通項があって


データ3 前年産駒なし

母体の休養が、とよく言われるが、何より影響大きいと思えるのが受胎中の体調。

受胎中に、1つ上の兄か姉に母体の栄養を乳として吸われる。

高齢になるにつれて、受胎中に乳も吸われるのはしんどいのだろう。

母高齢の産駒は活躍率が低い、だけでなくデータを精査すれば、これくらいのことまでは見えてくるかな。

POG的にも、出資馬探しという意味でも、母高齢についての取捨の一つの参考になるデータだとは思う。

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