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WCS2023シニアカテゴリ4位―トルネロスコントロール構築

はじめに


皆さんこんにちは。かむらっち(@pokekamui)です。今年横浜で開催されたWCS2023にてシニア4位という実績を残すことができました。この記事は本大会で使用した構築記事でもありますが、それまでの取り組みについても書いた記事です。拙い文章ですが是非温かい目で見守ってください!その前に、オフレポートも書いておりますので是非ご覧ください!

※【追記:2024-2-10】読みにくかったため、記事を一部修正しました。

構築経緯

軸4体の決定

色々と悩んでいましたが、なんとか試行錯誤しているうちに、トルネロスが感触がよかったのでこれを軸にしようと思いました。
実際PJCSではファイアローで追い風使ってたので、練度みたいなものもあらかじめあるのかな~~とは思い、また当時PJCSでも相談に乗ってもらっていたしんしん(@rirunnpapa)さんとWCSでも相談に乗りあうことになり、トルネロス軸のパーティーについて話していたため、それも決め手になりました。

BWからいるおじさん

ここでトルネロスを軸とした追い風アグロ構築を使うということが決定しました。

まず、追い風パーティーの欠点から考えていきました。構築作成の序盤から欠点を考えてそれを補えるポケモンを考えることで、バランスの良い構築になると考えたからです。
まず、素早さに関係なく先制技を打ってくるパオジアンカイリューの並びは、追い風構築にとってもかなりの脅威だったので、カイリューの神速を半減にできる岩、鋼、ゴーストタイプのポケモンを挙げていきました。
約20体ものポケモンたちが候補にあがりましたが、この中でよさそうだと思ったのが、ハバタクカミヒードランです。

最強

まずハバタクカミですが、説明不要なほど最強だったので採用。S135からC135の高火力全体技を打てるのが本当に強すぎる。追い風で素早さも上がれば、もう誰にも止められません。

G


次にヒードラン。テラスタル習得により、地面4倍弱点を持ちつつもより安全に熱風を連発できるようになりました。ヒードランの強い点を言語化するのはかなり難しく、人それぞれの考えがあるかと思いますが、個人的には

・高水準な耐久力(H91-B106-D106)
・特性の貰い火による独特なタイプ耐性
・上記2点をふまながら、C130という高火力で熱風を打ち続けられる

といった上記3点が強いと思っています。
なんか相手の攻撃耐えて、なんか熱風で相手が削れて、裏のポケモンでスイープできたり、逆にドランで詰めの盤面を作れるといった、ハバタクカミのようなポケモンみたいなインパクトの大きい強さは持ちませんが、なんか強いです。バランスが非常に優れているという点でとても強いポケモンだと思います。

とりあえず、軸4体のうち3体は決まりました。ただ、まだ問題がありました。

とるねみうら~~~~~~~~

対トルネウーラですね。ここまで水タイプを半減にできるポケモンが全くいません。しかし、半減にできるポケモンを用意したところで、テラスタル+雨乞いの高火力で押されてしまいますし、水半減できるタイプを採用したとして、

草タイプ→木枯らし嵐が抜群で入ってしまう
水タイプ→強力な水タイプそんないない
ドラゴンタイプ→ハバタクカミ舐めすぎ

といった感じだったので、交換などでタイプ耐性で受けるというのはやめました。トルネウーラという並びは、水流連打ばかりに目がいきがちですが、その水流連打に対して草で受けようとすると木枯らし嵐が抜群で入ってしまうという相性補完のよさも強いところなんですよね。
そこで、根本から水流連打の火力を抑え、木枯らし嵐を半減もしくは等倍以下で受けるとかすればよさそうだと思いました。

どうすればいいか考えたところ、

画像はイケドラ(@ikdr_poke)さん[※②]提供

日本晴れで水タイプを半減にすればよいのでは?と思いました。
加えて、日本晴れは上記の2体とのシナジーがかなりよく(下記参照)、

ハバタクカミ→古代活性発動
ヒードラン→熱風強化

このことより、本構築は追い風アグロ構築に加えて、日本晴れ構築という方向性で組んでいくことになり、トルネロスで追い風日本晴れをして、ハバタクカミやヒードランを通していくというコンセプトが決定しました。トルネウーラに対して防御的な対策でもあり、自身の火力を増強することもできる攻撃的な方法なため、構築の枠を節約することもできておりかなり強いだろうと思えました。
そして軸の残り1枠として、一撃ウーラオスを採用しました。

暗黒強打マン

当時連撃ウーラオスが猛威を振るっており、モロバレルやゴリランダーなどのポケモンによってかなり対策がされていました。しかし守るを貫通できるという破格の性能を持つウーラオスが、追い風のターンを守るで無駄にされないという点でも弱いはずがないので、ウーラオスは絶対採用したいと思いました。
そこで連撃と比べて、

・等倍範囲が広い
・ゴツゴツメットのダメージを1回しか受けない

という特徴を持ち、また構築のトルネロスが日本晴れを採用していることにより、連撃ウーラオスの場合水技が半減されてしまいシナジーがなかったため、一撃の方を採用しようとなりました。

補完2体の決定

一撃ウーラオスを採用した際に、同時に評価が上がっているポケモンがいました。ゴリランダーです。

うほほほほ

ゴリランダーの強い点として、

・グラスフィールド&A125でウッドハンマーを打てる
・グラスフィールドによるガチグマの地震の半減
・猫だまし、蜻蛉返りを覚えサイクル性能が高い
・一般的なモロバレルと違い、水ウーラオスに対して有効な攻撃ができる

が挙げられます。特に一番下のモロバレルとの差別化点が水ウーラオス対策として評価され始めていました。
使ってみたところ、かなり強かったので採用。持ち物はもともと突撃チョッキで使っており、実際環境の多くのゴリランダーもそれを持っていたのですが、後述する理由でバンジの実に変えました。

ラスト1枠はWCS4日前まで迷っていましたが、霊獣ランドロスにしました。

ダブル界の重鎮

以前この枠はパオジアンで、パオウーラゴリラの並びで制圧!!みたいなことを考えていたんですが、そうするとテツノカイナがかなり重くなってしまうので一致技を両方半減で受けることのできる霊獣ランドロスを採用しました。特性の威嚇による汎用サポート性能もかなり高く、ハバタクカミの物理耐久も安心できるものになってくれるのでこの選択は正解でした。

以上をもって構築6体が決定しました。経験値ない割にはかなり高種族値スタンっぽい見た目のポケモンたち使ってますね(笑)
感触もかなりよく、これで世界大会に行くことに決めました。ランドロスの枠がパオジアンだった時期も含めると、構築が決まったのはWCSの約1週間前でした。かなり時間は限られていましたが、当時は必死で練習していました。

個別解説

トルネロス(けしん)


特性:いたずらこころ
性格:おくびょう
持ち物:あおぞらプレート
テラス:ゴースト
実数値:186(252)-×-116(204)-146(4)-101(4)-150(44+)
:おいかぜ / にほんばれ / こがらしあらし / まもる
HB:災いの剣込みA204カイリューのノーマルテラス神速を最高乱数以外耐え
C:無振りウーラオスをダブルダメージ木枯らし嵐で確定1発
S:準速ウーラオス抜き
この構築の軸。追い風と日本晴れをするのが主な仕事だが、プレートをもたせているため、耐久にリソースを回しつつ高火力の木枯らし嵐を押し付けることが可能。追い風サポート特化ではなく単純に飛行打点としてかなり優秀で、木枯らし嵐の追加効果も試合を左右しかねないため相手がトルネロスを放置してもしなくてもきつい展開を強いることができる。

ハバタクカミ

特性:こだいかっせい
性格:ひかえめ
持ち物:こだわりメガネ
テラス:みず
実数値:142(92)-×-104(228)-187(116+)-156(4)-164(68)
:ムーンフォース / マジカルシャイン / シャドーボール / 10まんボルト
HB:A182連撃ウーラオスの水流連打確定耐え、A-1の特化テツノカイナのヘビーボンバー13/16耐え
C:性格補正なし252振りと同じ、11n
D:端数
S:余り
環境に物理打点のポケモンが多い、防御に死ぬほど振って威嚇も合わせれば行動回数を稼ぎやすい、もともと特防は高い方という点を踏まえて防御ベースに育てた。じーんさんのパーティー[※③]にいたハバタクカミがベースになっているため、明確な調整意図を持っているわけではないが、防御ベースに育てたおかげで相手の攻撃をミリ耐えする場面が多く、頼もしかった。改善の余地はかなりあると思う。

ヒードラン

特性:もらいび
性格:ひかえめ
持ち物:オボンのみ
テラス:フェアリー
実数値:198(252)-×-131(36)-189(172+)-127(4)-103(44)
:ねっぷう / ラスターカノン / テラバースト / まもる
HB:A200珠ウーラオスの暗黒強打13/16耐え
S:追い風下で最速135族抜き
C:余り
D:端数
この構築のダメージリソース。耐久耐性の良さを活かしたいためHCベースとした。日本晴れと合わせてウーラオスの一致技をすべて半減でき、レジドラゴ対策にもなるフェアリーテラスタルを採用した。これもじーんさんの構築のヒードランからいろいろといじったものなので明確な調整意図はない。改善案として、Cを11nにして、防御に回すのがよさそうと思った。
オボンのみによって場持ちを確保することができた。
技に関して、今考えるとヒードランミラーで相手のヒードランに一切ダメージを与えられないのはかなり厳しいので、テラバーストを大地の力にする、突撃チョッキを持たせて、守るを大地の力にするなど、改善案はかなりあり。

ウーラオス(いちげき)

特性:ふかしのこぶし
性格:いじっぱり
持ち物:こわもてプレート
テラス:どく
実数値:191(124)-200(252+)-121(4)-74-96(124)-118(4)
:あんこくきょうだ / ふいうち / インファイト / みきり
A:特化
HBD:残りを耐久指数最大になるように振った
S:端数
高火力押し付け枠。主に壁構築に対して選出する印象が強いが構築の軸の1体を担っており、迷ったらとりあえず選出する。相手の行動依存とはいえタイプ強化系アイテムを持った状態でのふいうちはかなり強力であり、一部のハバタクカミを一撃で葬れるほどである。守るを貫通できるため、追い風ターンを守るで稼がれるという問題を解決することができる。
耐久に振っている理由は、これまた他人の調整を真似したからであるが、耐久振りによって耐えて反撃するといった場面が多く非常に強力だった。
そもそも素早さ自体追い風でカバーできているため、耐久に振ったほうが攻撃回数も稼げて殴り合いでも強いと感じた。
自分の追い風構築に対する考え方が現れた調整であろう(普通にASのほうが強そう)

ゴリランダー

特性:グラスメイカー
性格:いじっぱり
持ち物:バンジのみ
テラス:ゴースト
実数値:207(252)-176(116+)-125(116)-72-91(4)-108(20)
:ウッドハンマー / じだんだ / ねこだまし / ちょうはつ
HB:A172パオジアンの氷柱落とし14/16耐え
A:A200ウーラオスの水流連打を最高乱数以外で耐えるハバタクカミをグラスフィールド下ウッドハンマーで確定1発
D:端数
S:余り
本構築のオシャレ枠。元々は炎テラスタル突撃チョッキ型で使っていたが、ガチグマクレセリアの並びを対策したかったので、このポケモンですることとした。元々の性能でもグラスフィールドで地震を半減にすることができ、猫だましである程度妨害できるが物足りないと思ったため、アルカナさんが使っていたゴリランダー[※④]をそのままパクった。挑発を採用することによってある程度クレセリアに抗えることができ、ゴーストテラスタルにすることでガチグマからの有効打を遮断できる。アイテムは挑発を採用している影響で突撃チョッキを採用できないので、ウッドハンマーの反動も考慮してオボンのみではなく混乱実を採用した。ウッドハンマーの反動で木の実圏内に入ったり、木の実が発動したおかげでウッドハンマーの反動を耐えることができるなどといった場面が多かったので、混乱実ゴリラは安定感は突撃チョッキに劣りはするものの、かなり強いと思っている。最近はパオジアンが意地っ張りで珠も持っていることが多いため、油断は禁物。

ランドロス(れいじゅう)

特性:いかく
性格:ようき
持ち物:こだわりスカーフ
テラス:ひこう
実数値:173(68)-173(60)-127(132)-112-103(20)-154(228+)
:がんせきふうじ / じだんだ / とんぼがえり / テラバースト
HB:災いの剣込みA204カイリューのノーマルテラス神速を最高乱数以外耐え
HD:C187眼鏡イーユイのダブルダメ熱風確定耐え
A:H12-B4振りテツノカイナをじだんだで確定2発、B4ウーラオスを飛行テラバーストで確定1発
S:準速100族抜き
本構築の補完枠2つ目。テツノカイナを重く見て採用した。単体性能を高めたかったのでアイテムはこだわりスカーフ、技はS操作のできる岩石封じを採用し、残りはテンプレ。スカーフ岩石封じがとても偉く、相手のパオジアンに対してハバタクカミと並べることで奇襲できた。威嚇を入れることで、こちらのハバタクカミの物理耐久がより高くなるのもよかった。飛行テラバーストでモロバレルに対して命中安定の有効打を確保できているのもよい。
この調整も例によって他人のをパクりました。本当に感謝しています。ありがとうございました!(あいオフのときに直接会ってお礼言わせてもらいました)

選出・立ち回り

基本選出

先発:トルネロス+ハバタクカミ
後発:ヒードラン+ウーラオス

初手から追い風日本晴れを貼ることを意識して、立ち回っていきましょう。
追い風を貼った後はトルネロスを早いタイミングで瀕死にさせるか(裏のポケモンに追い風ターンを安全かつより長く活かしてもらいたいため)、守るでターン管理をしましょう。木枯らし嵐+隣の攻撃で相手のポケモンを倒しつつ、死に際で追い風再展開とかでもよいです。とにかく追い風と日本晴れを展開し、いかにその間に相手に負荷をかけられるかが重要です。

その他(追い風展開)

先発:トルネロス+@1
後発:残り4体から@2

ハバタクカミを出しづらいときにこのような選出をします。例として、モロバレルがいるとき、相手も追い風を使用してくる場合です。こちらのポケモンは最速でないため、ミラーは負ける前提で立ち回ります。BO3なら耐久と火力から努力値配分を逆算し、素早さを判別できるかもしれませんし、それで相手が遅めだとわかればこの選出には限りません。

対ガチクレセ

先発:ゴリランダー+ウーラオス
後発:ハバタクカミ、ランドロス、ヒードランから2体

ゴリランダーの挑発でクレセリアを止め、ひたすら殴り続けます。
相手がメンタルハーブを持っていれば、攻撃をタイプ受けしてトリルターンをしのぎましょう。BO1ではこの立ち回りは安定しないので難しいです。要改善。

ポケモンの役割を意識して選出をしましょう。

レンタルチーム


この記事が上がっている頃にはもうレギュDの需要はほとんどないでしょうが、興味ある人は是非使ってみて下さい!
余裕ある人はお好みで改善して使ってみてください!!

まとめ

世界大会に出る前は、まさかこのような結果を残せるとは思っておらず、本当に嬉しかったし驚きました。
もう既に来年のハワイで開催されるWCS2024の権利は獲得できていますが、今後も精力的にVGCに取り組んでいって実力をつけていきたいです。
とりあえずポケパラ、PJCS2024会場大会出場、ランクマ上位入賞を目指そうと思います!!また、人間的にも世界4位にふさわしい立ち振る舞いをしていきたいです(多分出来てないです😵‍💫)。
ここまで読んで下さりありがとうございました〜

※出典
https://t.co/0MpR6PwJbD
②https://x.com/ikdr_poke?s=20
https://youtu.be/b8pIL-zQjug?t=7109
https://www.youtube.com/watch?v=VjT3TaYHcbo&t=583s

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