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[ポーカートーナメント戦略] プリフロップのスタッツ(VPIP、PFR)を活用する

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Poker VPIP Trackというライブポーカーでプリフロップの統計をとることができるアプリをつくりましたので、ぜひ使ってみてください!
こちら

こんにちは。
今回はプリフロップのスタッツ(VPIP)を活用したトーナメント戦術について紹介します。

「ポーカーにおいてスタッツ(統計)の概念はわかったけれど、どうやって活用すればいいんだろう?」と気になっている方にぜひ参考にしていただければと思います。


対象の読者

  • ポーカー初・中級者

  • ポーカーのトーナメントで安定的に上位に入りたい

  • ポーカーのスタッツの概念を理解している

  • GTO理論とエクスプロイトについてなんとなく知っている

1.前提

1-1.考え方

ここで紹介する戦術はGTOのプレイから乖離していそうなスポットを狙い、利益的にプレイ(エクスプロイト)するためのものです。

重要なのは、GTO理論とGTOのプレイラインを理解した上で、相手に乖離していそうなスポットがあるかを観察することです。熟練したプレイヤーは自分なりにエクスプロイト戦術引き出しを持っています。

ここで紹介した戦術を鵜呑みにするのではなく、自分でもエクスプロイトできるスポットをみつけられるよう参考にしていただければと思います。

注意
※ライブポーカーの場合、サンプルとなるハンド数が少ないため、相手の傾向を過信しないよう注意が必要です。
※エクスプロイト戦術は相手にアジャストされると期待値がマイナスとなります(カウンターエクスプロイトという概念です)、
※GTOプレイヤーは理論上、エクスプロイトすることはできません。なので相手がGTOに徹していそうだと思ったら自分もGTOプレイをするようにしましょう。

1-2.VPIPによってハンドレンジを予測する

VPIPとは
プレイヤーが自主的にポットへチップを投入した割合を表します。
(SB/BBは最初からポットに含まれているため、除外します)
簡単に言えばレイズ、もしくはコールをした頻度です。

配られる2枚のカードのうち、どのハンドでレイズorコールするのかを表す概念として、ハンドレンジが存在します。

ハンドレンジは、コンボ数で置き換えることができるため、
プレイするべきコンボ数 / 全てのハンド数(1,326)
でハンドレンジごとの想定VPIPを算出することができます。

なので逆にVPIPから相手のハンドレンジを推測することもできるわけです。

1-3.ハンドレンジごとのVPIP

一般的なプレイヤーのVPIPは平均するとだいたい20%~30%の間に収束していきます。

以下のハンドレンジで参加して21%のVPIPとなります。


以下のハンドで参加すると36%です。
平均VPIPが40%を超えてくるプレイヤーはかなり広いハンドレンジでプレイしているといえるでしょう。

2.相手にあわせる

それではVPIPから相手のハンドレンジを予測し、アジャストしていく事例を紹介します。

2-1.VPIPが高め(35%~45%)のプレイヤーに対する戦術

VPIPが高いプレイヤーのアーリーポジション・ミドルポジションからのオープンに足してはインポジションからライト3betの頻度をあげる戦術をとることが多いです。

VPIPが高いということは、相手は本来の適切なハンドレンジよりも広いハンドで参加しているということです。

例えば前章で紹介した36%のハンドレンジと21%のハンドレンジの差分は次のような箇所で生まれてきます。

A9o〜A5oや、あまり強くないスートのコンボが増えているため、ライト3betによるスティールが成功する確率が高くなります。

MTT (アベレージ100BB)、Villan:LJのオープンに対するHero:BTNの適切なハンドレンジは本来であれば、以下の通りです。

全ハンドの8%で3bet、16.5%でコール することがGTOで推奨されます。

VPIPが高いプレイヤーに対して、私は上記のハンドレンジのミドル〜ローポケット、Axのスーテット、T9などのスーテッドコネクターで、ライト3betの頻度をあげ、スティールすることがあります。

上記のハンドを選んでいるのは、発展性があり、フロップの内容次第ではプレミアハンドに対しても戦えるからです。

2-2.VPIPが低い(20%以下)プレイヤーに対する戦術

VPIPが20%を下回っているプレイヤーはハンドを絞っています。
このプレイヤーのオープンに対して、自分のアクションを考えるときは相手のハンドレンジが強いことを意識しましょう。

VPIPが低いプレイヤーの中にはBBをフォールドしすぎているケースがあります。

本来、BTNのオープンに対するBBのディフェンスレンジはかなり広いです。

BTNのオープンレンジ(MTTアベレージ100BB)

全ハンドのうち55%でレイズ


BBのディフェンスレンジ(MTTアベレージ100BB)

全ハンドのうち、65%でコール、15%レイズしている

ディフェンスすべきハンドでディフェンスできていないプレイヤーである場合、BTNからのBBスティールが利益的になります。

また、コールされた場合もハンドを絞っている分、ハンドの中にはAやKが含まれている可能性が高くなります。

このようなプレイヤーに対して、Aハイボードのフロップで、ミドルヒットやボトムヒット、Aのローキッカーなどは相手のベット/CBに対してオーバーフォールドすることがあります。

2-3.PFRで傾向を推測する

PFRとは
プリフロップをレイズで参加した割合を表します。
VPIPからコールをした割合を引くとPFRが出せます。
PFRを分子/VPIPを分母にすると参加回数のうち、レイズで参加した頻度を出すことができます。

VPIPからPFRを引くとだいたい5%以内となることが適正であると言われています。VPIP25%の場合、PFRは20%程度であることが適正ということです。
トーナメントの場合、BB AntieがありBBのコール頻度があがるため、PFRが下がり、15%程度となるかもしれません。

PFRは相手のプレイ傾向を推測するために参考にします。
VPIPとPFRを比べると良いです。

VPIPは高いがPFRが低いプレイヤー(例:VPIP40%、PFR10%)
ルースプレイヤーの典型です。
コール頻度が高い(4回中、3回はコールで入っている)ため、自分がレイズするときは、プロフロップから4BBや3.5BBなど大きめのベットサイズを選択することがあります。

VPIPは適正値だが、PFRが低いプレイヤー(例:VPIP25%、PFR10%)
3betのレンジを固くしているプレイヤーの可能性があります。
3betのレンジを固くしているプレイヤーの場合、相手の3betに対するコールレンジ、4betのレンジを他のプレイヤーに比べて固くするように意識しています。

VPIPは適正値だが、PFRが高いプレイヤー(例:VPIP25%、PFR20%)
アグレッシブでうまいプレイヤーであることが多いです。
フロップ以降でのリークがないかを観察するようにしています。
具体的にはフロップ以降のCB率をみることが多いです。中にはCB率が高すぎるプレイヤーがいるため、そういったプレイヤーに対して、私はフロップ以降でミスバリューやブラフを引き出すプレーをする事があります。

最後に

いかかがでしたでしょうか。

最後に、Poker VPIP Trackというライブポーカーでプリフロップの統計をとることができるアプリについて紹介をさせてください。
こちら

特徴

  • プリフロップのアクションを簡単に入力して、VPIP、PFRを確認することができる

  • ポジションごとのスタッツを確認することができる

    • 本記事で紹介したBBのディフェンス頻度も確認することができます

  • 分析するハンド数を絞り込むことができる

    • 100ハンド溜まっている場合、直近の20ハンドに絞り込んで統計をみることができます

    • トーナメントだとアンティーがあがるにつれてプレイヤーのアクション傾向が変わってくるため有効です

トーナメントにおいて相手のスタッツは重要な情報です。ぜひPokerVPIPTrackを活用してみてください。

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