ショートショート「生きている財布」

僕の財布は生きている。
お金が0円になると死んでしまう。
使いすぎた日は、とても衰弱してかわいそうになる。
無駄遣いをしようとすれば「いいのか!俺死んじゃうぞ!」と叱ってくれる。
労働者が大好きな給料日は財布も大好きだ。
いつもより多くお金を食べさせてもらえる日。
僕はこの財布のお陰で無駄遣いも減り、貯金もたくさん貯まった。
ご褒美に100万円を財布に入れてあげることにした。
財布は今までにないほどの金額に大喜びした。
札束を財布に入れた途端、財布はもがき苦しんで死んでしまった。
100万円を喉に詰まらせたのだ。

夏ですね スイカでも食いたいもんですわね