見出し画像

インデペンデンスデイ久保田との思い出②

2023年5月21日。
池袋のとしま区民センターにて「ありがとう久保田くん〜久保田剛史を偲ぶ会〜」が無事終了しました。
4月18日が命日なので、もう1か月経っています。
この1か月はあっという間でした。
色んな感情が色んな方向に動いて、これから先、どうしようかとか。
考えるにしてもなんかマイナス思考になってしまいそうで、誰かに会ったり、一緒に飲んだり、この1か月いつにも増して人とご飯に行ってた気がします。
偲ぶ会は大きな会場を使わせてもらって椅子を置けば480キャパのドデカ会場。


めちゃくちゃでかいスクリーンで久保田の映像も流れてました。


設営から撤収まで居たので、この1日だけで結構疲れました。
50近くの花。
開場した時点では、まだまだ人が来てなくて、これはスカスカで恥ずかしい感じになるんじゃないか?と思ってました。
17時からセレモニーがあるので、みなさんそれに合わせて来られました。
とんでもない人数でした。
立ちでこのフロアほぼ埋まってました。
9割芸人です。
凄くない?この人望。
テレビで活躍する人も大先輩もその中にいました。
セレモニーは相方の内藤さんのスピーチとお母さんの挨拶。
最後にインデペンデンスデイのネタ動画を2本流してました。
偲ぶ会で漫才見るなんてことあるかね。
それがめちゃくちゃウケてる。
悲しさより笑い声の多さが久保田のお別れ会らしくてよかったです。


ユニットライブ「ドジお兄」のメンバーで

もちろん悲しいんですけど、記憶を辿っても悲しむようなエピソードがあまりなく、結局面白かったなぁとか、あのツッコミ秀逸やったなぁとかそういうのしか思い出せません。
これで一先ず、お別れができたんでしょうか。
まだ切り替えれていないなぁと思いますが。
いうてる場合でもないので尻叩こうと思います。
というわけで思い出話の続きです。
ご覧ください。

浅井企画所属

久保田と飲みに行ってから、家が近所なのもあって、ちょくちょく飲みに行くようになりました。
当時ぼくらはフリーで活動していて、ライブに出る以外にどう動けばいいのかよくわかっていませんでした。
このままではキツいとなって、事務所に入ることにしました。
正直ぼくはどこでも良かったです。
事務所がどうこうではないと思ってたので、そこまでこだわりはなかったです。
そこで出た提案が浅井企画でした。
インデペンデンスデイもいましたし、やはり他の所属芸人さんの印象に人の良さが出ている。
そういった理由で浅井企画のネタ見せを受けることにしました。
所属するまでの流れとしては、ネタ見せで受かってライブに出る。
順位が出るけど、順位が良かったからといって所属出来るわけではない。
所属するにはライブに出続けなければいけない。
先の見えない不安がありました。
ライブに出られても所属できるかはわからない。
それがいつまで続くのかというルールもない。
実際、所属が決まったのはライブに出始めて4か月後でした。
当時は、かなり早かったはずです。

野方の飲み屋で所属決まった祝いの飲み会


これ実は、僕らが浅井を受け始めた時に久保田がマネージャーに推薦してくれてたそうです。
その時は全く知りませんでしたし、この飲み会の時もそんなことは言ってませんでした。
実力でもぎ取ったとか勝手に浮かれてました。
今となっては恥ずかしい。
ぼくらは久保田のお陰で浅井に入れました。

楢原と「はとバスツアー」

ヤーレンズ楢原と僕、久保田は年齢と芸歴が一緒でした。
ヤーレンズも僕らと同じように元大阪よしもとで上京して、別事務所で活動するコンビ。
ある時、楢原が「上京してからライブばっかり出て東京観光らしいこと一つもしていない」という理由ではとバスツアーに参加することになりました。
そこにもう1人参加したのが久保田でした。
はとバスツアーなんて言ったら東京観光の定番。
これに乗れば東京観光できるぞ!と意気揚々。
久保田も僕らより何年も前に上京してましたが、観光はしてなかったらしいので、楽しみにしていました。
集合は新宿のアルタ前。
もうすでに嫌な予感がします。
新宿、普段出る劇場が1番多い場所。
1番降りる駅に集合。新鮮味ゼロ。
とはいえ、ここから色んな場所に巡ります。
改めて東京に来たんだ!という気分を満喫しよう。
他の東京観光に来た乗客の皆様がカメラを構えて、バスの外をパシャパシャ撮ってます。
僕らは撮りません。
昨日もここら辺に来たから。
気を取り直して、バスの目指す先は、浅草!
THE東京!これぞ東京!
浅草といえば、浅草5656(ゴロゴロ)会館、そう!M-1グランプリの2回戦でお馴染みの場所!
毎年夏に来る!
2回戦で負けて嫌な思い出もある!
行ったことある!
3人とも気がつく。
「あれ?東京観光したことないだけで、普段ライブで行く場所が大体東京観光する場所なんじゃ?だって人が多いところに普通劇場作るもんな?」
浅草に到着する。
他の乗客は雷門に写真を撮りに行く。
遠目からそれを見るメガネトリオ。
よく考えたら3人メガネ。
側から見れば、東京観光に来たのに写真を撮るのも恥ずかしがっている根暗ボーイズ。
本当は特に何も感動していないだけ。
このツアーご飯付きにするかどうかが選択出来て、ご飯付きにしなければ1時間後に指定された場所に再集合という流れになっている。
ご飯は、せっかく浅草に来たからせめて良いもの食おう!と天丼屋に入る。
全部一旦高い。
僕と久保田は上天丼。楢原はここぞとばかりに穴子天丼。
食す。
うん、美味い!そりゃあ美味い。
楢原の穴子天丼もデカい!
全員食べ終わる頃に胃もたれ。
楢原はちょっと残して久保田にあげてた。
気持ち悪くなりながら指定の場所に向かう。
そこから船に乗る。
さすがに上京してから船に乗って景色を見るなんてことはしたことがない。
これぞ観光。
午前の部を取り返せる可能性を胸に船に乗り込む。
東京という日本の真ん中を船に揺られながら眺めるビル群。
天気もいいし、のんびりしたこの時間。
快適と満腹と川に反射する暖かい日差しで、全員無口。
もう終わりや。
誰もボケない。
感想も言わない。
ほのかに聴こえるBGM。
眠くなる。
ちゃんとちょっと寝る。
おしまいや。
思い返す。
はとバスツアーに参加するというのは、東京に住んでいない人が初めてくる東京とはどんな街なのかを手っ取り早く見回ること。
全部電車で行ける。
半日あれば余裕で見回れる。
よく考えたら行ったことある。

終着地点まで夜何しよっかなーとか考えてる。

もう観光のことは考えていない。



再びバスに乗り込み、後は帰るだけ。
帰りのバスは、普通にお笑いの話をしていた。
あとは小学生時代見てたテレビの話。
はとバスで話す話じゃない。
景色そっちのけ。
むしろ眩しくてカーテン閉めてた。
周りの乗客はカメラパシャパシャ。
このメガネトリオ終始何しに来たのかわからない。
浜松町のでっかい駐車場で解散。
浜松町のでっかい駐車場なんて来たことがないから、1番テンションが上がったかもしれない。
まわりに何もない。
もう感動のベクトルが歪んでいる。
M-1の準々決勝や準決勝が行われるニューピアーホールの浜松町。
はとバスはM-1の予選会場ツアーなのかもしれない。
久保田との思い出は結局移動中にお笑いと昔のテレビの話をした記憶の方が強い。

続く。

夏ですね スイカでも食いたいもんですわね