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トレランヒヤリハット集 特別編  OSJおんたけスカイレース2013

Facebookにある何年前の思い出のような機能で6年前のレース覚書のような記事をみて当時のことを思い出しました。こちら↓

最近トレラン始めましたという方は御嶽山スカイレースやっていたんですね!?という方もいるかもしれません。
2014年御嶽山が噴火するひと月ほど前にも開催していました。

ヒヤリハット事例集としては重めな内容なのですが、書き出しておかないと記憶は風化してしまいますので記憶を掘り起こしておきます。

★コース概要★
コース全長は37km
スタート王滝小中学校(標高1000mぐらい)
第1関門田の原(標高2180m)まではスキー場ゲレンデを登る12km
御嶽山登山道に入り第2関門山頂(標高3067m)
晴れていれば絶景のお鉢巡りして、来たコースを戻ります。

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お鉢巡りについては3000mを越える御嶽山ですので天候次第で実施出来ない年の方が多いです。2013年についてはスタート時では視界も悪くなくお鉢巡りは実施出来る!!というスタートでした。のちに大問題となるのですが。。

天候はスタート曇り 田の原たまに雨 頂上常に変化するが気温1桁

スタートしてからも頂上については気温が上がることはなく、横殴りの暴風雨となり視界5mもない状況となり、コースマーキングも見えなくなりました。レース中でもお鉢巡り不可となりコース変更となりました。
速い選手についてはお鉢巡り行っていましたが、途中から頂上折り返しという短縮コースです。頂上折り返しであれば途中ロストするポイントもなく、一番寒いのは頂上なので管理もしやすいです。

ナイス判断でしたと無事に終わりたいところですが、問題はお鉢巡りに進んでいた選手達です。走れるつもりなのか防寒具も持たず(ルール違反)レスキューシートも持たず(ルール違反)出走している選手も多くいました。

実際に出走していた選手がコメント下さいました。
長谷川様貴重な情報ありがとうございます。

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命からがら進んでいたら動けない選手がいたが付きそうことも危険が伴うので進んだという状況です。
情報提供頂いた白くま隊スタッフが現地に直行して山小屋に搬送して対応しました。これ以外にも同様のケースがありました。その選手はランパン・ランシャツで暴風雨の中立ち尽くしていたそうです。スタッフが声をかけると意識はあり、寒くて歩けないと発言したとのこと。

対応内容は記載しませんが、その後回復してスタッフと徒歩にて下山しました。あの天気ではヘリも飛ばないので回復してもらうしかないのですが。

私は田の原にいて雲に隠れて見えない山頂を見上げながら、とぎれとぎれの無線を聞きながらこういう時に重大事故が起きて助からないのかと思っていました。実際に命を救った事例だと何度も思い出します。

6年前ですので当時よりも業界自体に情報もありますので選手の常識も育ってきているように感じますが、3000mを越える山の天候とその変化。
走れなくなった時のリスクに対する正しい理解。
学ぶことは沢山ある事例です。

ある一定の経験や知識技術がないと出れないようにルールで規制すること簡単なことなのですが、そもそも試走のように練習に行く際には規制もなく救護担当もいません。トレイルランニングという競技でありアクティビティには本来の意味でのセルフレスキューという意識が必要と強く思います。

レースは経験豊富な上級者のためのモノではなく
レースが選手の経験を育み(失敗含む)成長の機会になることが望ましいと思っています。そのための基礎知識を学ぶ機会としても主催者は情報発信したり、ルールを設定して欲しいです。


2020年夏には王滝村からの登山道も規制解除されて、おんたけスカイレースも復活なるか??少しでも当時の状況を想像しながら自分のことは自分で出来るランナーが増えていくことにこの記事も役立てば嬉しいです。

このような救護事例も交えたセルフレスキュー講座を開催しています。
次回は2020年3月1日(日)東京 世田谷 下にリンク貼っておきます。

日本中で安全管理の知識を伝えるためにタイアップして下さる、トレランショップやチーム、大会主催者など募集してます。是非ご連絡下さいますようお願いします!