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交番勤務ってどうなの?②(酒飲んでても招集されます)


どんな場合に招集?


これは別に交番勤務員に限った話ではないのですが、警察官の時間外の招集についてです。

どれ位の頻度で召集されるのか、については地域、部署、署長の考え等によっても変わるので何とも言えません

この記事の内容は私の実体験に基づくものなので、参考程度で読んでみてください。

まずはどんな場合に召集がかかるのか、です。管内で強盗、殺人等の重大事件が起きて犯人が捕まってない場合はほぼ召集がかかります。殺人や強盗がどの程度の頻度で発生するのか、というと署によって様々です。

私が以前所属していた署は人口約20万で強盗は半年に1件、殺人は1,2年に1件発生といった感じでした。発生したら署員を召集して聞き込みやらを一斉に行います。

ただ強盗の場合は署長の指示によって刑事課員だけで行う場合がありました。その署長は刑事畑で強盗は刑事課員がやるべきだ、他の課はあまり当てにできない、という考えだったようです。

ともかく地域課だった私はこれで助かったことがあります。まぁでも普通は強盗が発生したらまず召集がかかると思って諦めましょう。

とりあえず山狩り!?


そういえば管内で殺人が発生した時、署員に山狩をさせてきた署長がいました。山の方へ行ったという情報や目撃があったなら全然構わないんですが、とりあえず山狩、みたいなことをやらせるのはやめてほしいですね。

パフォーマンスにはなるのかもしれないけど、こっちのモチベーションも上がらないし、膨大な体力と時間が無駄になります。

それはさておき、他に召集がかかる場合として、行方不明者の捜索があります。これは「夢を叶えるために上京します。」みたいなメモを残して家出した場合は含みませんよ。

特異行方不明者といって、自分で様々な事に対処できない幼児や認知症の高齢者等の「自救無能力者」が行方不明になった場合や「自殺したい」等と言って行方不明になった場合に召集がかかります。

これも見つかるまで街の中山の中を捜索します。見つかったという無線が聞こえると「良かった。やっと帰れる。」と皆安堵するのです。

しかし、ご遺体で見つかった場合は話が違ってきます。事件性が疑われる場合は殺人事件の可能性がありますから、その日からしばらく休みは無しということになります。

専務の場合


次は専務員(交番勤務ではなく専門の部署の警察官、いわゆる内勤)が1人も当直していない場合で、その部署の事件が起きた場合です。

例えば麻薬の部署の人間が1人も当直員にいない夜に、職質で覚醒剤の被疑者が逮捕された場合はその専務が呼び出されます。ちなみに刑事課と交通捜査は事件数が多いので必ず当直員がいます。

その他、あまりないですが、自分が被害届や実況見分調書を作りかけの事件で、その被疑者が逮捕された場合急遽行かなければならないことがあります。

主なものは以上になります。以上のものは状況によっては深夜に寝てても、酒を飲んでても容赦なく呼び出されます。休みの日も同じです。

唯一有給休暇を取って休んでいる時は呼ばれる可能性は限りなく低いですが、残念ながら可能性はゼロではありません。警察人生7年で一度だけ有給休暇中に呼ばれている人を見たことがあります。

自分も酒を飲んでて呼び出されたこともあります。そういう場合はタクシー等で署に行くわけですが、巡査のような下っ端の時は、顔を赤らめて酒臭い息をしていると非常に気まずいですね。

「酒飲んでるのか!?」
「はい、さっきまで飲んでました。すいません!」
「ん~~、……わかった!」

怒りたいけど怒れないという微妙な上司の空気を感じ取り、酔いは瞬く間に醒めていきます。

急な呼び出し以外にも休日出勤は山ほどあります。例えば自殺の恐れがある被疑者が逮捕された場合、留置管理課はその被疑者の勾留が続く間は基本的に休みがなくなるでしょう。

また、送致期限が迫っている事件を抱えていたら交番勤務員でも休日出勤してやらざるを得ません。

結論として、警察官になったら招集は避けられない運命だということです。警察官をやっている間はずっとです。

電話は絶対一発で。


そして、電話は必ず一発で出ます

トイレでうんこをしてても、シャワーを浴びてても必ず出ます。トイレに入るときは持っていきます。シャワーの場合はドアのすぐ前に最大音量にして置いておきます。

私の後輩はビニール袋を二重にして独身寮の風呂場に持って入っていました。

「一発で電話に出ないと上司にぶっ殺されるんですよ」と言っていましたね。

冗談ではなく、まあ、そういう世界なのです。


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