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日本語学校も色々です。(入管から処分されたのにそれを職員に教えない学校)

今から数年前、私が国内の日本語学校で専任講師をしていたときの話です。

突然入管の立入調査がありました。

この件について学校が何も教えてくれないので、同僚と入管へ話を聞きに行きました。

その結果、専任講師の数が足りないので、次回の留学生の在留資格認定証明書交付申請を全て不交付にすると入管が教えてくれました。

その後の話になります。

(以下の記事でも関連した内容を書いていますが、この記事だけでも分かる内容です。是非読んで行ってください。)
参考
日本語学校で授業中に教室に入管が入って来た①(「どちら様ですか?」「入管です。」)|元警察官日本語教師 (note.com)

日本語学校で授業中に教室に入管が入って来た②(専任講師の「名義貸し」って良いんですか?)|元警察官日本語教師 (note.com)

日本語学校で授業中に教室に入管が入って来た③(写真撮影しただけかい!)|元警察官日本語教師 (note.com)

日本語教師が入管へ行って学校の不正をぶちまけた話|元警察官日本語教師 (note.com)


半減する学生と授業の割振りをどうするか。


500人以上の新入生が入って来ず、同じくらいの学生が卒業します。

単純計算で学生の数は今の約1000名から約500名へと半減します

しかし、まだ500名近い二年目の学生が残ります。
彼らは翌年の3月に卒業します。

この500名の授業を非常勤の先生約数十名全員で分け合うのか、それとも半数近い先生に辞めていただき、残った先生が担当するのか

学校側がどうするつもりなのか一職員である我々には分かりません。

処分の内容を非常勤の先生に教えても、余計な混乱を引き起こすだけだと判断。

不交付の結果発表を待って、学校の出方を見ることにしました。

2月の終わりの在留資格認定証明書交付申請の結果発表を待ちます。

そして当日、もちろん500名以上が全員不交付

秘密にできると思ったのかな?


副校長が次の日の全体連絡で非常勤の先生に公表して、今後のことについて発表をするだろうと思って待ちます。

しかし、何も語らず

それから2,3日の間、非常勤の先生が学生から事態を聞いてびっくりして教務に問い合わせる、という不思議な事態が続きます。

2年目の学生達は、入国できなくなった恋人や友達から連絡を受けて不交付の事実を知っていますから、不交付は周知の事実です。

非常勤の先生方は授業中に、学生達から、「いつ不交付になった学生が入って来れるようになるのか」と質問された、というパターンが多かったですね。

非常勤の先生にしてみたら何の事か分かりませんから当然教務に問い合わせるわけです。

最初、学校はしばらくこの事を秘密にするつもりだったようです。

しかし、予想外に先生方が次々と問い合わせて来るので仕方なくなったのでしょう。

1週間ほど経ってようやく副校長が朝の全体連絡の場で、不交付は事実であること、今後も学生を頑張って集めるのでよろしくお願いします、という事を伝えました。

こんな事いつまでも秘密にできるわけないですよね。

それに非常勤の先生方も場合によっては次の仕事の手配をしなければなりませんから、当然すぐに発表すると思っていました。

不交付の結果を待つまでもなく、入管の立入検査の日に処分の方針を聞いているはずなので、約2ヶ月近く一切入管の事に触れなかったのはさすがです。

この不交付からちょうど1年後、数十名ほどの非常勤の先生は全員雇い止めをされることになります。

新聞に載りました!


ところで、この学校の在留資格認定証明書不交付の件は大手の新聞にも載りました

最近はネットでの公開期間も終了しているようですが、当時、国内の日本語学校に勤務していらっしゃった方なら一度は記事を目にしている可能性が高いと思います。

学校名や正確な不交付人数、年月については伏せざるを得ないのが少し残念ですけど。
(入管編終わり)

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