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教務室にマイク付き監視カメラが設置されました(労働組合編③)

私の記事では主に警察官の時や都内某日本語学校で専任講師をやっていた時の思い出深い話を紹介しています。

さて、学校に労働組合ができて、団体交渉が何度か行われました。

理事長は第一回の団体交渉に参加したきり来なくなり、腹心の副校長が経営側代表として参加してくるようになりました。第一回の団体交渉で理事長は何を聞かれても「日本の法律をよく知らなかった。」を連呼していました。

昇給や賞与などの要求もないわけではありませんでしたが、組合活動で実現するとは思えませんでした。

せっかく正社員として採用されたのだから、労働環境がある程度改善されれば、当初の目的通り、日本語教師として経験を積めればいいな、と考えていました。

しかし、経営側の組合に対する不信感は深かったようです。

次々とおかしな事が起きました。

理事長の古い知り合いだと名乗る男が来て、「理事長を責めるやつは絶対許さないぞ!」と教務室で我々に対して怒鳴り散らしたり、「彼らは頭がおかしくなったから組合を作ったのだ。」と女性の専任講師たちが秘密裏に非常勤の先生に署名を求めたり。

若い女性の専任講師が若い男性専任講師(組合員)を一対一で飲みに誘い、組合活動の情報を引き出そうとするなんて事もありました。

経営者から見たら組合というのは煙たい存在かもしれませんが、会社を潰すためにあるわけではありません。どうしてそんなことをするのかな、という感じでした。

組合ができて3,4か月経ったある日、外国人の作業員が来て、教務室の天井に監視カメラを設置していきました。カメラの下にマイクがついた、報道の取材で使われるような立派なカメラです。

作業員は理事長と同じ国の人でしたから、理事長の指示だったんでしょう。

自分としては労働環境が改善されれば、という程度の期待で組合に参加したわけですが、ここまで教務室内に溝ができてしまうと関係の修復は難しいだろうなとこの頃から考えるようになりました。

組合活動の思わぬ副作用というか、自分の考えが甘かったなというのを痛感しましたね。(入管編へ続く)



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