的中率の先にあるもの

下記は、筆記試験に出る時事問題の知識だ。

「2018年の日本の交通事故死者数は年間3,532人で、統計を取り始めたS23年以降過去最少となった。」

最近、高齢者による交通事故が「相次いでいる」ため、この知識を頭に入れることは現状を認識するためにも大切だ。

しかし、本当に大切なことは、なぜ過去最少となったのかを知り、どうしたら限りなくゼロに出来るだろうかと考えることではないだろうか。

試験に出るニュースを要約し、予想問題を作り始めて3年目になった。

5月だけでも、昨年度の経常収支の発表や、大阪府「百舌鳥・古市古墳群」が世界文化遺産に登録される見通しになったこと、食品ロス削減推進法の成立など、試験に出る「時事」は大量に報道され、受験生は対策に追われたはずだ。

ただ、世の中には試験に出るニュースより、試験に出ないニュースの方がたくさんある。

そもそも、試験に出せるニュースの大前提は、「確定した事柄」だ。

だから、現在進行形で混迷を極めている英国のEU離脱を出題することは困難である。

なぜなら、英国がEUから離脱しないことになった場合、丸々一問がボツになる可能性だってあるからだ。

試験問題を作る側も人間なので、試験日までドキドキする綱渡りはしたくない。

しかし、私は、試験に出ない情報にこそ、世の中の動きを知るための情報があると考えている。

多くの人にとって、ニュースを幅広く学ぶ機会は、受験期を除いてほとんどない。

だからこそ、「ニュースの輪郭が少しだけわかるようになったかな。」という感覚を受験終了後に持ってもらえるような環境作りをしていきたい。

効率的で、わかりやすく、的中率が高いという価値を追い続けながら、そこからもう一歩進めて、好奇心を刺激するような問題集を作っていきたい。

#ニュースで語る

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