2015 順天堂大学 スポーツ健康科学部 推薦入学試験 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


【学科別推薦】

 筆者によれば、社会性と社会力は異なる。社会性とは、社会の現状に適応すること、または「いまある社会のなかでうまくやっていく能力があること」である。一方で社会力とは、進んで他者のために行動することができ、そこに幸福や満足を感じることができる力、さらに社会を少しでもましな状態に変えようという前向きの姿勢を持ち続けることができる力だと説明される。筆者は、近年の青少年には社会力が欠けていると述べる。筆者の挙げる例を鑑みるに、社会力は私たち若者が身につけるべき重要な力だと考える。なぜなら、他者と共生、共働するためには、社会力が必須だと思うからだ。それでは、社会力を備えるために、私はどのような大学生活を送るべきだろうか。
 社会力が他者を助け、他者のために働きかける力であるならば、大学生活において私は、自分が誰かのためにできることを見定め、行動したいと考える。たとえば、ボランティア活動が挙げられる。私は先日はじめて献血に行った。大学生活中にも定期的に献血に行き、病やケガによる輸血が必要な患者の役に立つことができればと思う。また、他者と共働して何かをやり遂げる際には、他者のために動くことが必然になる。したがって、大学内の学生組織やサークル活動にも意欲的に参加し、誰かのために働き、誰かと共に一つのことを成し遂げる経験をしようと思う。さらにアルバイトもするつもりだ。そこでは、ただ賃金を得るために働くのではなく、職場のなかでどのような貢献をしたら、共に働く人々やお客様に喜んでもらえるのかを考えながら、試行錯誤を繰り返していくつもりだ。最後に、以上のような活動を「継続していくこと」が最も重要だと考える。小さなことでも継続することで、私は大学生活において社会力を備えることができると考える。以上が社会力を備えるための、私の大学生活についてのヴィジョンである。(776字)


【スポーツ推薦】

スポーツ選手が集中して競技に臨める環境を整えることは、観戦マナーとして認められると考える。しかし、どのような環境が選手にとって最善なのかは、選手個人によって異なる。たとえば、クルム伊達選手のように観客が漏らす落胆のため息を気にする選手もいれば、そうではない選手もいるだろう。また、選手のコンディションや状況によっても、観客の振る舞いが選手に及ぼす影響も、異なることが予想される。

しかし、いずれの場合でも、観戦マナーとして選手の競技環境を整えることが認められるならば、観客は選手の要望を聞く必要があると考える。とはいえ、観客も選手に表明してもらわなければ、選手がどのような環境で試合に臨みたいと考えているのかがわからない。したがって、観客へ自分の要望を表明するという意味において、私はクルム伊達選手が観客のため息に抗議したことは、許容されるべきだと考える。競技環境を整える方法は、選手が直接に自分の望む試合環境のあり方を要求するだけではない。たとえば、運営組織が選手の要望を聞いたうえで、試合における環境整備として観客への「お願い」を周知することも可能だ。

現代のスポーツは、選手、観客、運営組織等、多くの人間がかかわって成立している。観戦マナーは、規則ではないものの、選手、観客、運営組織間の健全なコミュニケーションによって、共有されていくべきだと考える。

(577字)


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