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0909

これはわたしとZOCのただのお話です、私情100%であって、ライブレポではないことをご了承ください。

0909は大森靖子ちゃんの作ったアイドルグループZOCの初ワンマンだった。初にしてZepp Tokyoは完売、わたしは期待しかしていなかったよ。
だって靖子ちゃんが抜かりのあるステージを持ってくるなんて思ってないから。そんな彼女についてくるメンバーも然り、と。
ソロ曲があるとか新曲があるとか事前情報もわくわくさせてくれるものばかりで47都道府県ツアーで東京にいる時間も決して長くはないであろう中、移動時間などをぬって準備を進めてきたことはブログやインスタなどからうかがい知ることができた。なんという仕事量。心身ともに心配になる中で、0909は着実に近づいていた。
オタクにできることなど応援くらいしかなく、当日無事に現場へ到着しステージの光景を目に焼き付け、推しを誠心誠意推すことしかできない。あとは祈り。みんな万全で晴れの舞台を迎えられますように。なんて非力なんだ、アーメン

そもそもZOCが発足した1年前、メンバーが発表されたとき、驚きとともにわたしは少し泣いたような気がする。ミスiD2015からのウォッチャーだったわたしにとってはかなり色濃い且つ2017、2018の中で思い入れのあったメンバーだったので。2018のさやぴの戦い方はいまでも鮮明に憶えているし、藍染カレンちゃんの真紅の縷縷夢兎姿も忘れることはできなかった。サバイバル賞という彼女のための賞を獲った戦慄かなのちゃんのこと。2017大森靖子賞のかてぃ。
ミスiDについては書きすぎてしまうのでこのくらいにしておくけれど、きっといつかはスポットライトが当たる日がくるんじゃないかと思っていた子達が、こうして靖子ちゃんの元にZOCとして集まったことがエモい状態でしかなかった。特にあんなに縷縷夢兎の赤はこの子しかいないみたいに言われていたのにその後目立った音沙汰のなかった藍染カレンちゃん。そして主役級に物議を醸しながらも着実にファンを増やしていたさやぴ。2人ともなんらかの形で表に出てきてくれたら嬉しいのにな、という勝手なオタクの気持ちがいきなり報われてしまったのだ。ここに至るまでに紆余曲折はあったのかもだけど、とにかく目の前のメンバーがすべてで、それは鮮烈な光景。

彼女たちは平成の終わりとともに「family name/チュープリ」をリリース、戦場のようなリリイベ(特典券入手困難という意味においてそしてそれに伴うメンバーの接触負担)を数こなし、その時々でメンバーが減ったり増えたり(個々の仕事や学業の都合で)しながらたくさんのステージを乗り越えしっかりファンを根付かせていったなあという印象が物凄い。行ける時はほぼ行ったので、4人の日も、5人の日も、靖子ちゃんのいるフルメンバーの日にも立ち会えたのはほんとうによかった、色んなパターン、フォーメーションが見られて楽しかった。マルイメンの屋上は寒かったね。
なんかだんだん思い出ポエムになってきたので0909へ時間を進める。

「ぴんぽんぱんぽお〜ん♡」というキュートな声、そう、さやぴこと兎凪さやかちゃんの開演前アナウンスが流れてフロアはもう臨戦態勢。とてつもなくかわいい。
開演。
シャンデリア!赤いカーテン!そして鏡張りの柱!ステージがきらきらひかる中ひとりひとり「らしさ」で登場する、初めて見る衣装で。
(この衣装は新曲「断捨離彼氏」を披露した後にかてぃちゃんと靖子ちゃんが原宿などを歩き回り探し、かてぃちゃんのコーディネイトで完成したルックなのだとMCで明かされた。テーマは「エロ天下一武道会」。センスのすべてで敵わない、戦闘服さえも自らの手で選ぶことができるこの子たちはファイターなのだ。)
いつものSEじゃなく、この日のために用意された映像とSE。ああZeppはじまったんだわ。
ZOC実験室から始まったんだけど、あきらかにEDM感強目のこっちが乗らずにいられないアレンジで、ああ、この日のためのZOC実験室なのだななどとじんわりする暇なく初っ端でリミッター振り切れた。特にダンスよ、ダンス。みんなキレッキレっていうかもう既に今まで見た中で一番良い、確実に全員のレベルが意味わかんないくらい上がってるのがわかる、今日の日までに重ねたものを1曲目から見せてくれてありがとう、幸せです。

どの曲のパフォーマンスもレベルアップした姿なのでちょっともう感慨だのなんだのではなくもはやこの空間を楽しみ尽くすことで精一杯だった。
そんな中でもfamily nameは間違いなく特別になるだろうなとなんとなくで思っていたから、次だとわかった時グッと拳を胸の前で握った。
「クッソ生きてやる」のコールアンドレスポンスがこんなにこんなに気持ちいいってありますか。初めてこの曲を聞いた時なにがあっても絶対にわたしは生き延びるって決めていたので、今日を迎えられて「クッソ生きてやる」と言えることが最高の喜びで。
この日のfamily nameはいまのZOCの姿がそのまま出ていたと思う。
そもそも嘘偽りのない女の子たちではあるけれど、いつも以上に。
2番サビで、さやぴが「ぶちかましてこ」って歌ったあとシャウトするんだけど、それがわたしは不安で、やるかなって。そのときのさやぴは下手側つまりわたしのいた方向だったので祈る気持ちで見つめてたんだけど。
渾身のシャウト(過去一かっこよかったよ!)のあと崩れ落ちてでもすぐに立ち上がって。そのとき靖子ちゃんは聖母のように目を細め、潤ませて、こんな表情初めて見たかもしれないなって思うような安堵にも似た顔でさやぴを見つめ、それでいて最後まで貫く眼差しで、客席を見据えたと思う。一瞬が永遠になりそうなほど鮮明で美しくわたしはこの瞬間の愛情を絶対に忘れないんだろうなと思う。靖子ちゃんは間違いなく「孤独を孤立させない」をみせてくれてる。その瞬間をわたしたちは見たんだよ。そこから落ちサビ→大サビ→全員で「おー!おい!」って叫んだ瞬間会場は一体化し、ボルテージは最高潮、だけどなによりステージ上に愛があふれていて目の前が滲んで仕方なかった。なんかもう、「視えた」って感じた。それと同時にその愛はフロア中を包んでいたように思う。いまこの描写を誰かにしようものなら再び泣いてしまいそうだ。
この後のMCで靖子ちゃんは、「family nameは神様がくださった曲」という風に言っていたと思う。この曲を彼女たちが歌うこと、大森靖子ちゃんが作るということは神様から与えられた使命の一つだったのではないかなってわたしは思うよ。
まだ音源が出来上がっていない頃にライブでアカペラで披露していたことや、かつて靖子ちゃんが自分のライブをアカペラで終えるということを何度もして歌の持つちからや説得力を伝えてきたことを思い起こさせてくれるように、アンコールはアカペラのfamily nameで締めた。
彼女たちにしかできないと思う、大森靖子イズムみたいなものがあるとすればそれはZOC。

ZOCのメンバーはひとりひとりががっつり交わる部分のない、学校で同じクラスだったらきっとみんな違うグループにいるような女の子たちだけど、そんな彼女たちは足しても引いてもかけても割ってもダメで、個々のままで揃って最強であるというのが「孤独を孤立させない」の体現なのではないかな、と思ったりした、解釈違ってたら恥ずかしいけど言い切りたい。
戦慄かなのちゃんの「ZOCが認められない世界は見ていて辛い」という言葉、にっちやんの2度目のアイドル人生で立つ舞台への想いの涙、かてぃの全員への感謝、さやぴの苦しかった気持ちの吐露、カレンちゃんが楽しいと言えること、メンバー全員が「いまがいちばん幸せ」と言い切ったこと、靖子ちゃんがみんなを包み込み全員の人生を背負う覚悟でこの6人で頑張りますと力強く話すそのすべてが愛おしく、全員抱きしめたくなるようなそんな0909 Zepp Tokyo。

最後に。A INNOCENCE が「愛のセンス」であることにギュッとならざるを得ない、愛のセンスわたしにもあるかなあ。

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