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【祝6周年】俺は流行らせないよ。りんご飴は。

みなさんこんにちは!ポムダムール代表の池田です。

本日(2020/7/20)、多くのお客様、従業員、従業員のご家族、その他の親愛なる皆様に祝福され、ポムダムールトーキョーは6周年を迎えることができました!


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正直、6年目が一番しんどかったです。お店を作ってからいろんなことがありましたが、殺しに来てるとしか思えないような出来事がいろいろありすぎました。人や組織を守ることに追われて自分個人がどんどん消えていくようでした。それでもお店がここまで来れたのはファンの皆さんが励ましてくれたり応援してくれたからです。

先日ラジオを聞いてましたら番組パーソナリティの方が
「あなたは本当にコロナ前に戻りたいですか?」
と言っていました。それを聞いて僕はどきっとしたんです。だって、戻りたくなんかなかったから。
コロナはいろいろなものを奪い去って行きますが、逆に多くの得られたものもあったのです。
僕の日常に様々な形で襲い来るプレッシャーや責任は【世界は僕がいなくなることを望んでいる】と錯乱させるほどのものでした。その苦しみが90だとすると、コロナと対峙する苦しみは70~80程なのでよく考えると減ってたんです。
ちなみに、課題提出日に寝坊して留年がほぼ確する苦しみは60くらいです。


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6年目(去年~コロナ)のお店に関わる大きな出来事としては
【りんご飴が流行りそうになった】ということでしょう。
様々なメディアがタピオカの次を探す中でりんご飴も注目を受けました。
いろいろなテレビから取材の依頼が殺到しましたがほとんどお断りしました。よっぽど熱意と情熱をお持ちだったディレクターさんの企画は受けましたが…。影響力をもつタレントさんとの絡みは全て断りました。

最近とある中学校の担任の先生からメールを頂きました。
「クラスの生徒たちが池田さんとポムダムールのことをレポートにまとめたので、ご覧いただければ幸いです。」
修学旅行で東京に来た時に実際に僕と会ってお話をする予定の生徒さんたちがグループワークを通してレポートとしてまとめてくれたのです。

みなさんからいただいたレポートを拝読しまして、共通して書かれていたことは
【池田さんはりんご飴を流行らせようと思ってない、誰かにとっての居場所を大切にしている、知名度や売り上げのために動くことはない】
ということでした。
いやー!よく調べている!取材を仕事としてる人にもこのくらいは調べて来てほしいものです。僕はとても嬉しかったです。
(たまにいらっしゃいます。どこまで僕のこと知ってるんだっていうくらい事前調査をしてから取材に来られる方。そういう人の書く記事はとても面白い)


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流行らせようと思ったことは、実はある。

実はあるんです。僕も野心はあります。お店を始める前はなんでもいいから大きなことをやって大金持ちになってやる!なんて思っていました。
りんご飴を専門的に販売する商売はイケるんじゃないか!!?とも思ったこともありました。僕はたぶん人より優劣コンプレックスが強いんだと思うんです。そうやって商売を捉えていました。
もちろん、りんご飴を正しく広めたいという気持ちは嘘じゃなくありましたよ!でもそれはだんだんと現実味を持って大きくなったんです。最初からそこだけに熱かったかと言われると、どうでしょう。
【りんご飴も喜ぶし、僕もいい人生になるならwin-winだ!】
という感覚が適当かもしれません。

それがだんだんと関わる人が増えていきました。
お客さんがいて、ファンがいて、一年目で従業員ができました。百貨店に出店して、いろんなバイヤーさんに会って、青森県には農家さんに会いに行ったり、青果店のみなさんにもりんごのことをいろいろ教えてもらいました。
それまでは自分一人とりんご飴一個で完結してた世界にどんどんと人が増えていったんです。その中で【大切なもの】に気付き、使命感が強くなりました。


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なぜ、流行ら"せ"ないのか。

たぶん、流行らせようと思ったら流行ります。流行は作れますから。それに、ポムダムールトーキョーは通販で100箱(りんご飴300個)を5秒で売り切るほどの影響力を持っています。
けど流行らせることで満たされるのって僕と農家さんと青果店と【林檎をとにかくたくさん売れるだけ高く売りたい(まだ見ぬ)人たち】くらいなんですね。
その代償として従業員は日々の労働に疲弊し、従業員のご家族にも心配をお掛けし、お店のファンは「有名になるのは嬉しいけど、悲しい」といった状態に陥ります。お店の近隣にお住まいの住民の皆さんにも多大なご迷惑をお掛けし、それは結果的に大家さんを締め付けるものになります。たぶん。

身の丈にあった速度で少しずつ輪を広げて、それがどんどん広がっていけばいいな〜と思ってます。
とはいえ、お金は何かを維持したり守るためには絶対に必要になってくるので、そこらへんはちゃんと社長なのでご安心を。

思い出すのは小学校4年の時のアサガオの観察。同じクラスの子に賢い子がいて、アサガオに禁断のドーピングをしたんです。栄養剤か何かを大量につかったんだったかな?結果的には誰よりも早く枯らしてました。
誰よりも早く、多く咲くかもしれないけど、そんなの嫌でしょ。りんご飴を咲かすのは僕だけど、それを幸せだと見てるひとがたくさんいるんだから。


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コロナは"流行"を奪う。

コロナが奪っていくものはたくさんありますが、この業界では主に【流行】かと思っています。
偶然にも僕の【流行らせてたまるか!】という目的と一致したんです。
ちょうどゼーレと碇ゲンドウのような感じです(?)。
そこで僕がとった方法は【流行らせない通販】でした。
僕の経験上【"流行らせない"商法】は言い換えると頑固なダイレクトアウト。新規顧客に媚びないという性質があるのでクレームを食らいやすくたまに顧客をキレさせます。

でもそれでいいんです。特に今は。だって僕たちはやっと【ポムダムールらしさ】を取り戻すことができたんですから。そして、僕個人が今楽しいんだから。

通販は6年目最後の大仕事でした。いままで絶対にやらないと言ってきたことです。そんな僕が必死になり、気がつけばサイトを作り、梱包資材を発注し、ヤマト営業所に伝票を印刷しにいってました。

一件でも多くお届けするため、お風呂に入りながら仕事もしました。
(あの、折り畳めるお風呂の蓋を作業台にしてね。)
皆さんに確実にお届けしたかったので抽選も予約もお断り。
(その節はご迷惑おかけしました。)
緊急事態宣言期間中は全てのご注文にとある限定味を皆さんへの応援の気持ちで同梱しました。総額にすると○十万円分になりました。
(言えない言えない。かっこつきすぎる。)

その限定味はまったく話題になることなく終わりました。
全ての箱に同梱したお手紙も話題にはなりませんでした。
皆さんが【"流行らせるため"や"儲けるため"にやってることではないんだろう】と、気持ちを汲み取ってくださったように感じました。
うちは本当に素敵なお客さんに恵まれてるな…と改めて嬉しかったです。


お手紙のコピー

ポムダムールトーキョーも皆さんのファンです。

お客さんからいただいたメールやDMは全部印刷して保管しています。辛い時、寂しい時、悩む時、迷う時は皆さんの言葉の一つ一つが支えになっています。私の大切な宝物です。(画像は加工しています)

そしてこのお店は本当に素敵なお客さん、青森県のりんごの皆さん、税理士さんや保険の担当さん、取引先の担当さんや百貨店関係者の方々、たくさんの素敵な人たちに支えられています。

ファンに愛されているお店の代表として言うと、僕も皆さんのファンです。

僕も僕の日常では誰かにとっての客になります。誰かにとっての取引先だし、誰かにとっての上司です。みなさんのような素敵な上客で、取引先で、責任者でいられているだろうか、と振り返ることがあります。とても尊敬しています。

7年目のポムダムールトーキョーは、これまでと同じ感じでやっていきます。そして、皆さんのことを応援できるようなお店でありたいなと思います。
最後に、6年前の今日の写真を添えて、
僕たちの人生に華を、りんご飴に光を。
これからもポムダムールトーキョーをよろしくお願いします!

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