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春夏秋冬 * ショートショート

異常気象が異常になりすぎた日本。

暖冬、冷夏はもはや当たり前になり、
台風も一年中上陸する。
9月に桜が咲き、1月は猛暑日が続いた。
花粉のピークは6月の終わりで、沖縄は豪雪地帯となった。

政府は四季を改めると発表した。

もう既存の「春夏秋冬」では対応しきれなくなっていたのだ。


「春夏秋冬のうち2つ無くして四季から二季にします。」


どの2つを残すかは国民の投票によって決めることになった。
残したい季節1つに投票、上位2つの季節を1年の前半と後半に振り分ける。

早速、選挙戦が始まった。
名前に季節の漢字が入っている人たちは、組織を作った。
桜が好きな人は春を押した。
海の家と、スキー場は激しく対立した。
秋田県民は秋を残したがった。
どうでも良いと言う人も多数いた。

そして投開票の日。
7月なのにみぞれ混じりの雪が降っていた。

投票率は90%を超えていた。
風の噂では、強引な買収や強要、傷害事件も起きたと言う、まさに大荒れの1日となった。
評論家の予想は、春が1番人気であった。
やはり日本の四季から春を消せないだろうと言う意見が多かった。

そして、とうとう投票結果が出た。

春と秋が残った。

日本の二季は春と秋の2つに決定しました。
政府が発表すると日本中から歓喜と悲鳴が鳴り響いた。

7月のみぞれまじりの雪は、暴風雪に変わっていた。

さぁ、今日は春なのか秋なのか?それから決めようじゃないか。



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