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ep38 外国での食事を通じて感じること

38回目の投稿。最近は新たな事業の種が見つかり、その調査に奔走しております。その傍らでカンボジアの和食店を日々開拓している次第です。写真は先週訪問したお寿司屋さんです。お会計は一人2万円程度でした。辛口な評価をすると、日本で同じ値段出せばもっと美味しいものが食べれると思います。しかしながら、日本に行けない中でこういったものが食べれることは非常に嬉しいです。

今回は飲食店での食事を重ねることで感じたことを綴りたいと思います。こちらについては主観の要素が非常に強いため賛否あると思いますが、誤解を恐れずに思うまま書いていきたいと思います。

専門店化・創作が進む日本の飲食店

日本では飲食店の専門化が進んでいる印象を受けます。また、専門化にとどまらず、そこから更に創作が進んでいる印象も受けます。

具体的には、ファミリーレストランのような何でも食べられるお店がある一方で、その数よりもハンバーグ専門店、パスタ専門店、ラーメン専門店といったお店が多いことです。

さらにハンバーグに限ってみても、煮込みハンバーグ・おろしハンバーグ・チーズインハンバーグなどといった従来無かったような創作に富んだ形のメニューが出てきています。

このように、日本の飲食の現場では特定のジャンルに特化した専門店が増えると共に、日々新しいメニューの開発が行われているのではないでしょうか。

専門店が出始めたカンボジア・ベトナム

私はカンボジアとベトナムでの滞在経験が長いため、その視点からの印象となりますが、双方の国においても飲食の専門店が出始めている印象を受けます。以前はファミリーレストランのような何でもおいている日本食店が多かったのですが、現在はそのようなお店の新規出店は見られません。

ベトナムは顕著でして、和食で言うと、ラーメン屋・餃子屋・カレー屋・寿司屋といった専門店がここ数年で数多くオープンしました。ホーチミンに限ってみても数十店舗オープンしております。

カンボジアに関しても寿司屋のオープンが目覚ましいです。首都プノンペンに日系の飲食店が100店程度しかない中、ここ3年で10店舗以上はオープンしております。

このように東南アジアでも専門店が増えておりますが、日本のようにオリジナリティに富んだ創作的な専門店はあまり無い印象を受けます。

旨いカレー屋不在のカンボジア・ベトナム

こちらは正に私の主観となります。ベトナム・カンボジアでインド人経営のカレー屋を除いて美味しいカレー屋を見つけることは困難です。私は大のカレー好きのため、お酒を飲まない日に新たに開拓した飲食店のメニューでカレーを見つけたら必ず頼むほどです。

ベトナムとカンボジアにおいて、私の舌を満足させるカレーには出会えておりません。いつかそのようなカレー屋が進出してくることを祈っております。場合によっては個人的にオープンすることも視野に入れております。

四季を感じながら食事をする日本人

少し話が反れてしまいました。話を戻しまして、日本人と東南アジアの方々の違いについてお伝えします。こちらも主観となりますが、両者の間では食事の選び方にも違いがあると感じております。

具体的には、日本では春にはカツオ、夏にはアジ、秋にはサンマ、冬にはブリといった旬毎に美味しい魚・食べる魚があります。これは魚に留まらず、野菜など他の食べ物にも言えます。皆さんは季節ごとにその季節の食材を選んで食べることが多いのではないでしょうか。

その他にも、夏だからバーベキューしたいなぁとか冬だから鍋食べたいなぁと考えたことは一度二度では無いと思います。

この四季を感じながら食事をするということは、日本にいると当たり前に感じてしまいますが、カンボジアやベトナムと比べるとそれは大きく異なります。

決まったメニューを食べ続ける東南アジアの方々

カンボジアやベトナムの南部には季節は2つしかありません。それは雨季と乾季です。気温の変化も年間を通じて40度から20度の間位で、年間の平均気温は27度です。そのため、日本人の私が体感する気候は暑いか暖かいかの2つになります。

このような気候のためか、日本のように季節ごとにおいしい食材というものをあまり見かけません。多くの食材が年中収穫できるため、決まった時期に流通する食材というものが少ない印象を持ちます。

このように食材に変化があまり見られないため、提供される料理に季節性を感じることはあまりありません。もちろん、日本のように「本日のおすすめ」や「今月のおすすめ」といったメニューを見かけることはありません。

そのため、カンボジアやベトナムの南部ではいつも決まったメニューを食べている印象を受けます。

少し踏み込んで話をすると、寿司屋などでは、メニューがほぼ固定される傾向が強いと聞きます。

日本人や欧米人が常連の寿司屋では旬に応じた食材を使いながら料理が提供されるものの、現地の常連客が多いお店ではコース料理の内容が季節によって変わることなく提供しております。

一度好きになったメニューは継続して食べたいという嗜好が強く、「その店ではその料理を食べる」という考え方が現地の方の傾向だそうです。そのため、コース内容を変更すると、「前回食べたあれは出ないの?」「次はあれを忘れないでくれ」と言われてしまうそうです。その結果、現地の常連客が多い店ではコースのほぼ全てが固定されているそうです。(固定メニューになったことで従業員の負担が減り事業の効率は上がったそうです。)

私の身近でも、会社で働くカンボジア人を日本食屋に連れて行くと決まってトンカツを頼む社員がいますので、この話には納得感があります。私の主観ですが、このような食事の嗜好には気候も関係しているのではないかと考えている次第です。

日本で育ち、常に旬のものや新しいものを食べたいと考える私の視点からすると、現地の方々とは考え方が大きく異っている印象を受けます。

食事に時間を惜しまない日本人

その他にも、食事をする時間についても違いを感じます。日本では友人や家族とお酒を伴う場所へ食事に行くと、1~2時間程度は飲食店に滞在するのではないでしょうか。

日本の居酒屋に関しては週末には2時間制を謳っているところもあるほどですので、滞在時間が長くなることが多いことと思います。

また、カウンターのお寿司屋などの高級店で飲食する場合も一品一品を楽しむのではないでしょうか。私の場合は、一品一品味わって食べて、大抵は一緒に食べている方と感想を言い合ったり、お店の方との話に華を咲かせています。お酒も沢山いただくため、2時間~3時間は滞在することが多いです。

会話より食べることを優先するカンボジアの方々

その一方で、カンボジアの方々はどんなお店でもサクッと食べてサクッと帰る方が多い印象を受けます。もちろん大きな宴会などを行っている場合は当てはまりません。

具体的には、カウンター型のお寿司屋さんで30~40分後には食事を済ませて帰っていきます。大将は客の食べるスピードを見ることなく淡々とコース料理を提供していきます。お客さんは間髪入れず次々にそれを食べていきます。同行した人同士の会話もそれほど多くありません。

時々、現地の方と思われる方々と同じ時間帯に来店することがありますが、私が同じコースの半分も食べ終わる前にお会計をして帰っている姿を見たことは何度もあります。

そのような光景を何度も見ることにより、食文化の違いをはっきりと感じることが出来ます。これは日本にいると実感出来ないことなので非常に貴重な経験です。

まとめ

このようにカンボジアやベトナムでは日本と食文化が大きく異なっていることを感じて頂けたのであれば幸いです。

今後私の住むカンボジアやベトナムにおいても現地の方による異文化の吸収や混合がさらに進み、異国の旨い飲食店が増えていくことを期待しております。

最後までご覧頂きありがとうございました。今後も不定期に掲載して参りますのでよろしくお願い致します。

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