『綺麗なものばかり』のこと。

こんばんは、ぽんです。
一ヶ月ほど前になりますが、先日nana SPECIAL LIVE に出演させていただきました。
会場へ遊びにきて下さったみなさん、コメントで激励してくれたみなさん、好きだと言ってくれたみなさん、本当にありがとうございました。

今回はそのライブの中でうたった、『綺麗なものばかり』という曲についてお話ししてみたいと思います。

わたしは昔から自信が無く、コンプレックスの塊で、それを全力で隠しながらずっと生きてきました。
さらけ出して嫌われるのがこわかったから。そして、人一倍、"愛されたい"という欲求が強かったから。
他人と比べては、自分のことがまた嫌いになってしまう。
どうしてあの子のように生きられないのだろう、あの子みたいに愛されないのだろう、あの子は綺麗だ、あの子はかっこいい、あの子が羨ましい、あの子は、あの子は…。
完璧な人間なんて居るはずなくて、みんなそれぞれに誰にも言えない秘密や悩みを抱えているのに、わたしは自分以外の他人が羨ましくて仕方がなかった。
わたしはひとより汚い部分がたくさんあるし、劣っている部分がたくさんある。

自信がないが故に、わたしが愛してもらう為には、せめてみんなの目に、"いい子"に映るようにしなくちゃ、嫌われないようにしなくちゃダメだ。
私は勝手にそう決めつけて、一時期はそんなことばかり考えていました。
でも実際は、"いい子の定義"はとても相対的で、よく分かりませんでした。
だから、その日あった出来事をひとつひとつ思い出しては、どうするべきだったのか、どこがダメだったのか、と、どうにもならない後悔と反省を繰り返し、明日におびえながら眠る。
どうしたら好きになってもらえるのか、嫌われないのか。
正解が分からないまま、自分の嫌いな部分をひた隠しにして取り繕っては、芽生えかけた個性のようなものまでどんどん削ぎ落とし、相づちと愛想笑いばかり上手くなっていく。
気がつけばわたしの色は無色透明、結局誰の特別にもなれず、"愛される者"ではなく、"無害な者"になっていました。
それが分かってしまったけれど、それを認めるのも、恐かった。
ずっとそう生きてきてしまったから。

ありのままの自分を歌詞に書くことも、こうして文章を綴ることも、得体の知れない何かに、心臓を鷲掴みにされている気持ちになります。

だったらどうして、こんなことを歌詞やブログに書いているのかというと、もっとわたしの内面(自分の嫌いなところも含め)を書いた曲がORESAMAにもっとあったほうが良いのではと思ったから。(これは『迷子のババロア』を書いた時から思っていたことなのだけれど。)
そして文章で、それを伝えていくべきだと思ったからです。
なぜなら、この活動をしていくこと自体が「わたしのことを愛して下さい」と言ってるようなもので、もっと自己開示しなくては、本当の意味で誰かの心を開くことは出来ない、そう思い始めました。
わたしは天才ではないから。

このブログのことでいろんな意見があったり、それで離れていってしまったひとがいることを知っています。
だけど、これがわたしです。
弱くてごめんなさい。

明るくて、楽しくて、かわいい曲が好き。
それをうたうのも好き。
だけど、本当のわたしは多分正反対。
だからこそ、自分にないものをくれるポップミュージックが、わたしは大好き。
日常を忘れて、楽しい時間をみんなで一緒にすごせる時間が、とても幸せ。

そんな気持ちが込められた曲です。

誰かに寄り添える曲になれたら嬉しい。
これからもずっと、大切にうたっていきたいです。

長くなってごめんなさい。
読んでくれてありがとう。

『綺麗なものばかり』

わたしはいい子と呼ばれたくて
愛されたくて 空回っているの

後悔ばかり 誰かに会えば
振り返り 恥ずかしくなって

採点してく 一言一句
今日のわたし うまく出来た?

理想の衣に隠れてしまえば
死ぬまで誰にも見つけてもらえないのに

綺麗なものばかりが正しくて
優しいものが愛されるから
わたしはいい子と呼ばれたくて
愛されたくて 空回っているの

取って繕い 流される YES GIRL
振り返り やるせなくなって

ピースはめこむ わたしのプロフィール
何度見ても色がないの

大切な何かになりたいだけなのに やりかたさえ分からずに
アイデンティティ摘み取っては 誰かの中で生きたいと願う

綺麗なものばかりが輝いて
優しいものが選ばれるから
わたしはいい子と呼ばれたくて
愛されたくて 空回っているの

綺麗なものばかりにとらわれて
裸の心 なくしている
わたしをいい子だと言わないで

愛されたくて 空回っているの

http://nana-music.com/sounds/01b37393/


ぽん(ORESAMA)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?