学部選びを間違えた

タイトル通りなのだけど、大学3年生の私は、学部選びを間違えた、という気持ちで毎日過ごしている。

私の通う学部は文理融合系。最近流行りの、といってしまえばそうなのだが、やろうと思えば哲学や心理学、社会学、物理学、生物学、数学、…と、とにかく何でもできるよ、という学部だ。

高校生の私が文理融合の学部を選ぼうと思ったのは、
①自分が医療系の仕事に就きたくて理系に行くか悩みつつ、結局文系を選んだことにもやもやしていたから
②認知と言語との関係性に興味があったので、多方面から考えるなら文理融合の方がいいと思ったから
以上2つの理由による。
これからは文理の枠にとらわれてちゃいけない!もっと広く見ないと!という、高校生ならではの、謎のキラキラした思いもあった。

だが、入学してすぐに、その幻想は打ち砕かれた。広くは学べる、しかし、浅い。専門性というものが、まるでない。確かに、興味のある授業になんでも飛び込んではいけるのだが、でも、それだけ。
取得単位数が増えるごとに、単位は積み重なっても、つまみ食いばかりでメインディッシュはどこにあるんだろう、という気持ちになる。
あなたは何をしてるの?何を勉強してるの?という問いにすら、私はどう頑張っても答えられない。
何のために大学にわざわざ進学したのだろう、こんなところに来なくたって、専門書を図書館で借りれば自分でも勉強できたのに。専門性を極めるなら、自分はこんな人間です!と証明したいなら、専門知識を入れられる場所に行くべきだった。

私は、とても後悔している。
そのくせ、自分の決断を翻す勇気も、誰かに相談する勇気もなかったので、転学部も言い出せなかった。(転学部は2年生からスタートになるので)せっかく1年間頑張ったのに、別の学部に行ったら単位をいくつか失って再チャレンジで、そこから皆に遅れて出発、というのも怖かった。

そう、とにかく怖かった。過去の失敗に戻ってやり直そうとすることが。

前に進まないといけないんだから、置かれた環境でやるしかないんだと思っていたのだ(尤も、置かれた環境というより自分で置いた環境なのだが)。

そんなこんなで、この学部は自分に合わないと思いつつも、もう大学3年生半ば。就職活動が始まってきて、「あなたは大学で何を勉強してるんですか?」と聞かれる機会も多くなってしまった。

「はい、私の専攻は言語学です。」…そのあとが、いつも詰まる。なぜかというと、言語学を主専攻とはしているが、言語学単体で開講されている科目はとても少なく、何かテーマを絞った研究をしているわけではない。言語学の中の、さらに細かく分類された学問の概要を、軽く教えられただけ。それを何か発展させた研究になど、まるで取り組んでいない。

他の学部の人が実習が大変だの、研究室が大変だのと語るたびに、私は劣等感に苛まれた。
どうして私だけが、こんなにも空っぽで、自分を語れるものがないのか…?
その思いが、いつまでも消えないまま、こんな年になってしまった。

いつになったら過去と向き合って、修正していけるんだろう。私がどんな人間かを、証明できるんだろう。
その場しのぎの生き方をやめて、先を見通して、生きていけるんだろう。

そう思いながら、また一日が過ぎていくことが、虚しい。

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