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東宝エリザ1/31公演

※前投稿の「初めに」を読んでからこちらを読んでいただけると幸いです。
※敬称略にて書かせて頂きます。

東宝エリザ1/31公演の配信の感想です。

エリザベート;花總まり
トート;古川雄大
フランツ;田代万里生
ルドルフ;甲斐翔真
ゾフィー;剣幸
ルキーニ;黒羽麻璃央

古川雄大、ドラマでちょこっと見たことがある俳優さん。
…トート?ほへぇ…
事前情報で姉からは、甘いトートだったと聞かされていたけど、
甘いトート?はて?状態。
始まって歌声聞いて、えーーーーーーーーーー!!!!????
歌ウッっっっっっっま!!!!そりゃトートなんだから歌上手いなんて当たり前の話なんだけど、歌声聞いたことなかったし、めちゃくちゃびっくりするよね。
とにかくスタイルも顔も良いし、ビジュ最高のトート出てきた…
その後の、エリザベートに対する愛おしそうな表情がめちゃくちゃ良かった…
1発目、エリザベートを助けた後に「待って!」と声をかけられた瞬間にの、
え…覚えてるの…?って言いたげな表情から愛おしそうに微笑む顔…
なにそれ……苦しい…

最後のダンス、アレンジも加えられて最高の歌唱力だった…こんなの聞いたことない!
歌い出す前にエリザベートにお辞儀する時の表情、右手を胸に当て、左腕をだらんとさせて、「俺のこと覚えてたんじゃないのか…?」と言いたげな怒りのこもった表情。
そして「あなたは彼を選んだ、私から逃れて」と、ため息をつきながら歌うさま…
なにそれ……苦しい…(2回目)

長女ゾフィーの命を奪った後の闇が広がるで「導くのだ」と正に囁きかけている姿もグッときた。
というか、古川トートに関しては終始グッときてて、仕草や表情が満点すぎて、細かく書こうとしたら多分3日くらいかかる。

皇后の体操室のシーン。流石に井上トートほど老人声は出せていなかったから
声の変化でゾクッとくるところはなかったものの、エリザベートが「本当なら許せない」と言った後、嬉しそうに笑うも、「王宮から出ていくわ」というだけに終わり悔しそうに舌打ちをするところ。そして、「いいえ、命を絶ちます」と言った後のピクッと背中だけの演技。総じて最高。

闇が広がる(リプライズ)、今回初めて分かったんだけど、
前半はトート主導で歌ってたのが途中からルドルフ主旋律になっていくんだね。
ルドルフを操っていくさまが感じられた瞬間だった。
古川トートの甘い歌声だったからこそ気づけたんだと思う。

最後のエリザベートが死んだ時に抱きついてきた時にしっかりと受け止めて抱きしめ返してたのも、このトートならではって感じだったなあ。
井上トートはどちらかというと戸惑いが見られたからな。
終始エリザベートへの愛を感じたトートだった。

エリザベート。本公演でラストエリザでは?と言われているというまりさん。
私の中の初代エリザベートであり、永遠に1位のエリザベート。
エリザベートといえば?と聞けば、多くの人が名前を挙げるのでは?
そんなまりさんのエリザを見るのは実に20年以上ぶり。
今のまりさんの演じるエリザベートってどんな感じなんだろう…と見始めて、震えた。
これが、エリザベートだ。
幼いシシィも演じ、なんと言っても老いていく様が見事だった。
天真爛漫なシシィから、絶望を経験していく皇后エリザベートまで、この人でしか考えられないという程、納得で圧巻の演技だった。

トートに対するツンとした態度や、ゾフィー・フランツへの態度それぞれに意味があって強さ、芯を感じた。

私だけに(リプライズ)での、あの衣装を観て、なんて美しい、これ程この姿が似合う人がいるだろうか…とさえ思った。

精神病院での魂の自由を歌う時にも、話しかけるような、語りかけるような、苦しみを吐露している姿に感涙。

体操室でのシーン、最後に「まだ…あなたとは踊らない!」とトートに言い放つ時に、
指をさし出ていくよう促すが、その時に少し腕が曲がっている。
ここでのエリザベートは直前倒れているし、フランス病であるとされているから
老いも含めこの力ない中で振り絞って指をさしていると伺える。
愛希エリザはピンとさしていたのでそこが違いとしてあったかな。

パパみたいに(リプライズ)の、「…パパなのね」と言った瞬間、涙が溢れた(私の)
この曲は初めて聴く曲だったけど、すごく沁みて好きな曲だった。
愛希エリザもこのシーンもちろん涙を浮かべ歌っていたのだけれど、哀愁、辛さ、悲しさ、全てがまりさんの方が上手と感じてしまった。説得力、というべきか。

ルドルフが自害した後の、死の嘆き。出てくるタイミングが絶妙で、ヨタヨタと棺ではない方向に向かって「ルドルフ…どこなの…」と歌い出す。この後エリザベートは発狂したとも言われているから、この、どこに向かって話しかけているのかわからない表現は素晴らしかった。
愛希エリザは1度棺に向かって歩いて行った後、振り返って死の嘆きを歌い始めたので、個人的にはまりさんエリザの方がスッと内容に入り込めた、という感じ。

あくまでも個人的な感想であることを考慮いていただきたいが、
全体的にまりさんエリザの方が説得力、強さ、重みがあり、人間臭さがあったかなと思う。もちろん愛希エリザの歌唱力は素晴らしかったし、1音も外さず歌っていて感動したけども、歌い上げているなぁと思ってしまった。ミュージカルなんだからそれが正義なのも承知なんだけどさ。これは好みの問題。あ、別に愛希エリザが嫌だったとかは1ミリもない。比較するならば、というお話。

フランツ。持論だけど、良いエリザって、いかにフランツが可哀想に見えるかだと思っている節があって。その持論いつ気づいたのって言うと、真風フランツを観てからなんだよね。
エリザって基本的に、色んな苦しい事があって可哀想なエリザベート…って感想になること多いんだけど、あれ?エリザベートに振り回されてて1番可哀想なのフランツじゃない?って真風フランツで見えたんだよね。
ルキーニが要所要所キッチュで真実話してたけど、正にその部分が全部フランツに返ってきて可哀想…ってなる。宝塚ではあの真実いうところ端折られてたからそれでもフランツって可哀想なんだって気づかせてくれた真風は偉大。
で、万里生フランツもすごく可哀想だった。そしてビジュも良いし、若い→中年→老人までの声の変え方が細かくてもう。少しずつ老いていってる…すごい…!
所作も含めてすごく考えられた演技だった。

ルドルフ。立石ルドルフに比べてかなり逞しく成長したルドルフ。
でも中身はしっかり弱さがあって、何よりもすごく良かったのが
久々に母親と再会した時の僕はママの鏡だからを歌うシーン。
うじうじした感じから、母親に縋るように分かってくれるよね?と歩み寄り、
「わからないわ、久しぶりなのよ」と言われ全てを打ち明ける。
「今ハプスブルクを滅亡から救える道はない」と母の手を強く握るも振り払われるところで、振り払われた瞬間に絶望を感じている演技がすごく良かった。
青年ルドルフって1回出てきたら自害するまで出ずっぱりで歌って踊ってだからほんとしんどい役所だよね。

ゾフィー。これが所謂エリザの怖いゾフィー!って感じだった。
全てに棘がある感じ。
香寿たつきのゾフィーも見たかった…。

ルキーニ。流石の私も聞いたことがある黒羽麻璃央。2.5次元俳優でしょう?すごい人気なんでしょう?知ってる知ってる。でもどんな歌声の人かは知らなかった。
すっっっっっごいね!!!???
これが初ルキーニ???本当に言ってる???なにこのクオリティ…
しゃがれ声、ダミ声を使い分けて、さらにアレンジまでして歌い上げて、最高かよ…
エリザのストーリーテラーやからめちゃくちゃ大事な役所やん?
めっちゃすごかった。高音、低音、難しい曲いっぱいあるし、イカれた役だし…
やっぱ舞台に立つ人って…すげー…と感動しっぱなしのルキーニだった。

総評;ちょっと待って…めちゃくちゃ最高だったんだが…?
同じエリザでもこんなに変わってくるんだ…やばいんだが…
確かに宝塚ってアレンジで歌うことなんてほぼないし、東宝エリザってめちゃくちゃ個性出るんやな…最高かよ…

どちらの公演も5回ずつしか観れなかったけど、久しぶりに興奮してときめいた数日間を過ごさせてもらえて、本当、ありがとう小池先生。。。

そしてまりさん。生で観たいからまだエリザやって欲しい。

育ちゃんトートも観たいからBlu-ray買うことは決定。
やっぱりミュージカルって…いいね…
気になるものとかあったらどんどん観に行けるように、アンテナはろうって思えた。
両日とも最高の公演だった!次またエリザやるのは2年後とかなのかな。
絶対生で観に行こう。アデュー!

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