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テクニカルイラストのお話②

コンヌツハ!ホロケゥです( 'ω' )ノ
前回の記事は、説明書の「テクニカルイラスト」が描けなくてキット製作が詰んだお話でした。
今回はテクニカルイラストで一番よく使われている「アイソメトリック図」と、描くためにどんなことをしたかのお話。ご興味のある方はどうぞお付き合い下さい。

主流の「アイソメトリック図」とは?

ひとことにテクニカルイラストといっても、その描き方はたくさんの種類があります。

物を正面から見た図や
写真をトレースしたものなど。

見る人が一番わかりやすいよう、様々な描き方が使い分けられてますが、一番よく見るのは斜め上から見た「アイソメトリック図」ではないでしょうか。

最近、駅の広告やWeb広告などで、こんなイラストを見たことある方も結構いらっしゃると思います。
これがアイソメトリックの手法で描かれたイラスト。立体を斜め上から見た姿を表現する図で、俗に「アイソメ図」とも呼ばれています。
立体を正面からだけでなく、上から、側面から、様々な角度から見せることができるので、家電や家具、プラモの説明書などによく採用されています。ゲームではクォータービュー(見下ろし型)の背景にも採用されてたりしますね。
アイソメ図でイラストを描くと、ジオラマやお部屋の間取り図のように、箱庭を覗き込むような楽しい絵を描くこともできるので、なんかワクワクしますね!
僕が作るキットの説明書も、このアイソメ図を採用することにしました。

アイソメ図の決まりごと

このアイソメ図。専門用語では「等角投影図」とも呼ばれ、立体のX軸、Y軸、Z軸が全て120°の等間隔になるという決まりがあります。

わかりやすく立方体を描くとこんな感じ。

120°の等間隔ということは、水平線に対して30°のシアー(並行歪み)がかかってるということですね。

アイソメ図を描いてみよう

というわけで、早速アイソメ図の作成に挑戦したいと思います。
正確に描写したいので、今回はIllustratorを使用。

例えばこの正方形。

さて、こいつをどうやってアイソメ図の側面にしようか?

おバカさんな僕は最初、シアーで単に30°歪ませるだけで描けると思ってました。

ご覧の有り様だよ!!!!!

ハイ、前回の記事のように、横に太りましたね。
実はここにも落とし穴があり、「シアーをかける前に、水平 81.65%・垂直 70.71%に縮小する」という、方程式のようなものが存在するのです。
なぜこの数値になるのか?原理は数学の世界になってしまうので、ここでは割愛します。
太古の人間も「うわっ炎熱い!明るい!なんで燃えるかよくわかんねーけど、とりあえず便利そうだから灯りや料理に使おう」って感じで文明を発展させてきました。そんな感じ。

アイソメ図の原理と作り方については、こちらのサイトがとてもわかりやすく参考になったので紹介させていただきます。描き方で苦戦してる人や、説明書の絵が上手く描けない方は是非ご覧下さい。

さて、上記の方程式に従って、正方形をアイソメ図に変換していきたいと思います。
もちろんパーツひとつひとつを毎回水平 81.65%・垂直70.71%に縮小してシアーを30°かけるなんて面倒なことはやってられないので、

一連の工程をIllustratorのアクションに登録しました。
クリスタのオートアクションみたいなもので、作業工程を記録して再生する機能ですね。同じ作業を何度も繰り返すときに大活躍します。
これを天面×2と左側面、右側面の4セット作りました。

それでは左側面のボタンをポチッ。

でけた!!!!

ボタンわんポチでアイソメ図に変身。やったぜ!!

違いがおわかりでしょうか?
左が失敗例、右が成功例。同じ正方形でも縮小してからシアーをかけたので、右はすっきり痩せてイイ感じになりました。

そんなこんなでパーツをアイソメ図に変換しては組み合わせを繰り返し、どうにかテクニカルイラストっぽい説明書イラストを描けるようになりました。

今までイラストやマンガはちょこちょこ描いてきましたが、説明書のイラストを描くなど未知の経験でした。
今回行き詰まったことや勉強して得た知識は、自分にとって大きな収穫になりました。出来なかったことが出来るようになって、一歩ずつでも前に進めるのは嬉しいものですね!

余談ですが僕はモノクロイラストを描く時、一番下に薄い緑のレイヤーを敷いてます。長時間の作業でも少し目が疲れにくくなるような気はします。

なるべくテキストは最小限にして、イラスト中心の分かりやすい説明書を作っていきたいと思います。

それでは皆さま、今日も良い一日をお過ごしください!
読んでいただきありがとうございます┏〇 ペコリ

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