見出し画像

曇り空の下の桜とわたしとレスキューカー


娘の入学式が始まる頃、わたしはJAFを待っていた。
向かいの小山に咲く、美しい桜の木を眺めながら。


諸々の状況から、元々わたしは入学式に行かないということになっていたのだけれど、でもああ、今日からかぁ、とか家に居ても少しは感傷的になりたい朝だったはずだ。

それが、JAFである。


ここ最近、ずっと雨でぬかるんでいる家から少し離れた場所に、一週間ほど前から車を停めないといけない状態になっていた。(夫が三台目の車を買ったから。)
何かにつけ、わたしの愛車ちゃんはそこに追いやられそうになる。なのでわたしは半ば意地になって、愛車ちゃんに乗って雨の中コインランドリーに出かけたりする。

わたしはわたしの愛車ちゃんが一番好きである。

夫は仕方ないと思ったのか、もう一台の先住車をその場所に駐車していたここ数日だった。一度わたしがその車に乗ろうとした日、前輪が少し空回りするくらいぬかるみにはまりそうだったから、焦って夫に伝えた。すると「大丈夫なところに停めているはず。アクセルを強く踏みすぎだよ。」と返答される。
わたしは車のことが詳しくないから、そうか、気をつけよう、と静かにしていた。

すると昨日、車を停めてから戻ってこないと思ったら、ニヤニヤ笑いながら「やべえスタックしちゃった」と家に入ってくる夫。

ほら!!

と、思ったけれど、責めても仕方ない。何も言わずにいたら、「ミワコJAFの会員になったし明日朝イチで対応してくれる?いい練習になるでしょ」と軽い口調で仰せになられる。

むむ?まあ、そうだけど…正直、やりたいことではないぞ。
でも時間があるのはわたし、対応できるのもわたし。

その後も、「ちゃんとアプリをインストールした方がいい」とか、朝になったらなったで、「明日車検だから早めに呼んで」とか言われて、なんだかな…と思いながら、桜の木とJAFのレスキューカーを見つめているわたしがいた、朝だった。


こう書いていて、振り返る。わたしはどこでわたしの感情に気づきどこでそれを発信すればよかったのか、と。日々のモヤモヤって、それの繰り返しなんだな、と気づく。

一緒に暮らす人間関係は、持ちつ持たれつなのは、わかる。わたしも、色々助けてもらっているし手伝ってもらったりしてる。
でも、わたしがスタックしそうになった時は、アクセルの踏み方を注意されて、自分がスタックした時は、「もっと大変な状況の時の練習になるからいい機会でしょ」って。

なんだか!なんだかなーーー!!!


こうして今なんだかなー!という煮え切らない感情があるということは、やっぱりその場で出してない「怒り」ってものがあるのだろうか。
感情が、現れた瞬間に察知できて表現できたら良いのだけれど、思考の後に戻ってきたりするものだから、表すタイミングが難しい。
感謝感謝って、不満や愚痴を言わないようにしても、多分出してないものがあるから気持ちが塞いでしまう。

まさに、感情もスタックしてる。ということは大きな力で牽引することが必要なのか!?

これは課題なんだなー。

もう、JAFのお兄さんがセクシーなイケメンだったら一緒に乗せてってもらっちゃうぞーなんて思ってみたけど、そうは、いかなかった。(当たり前だ)

妄想しても、答えはないのも、わかってる。
うむ。うむ。うむ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?