ぽんぽこ

ゲームの知財(特許や商標や著作権)について、徒然なるままに思索しています。 Twitt…

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ゲームの知財(特許や商標や著作権)について、徒然なるままに思索しています。 Twitterやってます! https://twitter.com/ponpoko_note

最近の記事

ニコニコ動画のコメント特許を甘く見てはいけない

以前書いた記事に関連して世間が少し盛り上がっているので、過去に少し言及した側としても思うところがありました。 要するに、以下の記事の続編とでも思ってもらえれば。 ニコニコ代表の人による権利行使の示唆発端はニコニコ代表の以下ツイートによる、コメント特許の権利行使の示唆であるようでした。 端的に言えば、ニコニコ風のコメントをyoutubeで流すようなアドオンに対して、特許の権利行使を積極的に進めているということを開示したわけですね。 これに対して、一部のソフトウェア開発者は反

    • 任天堂がコロプラへの損害賠償額を44億円から96億円に増やした理由の考察

      任天堂がコロプラ の白猫プロジェクトを特許侵害で訴えた事件はゲーム業界でも最も有名な特許侵害訴訟になりました。 このnoteでも、過去に任天堂の特許権の確認をしています。 今回、事件の続報として、コロプラのIR資料から任天堂が損害賠償額を96億円に引き上げたという情報が流れたため、世間を再び騒がせています。 訴訟開始時の44億円でも、ゲーム業界のみならず、国内ではトップクラスの損害賠償請求額だったのですが、96億円に倍化するとさらにインパクトは強くなるので、大騒ぎになるのは

      • 8月31日を「特別」な日にする

        「特別」な日について子供が生まれて初めて知ったことと言えば、特別な日の多さだ。 とかく、赤ちゃんには特別な日が多い。 まず、産まれた日が最も重要で、誕生日だ。多くの子供は、一つ歳をとるとお祝いされる。「今年も無事に過ごしたね」と。なんなら大人になってからもお祝いされるかもしれない。 それから、生まれてから7日目にはお七夜、31日目にはお宮参り、100日目にはお食い初めと続く。いずれも、赤ちゃんが健やかに育つように、といった願いが込められた風習だ。近頃は、ハーフバースデーの

        • コナミの壁透過カメラ特許をちゃんと読んでみたら無罪だった件

          特許にうるさいコナミゲーム業界で最も影響があった事件の1つに、コナミがナムコに対して特許権を行使した「音楽ゲーム訴訟(音ゲー事件、ビートマニア事件、リズムゲーム訴訟とも言われる)」があります。この訴訟は1999年に提起され、2000年に和解で決着がついたのですが、日本の大手ゲーム会社同士が争った特許訴訟ということで、大きな注目を集めました。企業だけでなくゲームユーザの注目を集めたことや、他にも知財の権利行使が多いこともあって、コナミは特許にうるさい会社として認知され、アンチパ

        ニコニコ動画のコメント特許を甘く見てはいけない

          ニコニコ動画はどのような権利をとっていれば「動画のコメント表示機能」の特許訴訟でFC2動画を侵害とできたのか?

          ニコニコ動画がFC2動画を特許侵害で訴えた2016年11月、動画配信サービスである「ニコニコ動画」を展開しているドワンゴ社が、同じく動画配信サービス「FC2動画」等を展開しているFC2社を「動画のコメント表示機能」に関する特許侵害で訴えました。 それ以前(2016年7月)にも、両社の間では「ブロマガ」という商標権を巡って訴訟が提起されており、この特許訴訟は有名動画サービスを展開する企業間での一連の知財紛争の1つとして、注目を浴びることとなりました(「ブロマガ」商標を巡る争い

          ニコニコ動画はどのような権利をとっていれば「動画のコメント表示機能」の特許訴訟でFC2動画を侵害とできたのか?

          知財戦略の基本はFFのATB(アクティブタイムバトル)特許に詰まっている

          日本のゲーム業界で最も有名な特許日本のゲーム業界で最も有名な特許は、人によっていくつか挙げられるものがあるかもしれませんが、私は特許2794230と特許3571207を挙げたいと思います。 これらの特許はFINAL FANTASY(FF、ファイナルファンタジー)シリーズのATB(アクティブタイムバトル)システムを保護するものとして有名です。 FFシリーズは日本で最も人気のあるRPGゲームの1つであり、ゲーム好きなら一度はプレイしたことがあるのではないでしょうか。 ATBシス

          知財戦略の基本はFFのATB(アクティブタイムバトル)特許に詰まっている

          任天堂がコロプラを訴えたバーチャルパッド特許はスゴイ

          世界最強法務部が動き、ゲーム業界に激震が走った2017年12月、ゲーム業界の雄であり世界最強と名高い法務部を有する任天堂が特許権侵害でコロプラを提訴しました。 この訴訟における任天堂からの請求金額は一部請求で44億円であり、報道各社を含めて社会的にも大きな話題に。 それもそのはず、近年の日本の裁判において、特許の損害賠償として認められた最高額は17億円(平成29年度 特許庁産業財産権制度問題調査研究報告書 特許権侵害における損害賠償額の適正な評価に向けて 113ページ)であり

          任天堂がコロプラを訴えたバーチャルパッド特許はスゴイ

          デジタルゲームと知財の関係

          デジタルゲームは総合芸術であり産業知的財産の観点から言えば、デジタルゲームは総合芸術であるとともに最先端技術産業です。 特許、商標、著作権、etc... デジタルゲームは多種多様な角度から知的財産として多面的に保護されています。 著作権の観点で言えば紛れもなく芸術作品ですし、特許の観点で言えば最先端技術産業と言えます。 このnoteでは、ゲーム好きの知財部員が知財の観点からゲームを分析し、個人の思索を綴っていきます。 ゲームは身近なのに、知財は専門的すぎるあなたはデジタルゲ

          デジタルゲームと知財の関係