よろずよ八首


01号・001首 

 よろつよのせかい一れつみはらせど 

むねのハかりたものハないから 

 万代の世界一列見晴らせど 

 胸の分かりた者は無いから 

yorozuyo no sekai ichiretsumiharasedo 

 mune no wakarita mono wa nai kara 

 【註釋】一、親神がこの世を創めてから永い歳月の間には、幾億という数知れない人々が生を享けて来ているが、いつの時代を眺めても、広い世界の中に、たれ一人として胸の分かった者がない

 01号・002首 

 そのはづやといてきかした事ハない 

なにもしらんがむりでないそや 

 その筈や説いて聞かした事は無い 

何も知らんが無理で無いぞや 

 sono hazu ya toite kikashita kotowa nai 

 nanimo shiran ga muri de nai zoya 

 【註釋】二、それも無理のない事で、今までこの真実の教を説き聞かした事がなかったから、止むを得ない事である。時々その時代の聖賢を通じて説き聞かした事はあるが、是等は総て時宜に応じた神意の現れであって、最後のものではない。これは、未だ旬刻限が到来しなかったからで、止むを得なかったのである。

 01号・003首 

 このたびハ神がをもていあらハれて 

なにかいさいをといてきかする 

 この度は神が表へ現れて 

 何か委細を説いて聞かする 

 konotabi wa kami ga omote i 

arawaretenanika isai o toite kikasuru 

 【註釋】三、しかし、この度こそはいよいよ旬刻限が来たので、親神である天理王命が、この世に現れて、親神の意中を万事詳細に説き聞かそう。 註 このたびとは、天保九年十月二十六日、旬刻限が到来して、教祖様をやしろとして、この教をお始め下さった時をいう。 神がをもていあらハれてとは、教祖様を親神様のやしろとして、即ち、教祖様のお口を通じて、親神様のお心を、世の人々へお話下さることをいう。 

01号・004首 

 このところやまとのしバのかみがたと 

ゆうていれども元ハしろまい 

 この所大和の地場の神館と 

言うて居れども元は知ろまい 

 kono tokoro yamato no jiba nokamigata to 

 yute iredomo moto wa shiromai 

 【註釋】四、ここは大和のぢばのかみがたであると言うているが、何故ぢばがかみがたであるかという元は知るまい。 註 しバは、ぢばで、親神様が人間を最初に宿し込まれた所、即ち、我々人間の元の親里を指す。かみがたは、神館の詰まったものと解す。

 01号・005首 

 このもとをくハしくきいた事ならバ 

いかなものでもみなこいしなる 

 この元を詳しく聞いた事ならば 

如何な者でも皆恋しなる 

 kono moto o kuwashiku kiita kotonaraba 

 ikana mono demo mina koishi naru 

 【註釋】五、大和のぢばがかみがたであるその元来の訳を詳しく聞いたならば、どんな人でも自分達の元の故郷であるぢばが慕わしくなるであろう。 

 01号・006首 

 きゝたくバたつねくるならゆてきかそ 

よろづいさいのもとのいんねん

 聞きたくば訪ね来るなら言うて聞かそ

 万委細の元の因縁

 kiki takuba tazune kuru nara yutekikaso 

 yorozu isai no moto no innen 

 【註釋】六、この根本のいわれを聞きたいと思うならば、尋ねて来るがよい。この世の成り立ちを初め総ての理を詳しく教えよう。 

 01号・007首 

 かみがでてなにかいさいをとくならバ 

せかい一れつ心いさむる 

 神が出て何か委細を説くならば 

 世界一列心勇むる 

 kami ga dete nanika isai o tokunaraba 

 sekai ichiretsu kokoro isamuru 

 【註釋】七、真実元の親神がこの世に現れて、無い人間無い世界を創造した親神の恩ちょう、たすけ一条の道を詳しく説き聞かしたら、世界の人々の心は、真実の教によって皆いそいそと晴れやかになる。 

 01号・008首 

 いちれつにはやくたすけをいそぐから 

せかいの心いさめかゝりて

 一列に早く救けを急ぐから 

 世界の心勇め掛かりて

 ichiretsu ni hayaku tasuke oisogu kara 

 sekai no kokoro isame kakarite 

 【註釋】八、たれ彼の差別なく総ての人々を一日も早く救けたいから、親神の胸の中を悟れるように世界の人々の心を勇ませる。

註 以上八首は、「みかぐらうた」の「よろづよ八首」にあるものと殆ど同じである。ただ「おふでさき」に於ては五七五七七となっている和歌調が、「みかぐらうた」に於ては五七五七五となっている。

ここから先は

0字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?