日々ログ20190513 「香山リカ『「発達障害」と言いたがる人たち』を読む①」

今週は、発達障害について書かれた書籍の感想をテーマとする。

対象書籍は、香山リカ『「発達障害」と言いたがる人たち』(SB新書、2018)

僕は若い頃から香山リカの本を読み、その存在を知っていた。

例えば『自転車旅行主義』(青土社、1994)や、『香山リカのきょうの不健康』(河出書房新社、1996)など。『香山リカのきょうの不健康』は、書籍の出入りの激しい我が家にあって、今も片隅で眠っている。

僕が香山リカを知ったのは、ニューアカデミズムやYMOなどサブカルチャーに通暁したエッセイストとして。

『香山リカのきょうの不健康』も、香山さん目当てで購入した訳ではない。香山さんと対談をした鈴木慶一や高橋幸宏目当てである。

程なく、ワイドショーや報道番組のコメンテーターとして、TVで観ない日はないほどの寵児となった。

その後ブラウン管に映る頻度が乏しくなったと思いきや、今度はリベラル文化人代表としての露出が増加した。

いまや香山さんは、当初の「独自のセンスを持ったサブカル文化人」から遠く離れて、日本社会・文化をリベラルな視点から語る「大文字の論客」になった、と僕は感じた。

あたかも、若き日の香山さんが憧れた柄谷行人、浅田彰、田中康夫、坂本龍一など、1980年代のニューアカデミズムやサブカルチャーの旗手たちの変容と、軌を一にするようだ。

かつては軽やかさを武器に、1980年代を逃走=闘争し続けたニューアカデミズムやサブカルチャーの旗手たち。

現在の彼らはリベラルの大御所として、「大文字の」社会・文化批判を語る存在である。


すっかり前口上が長くなり過ぎたようだ。

明日から、香山さんの著書について感想を述べていきたいと思う。

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