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魯山@新宿伊勢丹 〜気取らずに楽しむ鮨屋の快楽〜

久しぶりの外食なので旨いものを食べようとウロウロ。
しかしどこも予約していない。
新宿伊勢丹「魯山」という鮨屋が開店前なのに行列。きっと旨いのでは?と推測し、たまたま空いていた席に滑り込む。
あとで調べたら、日本屈指の鮨店である「三谷」のご主人が、こちらの初代店長だったとのこと。

空席はアラカルトのみのカウンター席。望むところよ!と、むしろワクワクした。

江戸前鮨の厳かな緊張感はなく、くつろいで楽しめる雰囲気。活気もある。
カウンター越しに職人さんが愛想よく接してくれるのも心ほぐされる」

「握る前に少し切って下さい」
「何品か、みはからってお出ししますね」

おつまみ一皿目。
平目の昆布締めに削ったカラスミを。
白魚に卵黄を絡めて。
それぞれ、そのまま頂いてもいいし、山葵を添えてもいいという趣向。
白魚の卵黄和えに山葵を添えると、相性抜群。白魚の苦味と、卵黄のコクと、山葵の爽やかな辛味が三位一体で舌に心地良い。

二皿めのおつまみは、お造り四点盛り。
みずいか、しまえび、メジマグロ、赤貝。
どの種も目が醒めるような美味しさ。漁港のそばで頂くコリコリした刺身ではないが、旨味に溢れている。素材と仕込みに念が入っている証拠である。
特にメジマグロの爽やかさが秀逸。白魚といい、春を感じる見事な演出である。

「そろそろ握って下さい」
お酒を飲み干した刹那、お茶と握りをお願いする。
握りには渋くて熱いお茶が最強だから。

お鮨は小ぶりで食べやすい大きさ。
まずはスミイカを塩で。まずはさっぱりと頂きたかったから。
続いては小肌。控えめに締めていて、上品な味わい。小肌が苦手な方でもいけそうな仕上りである。
金目鯛。回るお店ではなく、真っ当な鮨屋で金目鯛の握りは初めてだったが、これはいける。
ウニを軍艦巻でなく握りで。煮切りではなく塩で頂くウニは初めての経験。
中トロ。文句なしの旨さ。

本来は巻物で締めたかったが、昼からお酒を飲んでつまんでいたらお腹がくちくなった。

ごちそうさまでした。

好んで緊張感のある江戸前鮨屋を巡ってきたが、気軽に旨い鮨にありつけるお店も良いものだ。
堅苦しい鮨屋でなければいけない、というレッテル張りは、自称グルメの自己満足に過ぎないと、自戒を込めて思った。

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