33)旅の予習と復習と

はじめて沖縄へ行ったときのこと。

国内の旅行先としてとびっきり有名どころだけど、まるで興味を持っていなかった。沖縄出身の友達が地元で結婚式するから来てよ、というので、もちろん、と、ただ披露宴に出席するだけに出かけた。

初めて那覇空港に降りながら、あまりの海の青さに心奪われた。ポスターとか本とか、沖縄と言えば青い海の写真は定番だが、あれは上手に撮ったヨソイキの作品だと勝手に思い込んでいた。本当に青くて透き通っている、だまされてなかったのだ。

飛行機の便が少ないので、前泊した。寝るだけでかまわないつもりだったが、ふと、せっかくだからガイドブックを手に入れようと書店に向かった。ちょっと街に出て歩くうち、何に心ひかれたのか忘れたが、とにかくいきなりスイッチが入ってしまった。そして沖縄の夜は遅い。ついつい深夜まで国際通りをうろついた。

翌朝、レンタカーを借り、空き時間はぎりぎりまで一人で遠出した。足りない。全然時間が足りない。披露宴も二次会も、これまたいちいちおもしろかった。

帰ってきてから、下調べせずに予習なしで行ってしまったのを埋め合わせるように、本を数冊買い込んだ。歴史、民俗、名産品・・・知らなかったことばかり。このきっかけがなかったら知らずに通り過ぎるところだったのか、もったいない。

そろそろまた遊びに行きたい。飛行機嫌いでなければもっと気軽に行けるんだけど。

2019/08/14

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