19)高卒認定試験

高卒認定試験を年配の方に説明するときは、不正確さを承知で「昔の大検ですよ」と言って、まずはざっくり思い描いてもらう。大検(大学入学資格検定)も名前しか知らない人の方が圧倒的に多いので、細かい話はあと。

大検から「高等学校卒業程度認定試験」に変わって、かなり取りやすくなった。まず、科目数が減った。そして、全日制在学中でも受けられるようになった。高校に入らなかった人、中退した人だけでなく、学校に居づらいとか、まれにいるであろう学校のペースではまどろっこしいタイプの人も、リスクを取らずに在籍のまま別の選択肢を試せるのだ。

高校で1年か2年単位をとって中退した場合、おそらく1,2科目の受験で事足りる。在籍校での単位がひととおり揃っていれば、一番得意な1科目だけで済むこともある。

ただ、勉強だけの問題ではなく、10代の子が自分だけで手続きを全部済ませていくと言うのは意外と大変である。誰か大人の手が借りられたらハードルがぐっと下がる。

まずは制度を知る、そして願書を取り寄せ、住民票等書類を集め、やめた学校から成績証明書をもらい、収入印紙で受験料を払う。一つ一つはささいなことだが、意外とつまずく。

親に手伝ってもらえない子には、ここにも壁がある。壁を越える手助けをできる大人に出会えるのが運でしかない現状を、どうやって変えたらいいのだろうか。

2019/07/22

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