31)家族旅行は最大公約数で

お盆休みを少し外して家族旅行を計画している。このところ毎年、一泊二日のプチ旅行だ。

友達との旅行はよほど仲がよくても慎重に計画する。普段、限られた時間でつきあっている相手といきなり四六時中行動を共にすると、日頃はお互いに見ないことにしている欠点を目の当たりにして仲違いのきっかけになりこともある。もちろん、一緒に行きたい理由があるわけだから、そこを大事にしながら普段以上に距離感には気をつけて旅を楽しむ。

では家族はどうか。一緒に生活して裏も表も知っているのだから旅先でも同じだろうと簡単に考えるのは危険だ。一緒に生活していても、仕事や学校でおのおのが家庭以外の時間を持っている。旅先でべったり一緒に行動していれば日常と違う場面で新たな側面が見えたりする。家族だからこそ無遠慮にふるまってしまうのもやっかいだ。行きたい場所も泊まりたい宿もやりたいことも、突き詰めて考えるとバラバラだったりする。おおむね同じ方向に向いていても、優先順位はそれぞれの言い分がある。

今はまだ子どもが小さいから、一緒に行動できることを優先して、誰もがそこそこ楽しめる最大公約数的な旅行プランを考える。ただ、この先、子どもがもっと自分で動けるようになれば、何も家族全員で出かけて家族全員で一緒に過ごす旅行でなくていいと思っている。

同じ場所で同じことをするだけが目的ではないし、最大公約数的な旅はだれもが満足しない旅でもある。子どもがもう少し大きくなったら、ちょっと遠くの行きたいところややりたいことをすり合わせて、旅先で別行動する時間を増やしてもいい。もちろん一緒に行きたいところがあれば行ってもいい。拠点だけ決めて、行きたいところに行って、家に帰るように宿に帰って楽しかった思いを共有する。さらにはそれぞれが自分の旅をしてみやげ話で盛り上がれるような、やがてはそんな大人同士の関係に少しずつなっていきたい。

2019/08/12

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