41)「単機能・高性能」が好き

ビルトインの洗濯機、致命的なパーツが故障したので、コインランドリー通いをしながら次の策を考えた。2か月後、別の場所に新しい洗濯機を設置した。

家電選びはワクワクする。量販店など1日中でも見ていられる。
が、今回は少々きびしかった。
壊れた洗濯機が海外製品で、修理するにも交換するにも高い。
キッチンカウンター下のスペースに収まる国産品はない。

そもそもどうしてこのタイプにしたんだったかな、と思い出してみる。

導入当時、私は乾燥機のついていない、シンプルなドラム式が欲しかった。
つねづね、縦型洗濯機の上部というのは使い物にならない、どうにもすっきり収まらないスペースだと感じていたので、ドラム式にしてみたかった。10年ほど前のこと、国産のドラム式が出回るようになってはいたが、乾燥機能がついてボタンがたくさんついて、気にいらない。

だいたいの場合、乾燥できる容量は洗濯できる量の半分。一度の手間で乾燥まで放置できる魅力はあったが、いいかげんに詰め込んでしまったらせっかくの乾燥機能が不十分になるのではないか。自分が全部洗濯するならいいが、家事は家族で分担するもの、自分以外が使うときのことも考慮に入れなければ困る。シンプルな、お湯で洗える洗濯専用機が魅力的だった。国産のドラム式もそこそこ高かったから、意外と価格差が大きくないなと思って導入した。

故障の原因は洗剤の入れすぎだったらしい。正確には、泡が立ちすぎて大事なパーツが腐食し、破損したという。そういえば洗剤入れすぎないようにと言われていたけれど、その意味がよくわかっていなかったんだな、もっとよく聞いておけばよかった。

そういえば、と思い出す。
たしか、ビルトインに不都合が起きたら困るから、と、別の場所の床下に給排水の配管を仕込んでもらっていた。さほど大きくない工事で洗濯機置き場ができるはずだ。名案。そしてなにより、10年前にはなかった国産の単機能ドラム式が出ていて、工事を含めても修理よりかなり安く済む。これだ。

1つのキカイにあれこれ機能を詰め込まれても使い切れない。詰め込まれていると操作が複雑になったり高くなったり。大手家電メーカーはなぜかその方向に新製品を出し続ける。対極のあまり知られていないメーカーは安くてシンプルでいかにも安っぽい製品を出す。欲しいのはそのどちらでもない。

使い勝手が良くてしっかりした道具を求めているだけなのに、なかなかなかったが、ようやく折り合いのいい製品が納得のいく値段で出回るようになってきた。多機能に惹かれる人もいるだろうが、単機能高性能を求める人だっているはず、欲しい人に情報とモノが届きますように。

2020/01/23

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