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松竹、歌舞伎とともに

2021年、市川團十郎さんの生家、目黒区青葉台の大豪邸が売却されるとき、週刊誌が「海老蔵(当時)、経済的にピンチか!?」などとしょーもない記事を書いた。

團十郎さんの生家は平成4年12月から、所有権はずっと松竹にあった。團十郎さんの父親の莫大な借金を、土地を担保に松竹が肩代わりしたという経緯がある。松竹に所有権が移った後も團十郎さん一家が継続して居住していたけど、それは歌舞伎に精進して欲しい松竹の意向でもあった。両者で話し合いは済んでおり、借金も計画通り返済が進んでいた。

目黒の大豪邸が売れても團十郎さんには一銭も入らないのだから、團十郎さんがピンチもクソもない。週刊誌の信憑性や信頼度は、こういう外からでも事実確認できる記事によって測っている。

実家を売却したすぐ後、「團十郎(当時は海老蔵)さんが麻央さんと住んでいた自宅を売却する」という記事も出た。團十郎さんはすぐに否定したが、その後も度々、同じ記事がネットニュースに上がってくる。

この話題を持ち出すのは決まって『女性自身・女性セブン』で、売却理由は決まって團十郎の経済的苦境。何としてでも團十郎さんを経済的ピンチとしたいようで、よほど日本の伝統芸能がお嫌いと見える。

5月11日にも「麻央さんとの思い出の自宅」を売却したと『女性セブン』が報じたけど、5月19日の時点ではまだ所有権は團十郎さんにあった。

團十郎さんは麻央さんとの思い出の自宅を売ってないし、稽古場として使用してるから当分は売るつもりはないと思われる。週刊誌の飛ばし記事に踊らされてはいけない。

「麻央との思い出の家を…」というスレッドは未だにアクセス数を稼いでくれるようで、マヤさんが未だに妹さんに縋るのもむべなるかな。

金が必要ならわざわざ土地を売らずとも、土地を担保に金を借りればいい。しかし、松竹は冒頭の團十郎さんの実家の土地を早々に手放している。コロナで苦境に立たされた松竹には、現金が必要だったのかもしれない。

松竹の有価証券報告書より

安定して利益を稼いでいた松竹が、コロナ禍で2021年に△56億円、2022年に△28億円の損失を出している。團十郎さんの実家の売却は、損失の穴埋めをしたい松竹の意向が大きかった。

件の物件の売却価格は正確に分からないが、10億円前後で売却されたのではないかと思われる。所有権は仲介会社を経て現在はスマホゲーム会社にあるが、物件には仲介会社のとき12億円、ゲーム会社のときは15.7億円の根抵当権が設定されている。そのレベルの価値があるということだ。

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