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がまくんとかえるくんたちの優しい世界

がまくんとかえるくん誕生50周年記念
「アーノルド・ローベル」展

大学の時によく行った立川が変貌を遂げていて、素敵な美術館もできていたので行ってきました。
がまくんとかえるくんの作者、ローベルさんの展示です。

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私はおそらく、小学校を何度か転校していた関係で、がまくんとかえるくんの物語を今まで授業などで知る機会がありませんでした。
なので、今回初めてこの物語をはじめ、ローベルさんの作品について知る機会となったのですが、もう、大好きになって帰ってきました……。

ローベルさん自身の体験から、自分らしくいることを恐れないでよいということや、何気ない日常にあなたがただそこにいてくれるだけで幸せなんだという真理を、がまくんとかえるくんをはじめ、擬人化されたあらゆる動物のキャラクターを通して、伝えてくれます。

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お話の中では、楽しいことだけじゃなく、日常生活に潜む不安や弱さも教えてくれます。文章や絵は非常に研ぎ澄まされているのですが、そのシンプルの中にはユーモアや深みがあって、人間以上に、人間らしい表情や2人のやりとりに心が温まるし、あまりにも思いやりのある優しい世界に涙が出そうでした…

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ローベルさんは子どもに対して、説教じみたことは表現せず、常に真実を語っているので、あまり絵本を好んで読んでこなかった私にも刺さったのだと思います。絵本ってこんなに素晴らしいものだったのか…と思いました。

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さらに色やレイアウトなどへのこだわりも強く、物語だけではなく一つの絵や本としても一冊一冊が細かなところまでデザインされていて楽しいです。
表紙の絵の外側の柄や目次のための挿絵、登場人物たちが着ている服や、住んでいる家のインテリア、ベッドのシーツまで、丁寧にこだわりをもって描かれていてページをめくるたびに感動します。
黒、緑、茶の3色刷りという制約の中だったからこそ作り出された色味も本当に美しくて。。。

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そんなローベルさんの作品の世界観をきちんと保ちつつ、さらに物語の中に浸れるような展示の仕方もとてもよかったです。


編集者さんとのやりとりも展示してあっだのですが時々「sweet!」とか編集者さんのコメントも入っていてほっこり☺️

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作者自身の主観と、編集者さんの客観的な視点をバランスよく取り入れて初めて本が出来上がるのだなぁと思いました。そこには世界観の共有や信頼関係が必要だな〜とも。

もう、楽しすぎて気づいたら3時間ぐらいは経ってまして、これはもう子どものためだけの本ではない!と思い図録と絵本を2冊(本当は4冊欲しかった)とポストカード買って帰りました…

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(図録はカバーを取ってもかわいい)


今回は常設展として、はらぺこあおむしのエリック・カール展もあったりして、本当に大人も子どもも一緒に楽しめる空間という印象で、よい美術館でした。


今後の展示も楽しみです。



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